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1台で部屋がライブ会場! デノンが挑む“高さと広がり”操作するワイヤレススピーカー「DENON HOME 200/400/600」
- 提供:
- デノン
2026年4月7日 08:00
写真を見て「ああ、よくあるオシャレBluetoothスピーカーね」と思ったアナタ、ちょっと待って欲しい。2つの点で、このスピーカーは“羊の皮を被ったオオカミ”と言っていい。1つ目は、多数のユニットを内蔵し、1台で部屋いっぱいに、なんと“高さ”方向にも音を広げられること。そして2つ目は、長年AVアンプを開発し、サウンドバーの人気モデルも手掛けるオーディオブランド・デノンが、“ガチで作ったHi-Fiスピーカー”だということだ。
名前は「DENON HOME」シリーズ。4月7日9時からGREEN FUNDINGでクラウドファンディングが開始される。安い方から「DENON HOME 200」、「DENON HOME 400」、「DENON HOME 600」の3モデルあり、いずれも価格はオープン。
クラファンで各色50台限定のSuper Early Bird支援プラン価格は、DENON HOME 200が48,100円(一般販売価格より19% OFF)、DENON HOME 400が68,800円(同18% OFF)、DENON HOME 600が97,800円(同17% OFF)。2台セットのプランなどもある。詳細は下図の通りだ。
この3モデルのサウンドを、発売前に家で体験したので、そのレポートをお届けする。結論から言うと、これは従来のBluetoothスピーカー、ネットワークスピーカーというジャンルを超えた、“部屋を別の空間へワープさせる装置”のような、今までにないスピーカーになっている。
音が広がる空間の広さ、高さをアプリで操作
冒頭で挙げた“2つの特徴”の、1つ目から詳しく見ていこう。
3モデルは、いずれも1筐体の製品なのだが、その内部には沢山のカスタムメイド・スピーカーユニットを搭載している。
エントリーのDENON HOME 200は、前面に25mmツイーター×2基、102mmウーファー×1基を搭載。2.1.0ch構成で、合計3基のユニットを内蔵している。
ミドルクラスのDENON HOME 400は、前面に19mmツイーター×2基、114mmウーファー×2基。さらに、上部に、上向きの25mmアップファイアリングユニットを2基搭載している。2.0.2chで合計6基ユニットだ。
上位モデルDENON HOME 600は、前面に19mmツイーター×2基、66mmミッドレンジ×2基、165mmウーファー×1基。上部に、上向きの66mmアップファイアリングユニットを2基搭載。さらに背後にまわると、165mmウーファーをもう1基搭載。2.1.2chで、合計8基のスピーカーユニットを内蔵している。
「2.0.2chや2.1.2chとか、まるでホームシアターみたいだな」と思ったアナタは鋭い。
デノンは、2014年に世界初の家庭用Dolby Atmos対応AVアンプを発売して以来、Atmos対応製品を多数手掛けており、サウンドバーでも数多くの人気モデルを輩出。ホームシアター市場を牽引するブランドでもあるが、その技術を「DENON HOME 200/400/600」に投入したわけだ。
3機種は、Amazon Musicなどで配信されている、Dolby Atmosの空間オーディオ楽曲に対応しており、入力されたAtmosのデータを、内部で7.1.2ch信号にデコード。そのあとでモデルごとに、最適な再生ができるように、搭載するユニット構成にあわせた割り振りを行なって再生する。
DENON HOME 400とDENON HOME 600は、上向きに2基のドライバーを搭載しているが、上方に向けても音を放出し、高さのある音場を再現する。DENON HOME 200は上向きドライバーは搭載していないが、バーチャル技術を活用して高さの感じられる再生を行なってくれる。いずれも1台のみでだ。
また、Atmos楽曲ではない、普通のステレオ音源を、デノン独自の技術で空間オーディオへ拡張して再生する事もできる。要するに、デフォルトの「Autoモード」にしておけば、空間オーディオの曲であれば、含まれている高さや広さ情報を活かした再生を、そうでない音源も良い感じ拡張して再生してくれる。ユーザーが音源の種類を意識したり、操作しなくても、あらゆる音楽を、部屋に満たしてくれるというわけだ。
面白いのは、HEOSアプリを使って、音が広がる空間の“広さ”と“高さ”を、ユーザーが調整できること(DENON HOME 200は広さのみ)。実際にどう変化するかは、後ほど試してみよう。
サウンドマスター山内氏が手掛けた、ガチなHi-Fiスピーカー
これまでの特徴を見ると、“1台で音を広げるユニークなスピーカー”という印象で、やや、機能重視な製品というイメージも抱く。だが、DENON HOME 200/400/600が本当に面白いのは、ユニークな機能を持ちつつ、そのベースは“ガチなHi-Fiスピーカー”であることだ。
その証拠に、AV Watchではお馴染みの、デノンの“音の門番”こと、サウンドマスター・山内慎一氏が、開発初期段階から関わり、チューニングも担当している。
搭載しているユニットや筐体も、こだわりがある。
例えば、各モデルのミッドレンジやウーファーの振動板にはペーパーコーンが使われている。ペーパーコーンは適度な内部損失があり、クセのない自然な音を出す素材だが、そのままでは剛性が低く、激しく振動すると、振動板が歪んで音に影響が出る。そこで、アラミド繊維を追加することで、ペーパーコーンの剛性を高めたのだ。
この振動板を周囲から支えるエッジ部分にもこだわりがある。厚みを、あえて不均一にすることで、コーンをしっかり支えながらも、その動きを邪魔せず、振動板がより安定した振幅ができるようにしている。
さらに、大口径化したウーファーが振幅すると、激しい振動が発生するが、それが筐体に伝わり、筐体自体から余計な音が出ないように、内部にしっかりとした補強を入れている。
特にDENON HOME 600は、165mmと大型のウーファーを2基も搭載し、ユニットから強烈な振動が発生する。しかし、2基を背中合わせで配置することで、互いの振動を打ち消し合っている。こうした技術は、ピュアオーディオ用スピーカーや、ホームシアター用のサブウーファなどで使われるものだが、そうしたノウハウが、DENON HOME 200/400/600に投入されているわけだ。
もう1つ面白いのは、デノンのサウンドバーで人気の“Pureモード”も搭載されていること。
前述の通り、Autoモードを使っている時は、Dolby Atmosデコーダーでデコードした音声データを、アップミキサー・バーチャライザーで処理。その後、その音声をさらに信号処理し、EQを通し、アンプで増幅してユニットから再生する……と、かなり複雑な音声処理を行なっている。
一方のPureモードでは、ネットワークやBluetoothで受信した音楽データ(Atmos音源の場合はAtmosデコード後のデータ)において、サウンドモードやバーチャルサラウンドの処理をバイパスし、EQを通してアンプで増幅する。つまり、1つ目の特徴である「高さも含めて音を広げるユニーク機能」を全部すっ飛ばして、より脚色が少なく原音に忠実な音も再生できる。マニアックだが、実にオーディオブランドらしい機能といえる。これもあとで試してみよう。
基本的な機能をおさらいすると、対応する音楽配信サービスは、Amazon Music、AWA、Deezer、Qobuz、Spotify、SoundCloud、TuneIn。NASなどに保存した、5.6MHzまでのDSDや、ハイレゾ音楽ファイルも再生できる。USBメモリーなどに保存したファイルの再生も可能だ。
もちろんBluetooth、AirPlay 2での接続もでき、Roon Readyにも対応。3.5mmのアナログAUX入力も備えているので、ゲーム機を有線接続し、遅延を抑えた再生も可能となっている。なお、HDMIなどの映像入力は備えていない。
空間オーディオを体験する
では、Amazon Musicで空間オーディオ配信されている曲や、Qobuzで配信している2ch音源のデノン独自変換再生を体験してみよう。再生制御は「HEOS」アプリで行なう。
片手で持てるサイズのDENON HOME 200から。
空間オーディオの「羊文学/more than words (Tour 2023 “if i were an angel,”)」をAutoモードで再生すると、目の前の小さなスピーカーが鳴っているとは思えないほど、肉厚なドラムの低音が「ズンズン」と胸に響く。そして、「ワーッ」という観客の声援と手拍子が、スピーカーを遥かに超えた場所から聞こえて、一瞬頭が混乱する。
鳴っているのは目の前の1台のスピーカーなのだが、自分の左右、ほぼ真横の空間まで音場が広がっており、そこから音がしているように聞こえる。音が広がるというよりも、目の前に登場したライブ会場空間に、上半身を突っ込んだような感覚だ。
これだけでも驚きだが、HEOSアプリの設定項目に「広さ」があるので、その数値をプラスしていくと、さらに面白い事になる。目の前にスピーカーが置いてあるのだが、その存在感がどんどん希薄になり、その代わりに左右に広がっていた空間がさらに大きくなる。また、ボーカルの音像位置が、ググッと上昇していく。
DENON HOME 200はアップファイアリングスピーカを搭載していないのだが、どう聴いても、ボーカルなど、センターの音が上昇しているように聴こえる。そのため、聴いていると目線が勝手にやや上を向いてしまう。
効果は空間オーディオ音源だけではない。2ch音源の「ダイアナ・クラール/月とてもなく」も変換再生してみたが、非常に描写が自然だ。アコースティックベースはしっかりと深く沈み、ピアノとボーカルの響きは左右方向へと広がっていく。ボーカルの音像もシャープで、中央に定位。高さも感じられる。コンパクトなDENON HOME 200から、どうやったらこんな音が出るのか不思議だ。
また、広さのパラメーターを変化させている時に、ボーカルの聴こえ方がほぼ変化しないのもよく出来ている。一般的に、音場を変化させるスピーカーは、ツイーターの指向性を変えて実現するものが多い。しかし結果的に、高域は広がりを感じるが、中低域はそうでもないというアンバランスな音になる事も多い。DENON HOME 200では、25mmのツイーターの再生帯域を、通常のツイーターよりも広くすることで、音場を広くしても、人の声などのナチュラルさを維持しているそうだ。
DENON HOME 400も聴いてみよう。
空間オーディオの「羊文学/more than words (Tour 2023 “if i were an angel,”)」を再生すると、目の前にステージが展開するだけでなく、その外側の観客エリアにまで世界が広がり、手拍子が自分の周囲から聞こえてくる。
デフォルト状態でも十分な広さがあるが、アプリで広さを「+3」、高さも「+3」すると、ライブ会場の広大さに圧倒される。歌声だけでなく、ドラムのスティックから出る「カンカン」という鋭い音が、天井まで伸びていく。
DENON HOME 400は目の前に置いているのだが、その位置よりも遥かに上の方から音が降り注ぐので、聴いていると、自然と目線が天井付近まで上がっていく。完全に、ライブ会場でステージを見上げている感覚だ。
DENON HOME 200でも広さとある程度の高さは感じられたが、やはりアップファイアリングユニットを搭載したDENON HOME 400の方が、高さ方向の描写力は高く、より実在感のある音が上へと伸びていく。
また、DENON HOME 400では中低域がよりパワフルに再生できる。ベースの「ズンズン」と沈む音や、ドラムのスネアが前に張り出す音圧をビリビリ感じる。それでいて、音場も広く、高さ方向にも広がるため、もっと巨大なスピーカーを何台も設置したような音に聴こえる。
もし、大型フロアスピーカーを2台設置し、その間にDENON HOME 400を置いて再生を開始。DENON HOME 400の上に布をかけて隠したら、部屋に入ってきた人は、フロアスピーカーが鳴っていると思うに違いない。本当にそんなドッキリ企画をやりたくなるような、そんな驚きがDENON HOME 400にはある。
2chソースの空間オーディオ変換も試してみたが、これも素晴らしい。「ダイアナ・クラール/月とてもなく」を拡張したが、アコースティックベースの音がしっかりと沈み、ピアノの響きが広い空間へと展開。ボーカルは中央にスッと立ち上がり、まるで目の前で演奏してくれているようなリアルな音場、音像が出現する。
特筆すべきは、デノン独自の変換再生であっても、ボーカルや楽器の音像が不明瞭になったり、膨らんだりせず、輪郭を保ったまま、それらが奏でる音が広がる空間だけが大きくなっていく点だ。それゆえ、音楽が大味にならず、聴いていて飽きない。
DENON HOME 600を使ってみると、さらに凄いことになる。
空間オーディオの「エド・シーラン/Magical(Amazon Music Live)」を再生すると、ライブ会場最前列かぶりつきで、エド・シーランが目の前に出現し、自分をとりまく広大なホールが展開する。まるで椅子に座ったまま、会場にワープしたような感覚だ。
アプリで広さと高さ調整をプラスにしていくと、ライブ会場の空間がグングン広がり、高さも見上げるほどになる。最大値まで設定すると、「部屋が広くなる」を通り越して、部屋の壁が消滅して、屋外になったような感覚。部屋の照明を落とせば、本当に屋外で聴いているようだ。
アプリで広さ/高さをマイナスにしていくと、空間が狭くなり、どんどん目の前のスピーカーに凝縮されていく感覚になる。逆に、プラスにしていくと、スピーカーの存在感がどんどん薄くなり、周囲に空間だけが出現する。体験として面白いので、何度もアプリでプラスにしたり、マイナスにしたりと繰り返してしまった。
ピュアオーディオにおけるステレオ再生でも、スピーカーのセッティングを追求すると、まるでスピーカーの存在が消えたような感覚になる時があるが、DENON HOME 600をポンと置いて、アプリを操作するだけで、同じような感覚が味わえるのは、凄いを通り越して、ちょっとズルい。
「ピンク・フロイド/On the Run(2023 Remaster)」を再生すると、冒頭の注意アナウンスが、左上の天井、それもやや後方から聞こえる。右手奥に走り抜ける足音の定位や移動感もリアル。体験としてはもう、サウンドバーやマルチチャンネルスピーカーを置いたホームシアター再生に近い。
それでいて、400と600では、中低域に厚みと迫力があるため、サウンドバー単体で音楽を聴くよりも、満足度が高いとすら感じた。これはウーファーの口径の大きさや、筐体の容積も寄与しているのだろう。
また、これは3機種に共通するが、音源によっては広がり/高さを最大にすると、響きが増え過ぎと感じるので、プラス3、4あたりに設定するのがオススメだ。
DENON HOME 600で聴く、2ch音源の変換再生も見事だ。
「ダイアナ・クラール/月とてもなく」は、アコースティックベースが「ズシン」と深く沈み、ボーカルが高さを持って出現する。量感のある低音が、音楽全体を下支えしてくれるので、ゆったりとした気分で音楽が楽しめる。この余裕感、音楽に身を任せられる感覚は、ピュアオーディオスピーカーでも得るのが難しいもの。それをDENON HOME 600は、手軽に味わわせてくれる。
「グレゴリー・ポーター/When Love Was Kin」も、低音のボイスがドッシリと響き、貫禄がある。アプリで広さをプラスしていくと、伴奏のピアノの響きが広がる空間が、どんどん広がっていく。高さをプラスしていくと、ボーカルの口の位置が上昇。広さをプラス4、高さをプラス3にすると、広さと高さのバランスのとれた音場が実現した。古めの楽曲も、気持ちよく聴かせてくれる。「ビートルズ/In My Life (Remastered 2009)」も、冒頭から音場が想像以上に広く、左から聴こえるギター、右のボーカルの位置が「こんな場所から!?」と思えるほど、スピーカーから離れた距離から聴こえる。それでいて、音楽の密度が薄くなることもなく、部屋をゆったりと満たす心地よさも感じられた。
「サカナクション/さよならはエモーション」もぜひ変換再生で聴いてみて欲しい。この楽曲は、夜の闇に音が広がるようなサウンドだが、DENON HOME 600で聴くと、本当に部屋の壁が消滅して、夜の街……を通り越して、宇宙空間に投げだされたような感覚になる。音楽と対峙するというよりも、音楽の世界に放り込まれるような体験ができるスピーカーだ。
Pureモードやゲーム機との接続も試す
気になるPureモードも試してみる。
前述の通り、アップミキサー、バーチャライザーなどの信号処理をバイパスし、音の純度を高める機能で、これもアプリから設定できる。
変化の方向としては3機種共通で、当然ながら、音が左右上下に広がる空間のサイズが、AutoからPureモードに変更すると、一気に小さくなる。そのため、Pureモードに設定した瞬間は、ちょっと薄味な音に聴こえる。
ただ、よく聴き比べてみると、ダイアナ・クラールの音像の、口が開閉する様子や、歌い出す直前に「スッ」と息を吸い込む音など、細かな音が、Pureモードの方がより生々しく、繊細に聴き取れる。
「手嶌葵/明日への手紙」でもAuto/Pureを切り替えてみたが、こちらも面白い。Pureモードでは、口の中まで見えるような生々しさがあり、確かに信号処理をバイパスした効果を実感できる。
ただ、Autoモードがダメかというと、まったくそんなことはない。Autoにすると、スピーカーの中央に浮かんでいた手嶌葵の顔が、スッと立ち上がり、スピーカー上空の空間に定位。歌声とピアノの響きがグワッと左右に広がり、奥の方向にも広がっていくのが見えるようになる。どちらを選ぶかというのは、非常に悩ましい問題だ。
Pureモードの方が、確かに情報量が多く、ディテールは微細に聴き取れる。ただ、Autoモードがソフトフォーカスで、ボワボワした不明瞭な音なのかというと、まったくそんなことはなく、空間再生をしている状態でも、音像の輪郭はシャープで、精細な音を聴かせてくれている。
AUX入力も使ってみる。Nintendo Switch 2のイヤフォン出力と、3.5mmケーブルでDENON HOME 400を接続。Apex Legendsをプレイしてみたが、これも凄い。
Switch 2の内蔵スピーカーは、かなり優秀で、広がりのある音が再生できるのだが、DENON HOME 400で再生した音はまったくレベルが違う。戦場に吹く風の音で、ここが屋外の広大なフィールドだという事が耳から伝わってくる。遠くで誰かが戦っている小さな音もしっかり聴き取れる。
銃器の射撃音も、Nintendo Switch 2内蔵スピーカーで聞いていた時は「ダダダダッ」という音だと思っていたが、それは中低音が再生されていなかっただけで、DENON HOME 400で聞くと「ズドドドド」と、腹に響くような低音が響く。迫力がすごくて、なんだか怖いので、銃を撃つのを一瞬ためらうくらい。AUX入力時もアプリで広さ、高さの調整が可能なのも嬉しい。
クオリティとしては、薄型テレビ内蔵スピーカーでプレイしている時よりも、広がり、迫力ともにDENON HOME 400が勝っていると感じる。「携帯ゲーム機でも、こんなサウンドが入っていたのか」と驚くはずだ。
3機種からどれを選ぶか
細かく試聴する時は、机などの反射が起こらないようにスピーカースタンドの上に設置していたが、それ以外の時間は、3機種をキッチンやリビングのソファの横、テレビの近くなどに設置して暮らしてみた。
HEOSアプリから、Qobuzのプレイリストを再生したり、radikoのラジオをBluetooth経由で再生したり、テレビの音をステレオミニ入力で再生するなどしてみたが、音の広がり、中低域の厚みなど、いずれのモデルも満足度が高い。1台でも部屋全体に十分広がる再生ができるので、食器を洗いながら、ソファでくつろぎながら……など、自由に動きながら使っても、音楽やラジオのトークがしっかり耳に入る。良い意味で、使っているうちに、“ここにスピーカーが置いてある”という意識が薄れていく製品だ。
また、デノン独自の、2ch音源を空間オーディオに変換する機能が非常に良く出来ている。最初はAtmosでエンコードされた空間オーディオ音源を探して、それをメインで再生していたのだが、2ch音源の変換再生でも、まったく違和感がないため、途中で「別に2chソースでもいいや」という気持ちになり、「Autoモードにしておけば、どんな曲でも気持ちいい空間に満たして再生してくれる」という信頼感が生まれてきた。この手の機能は、購入当初は珍しくてONにしていても、だんだん使わなくなって……というパターンもあるが、この3モデルに関しては気付けばずっとAutoモードで使っていた。
この空間オーディオ変換機能は、デノンのサウンドバーを手掛けたチームが、アルゴリズムの作成など、開発を担当したそうだ。サウンドバー開発で培ったサラウンド再生のノウハウを活かしたことで、これだけハイクオリティな変換再生ができたのだろう。
悩ましいのは、200、400、600からどれを選ぶか。机の上など、普段はニアフィールドで聴きつつ、部屋を歩き回っている時も聴きたいならDENON HOME 200、映像やゲームなども迫力ある音で再生し、空間オーディオの凄さも強く体感したいならDENON HOME 400を選ぶと良さそう。もちろん、予算とスペースが許せばDENON HOME 600の再生能力は随一だ。個人的には、DENON HOME 400のバランスの良さに惹かれた。
いずれにせよ、今までのBluetoothスピーカー、ネットワークスピーカーという枠に収まらない。サウンドバーやホームシアターに近い魅力も感じる、デノンの技術力の高さを実感できる意欲作と思う。巨大なスピーカーを置かず、さりげないデザインで、それでいて、部屋がライブ会場にワープしたような臨場感で音楽を楽しみたい。そんな人に、ピッタリな3機種だ。


































