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エントリーなのに脅威の実力「Osprey」が下剋上!? Noble Audioワイヤレスイヤフォン4機種を一気に聴く

すっかり普及した完全ワイヤレスイヤフォンだが、登場当時は“ケーブルが無くて快適”という、一種の便利アイテム的な立ち位置だった。現在のように各社がガチで音質を競い合うようになったキッカケの1つは、2019年にNoble Audioが発売した完全ワイレスイヤフォンだった。

ハイエンドな有線イヤフォンで高い評価を得ていたNoble Audioが、“音の良い”完全ワイヤレスイヤフォンを開発して大ヒット。その後、オーディオメーカー達が本腰を入れて完全ワイヤレスの音質を追求する流れを生み出すキッカケとなった。

一方で、最近ポータブルオーディオに興味を持った人にとって、Noble Audioは馴染みが薄いブランドかもしれない。だが、7月10日に「これぞNoble Audio」と言えそうなプレミアム・エントリーモデル「Osprey」(38,500円)が登場。ハイブリッド構成やLDAC対応、アクティブノイズキャンセリング(ANC)、高級感あるアルミ製充電ケースなど、フラッグシップのような特徴を持ちながら、価格を抑えた注目機だ。

そこで、Noble Audioの現行完全ワイヤレスのラインナップを全て用意し、Ospreyも含めて聴き比べてみた。具体的には、以下の4モデルだ。

左からOsprey、FoKus Amadeus、FoKus Rex5、FoKus Prestige Encore
  • 「Osprey」 38,500円
    低域:10mmダイナミックドライバー×1
    高域:カスタムBAドライバー×1
    対応コーデック:SBC/AAC/LDAC
  • 「FoKus Amadeus」 49,500円
    8.3mm三層ダイアフラムダイナミックドライバー×1
    対応コーデック:SBC/AAC/aptX Adaptive/LDAC
  • 「FoKus Rex5」 69,300円
    低域 10mmダイナミックドライバー×1
    中高域:BAドライバー×3
    超高域:6mmプラナードライバー×1
    対応コーデック:SBC/AAC/aptX Adaptive/LDAC
  • 「FoKus Prestige Encore」 121,000円
    低域:8mmダイナミックドライバー×1
    中域:Knowles BAドライバー×2
    高域:6mmプラナードライバー×1
    対応コーデック:SBC/AAC/aptX Lossless/aptX Adaptive/LDAC

Noble Audioって?

Noble Audioは2013年10月に、“Wizard”ことジョン・モールトン博士によって設立されたアメリカのメーカーだ。モールトン博士は、学生時代から音響製品に興味を持ち、その後、聴覚学の博士号を取得して聴覚学の講師に。難聴の診断・治療や、予防、リハビリ、補聴器の調整などを行なう専門家として、さらに蝸牛インプラントの外科助手としても活躍した。

一方で、大のオーディオ好きでもあり、所属していた会社のラボで幾つかのカスタム・イヤフォンを作成。それが、アメリカのヘッドフォン関連コミュニティであるHead-fiで話題となり、魔法のような技術を持っていたことから“Wizard”と呼ばれるようになる。

“Wizard”ことジョン・モールトン博士

その後、博士はNoble Audioを設立。オーディオファンに向けてカスタムイヤフォンやユニバーサルイヤフォンを手掛け、そのノウハウや、音へのこだわりを、より手軽に使えるワイヤレスイヤフォンにも注力していく事になる。

エントリーなのにリッチな仕様の「Osprey」

各モデルを詳しく見ていこう。

Osprey

Osprey(オスプレイ)は、Noble Audioのサウンドとデザインを、より多くのユーザーに届けることを目指して設計された。そのため、エントリーでありつつ、コストパフォーマンスを重視し、かなりリッチな仕様になっている。

ユニットはハイブリッド構成で、低域用に10mmのダイナミックドライバー×1、高域用にカスタムされたBAドライバー×1を搭載している。ダイナミックドライバーのパワフルさと、BAのハイスピードなサウンドを組み合わせたカタチだ。

Bluetoothのコーデックは、SBC/AACに加え、エントリーながらLDACに対応。このあたりの充実ぶりも“プレミアム・エントリーモデル”の所以だろう。

アクティブノイズキャンセリング(ANC)機能も備えている。アプリ「Noble FoKus」からカスタムEQ調整やタッチコントロールのカスタマイズも可能だ。

アプリ「Noble FoKus」
プリセットイコライザーの選択や、ユーザーカスタマイズ、スイープ波を聞きながらのイコライジングが可能
今回の4モデルはいずれもアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能を搭載している。屋外の幹線道路沿いで使ってみたが、行き交う自動車の「ガーッ」というロードノイズを大幅に低減し、「スーッ」という小さな高音が残るだけ。ANC能力をとにかく高めたというタイプの製品ではなく、音質に影響が出ない範囲でANCを搭載しているという印象だが、必要十分なANC効果はあると感じる

ダイナミック型にこだわった温故知新「FoKus Amadeus」

FoKus Amadeus

FoKus Amadeus(フォーカス・アマデウス)は、ある意味で非常にオーディオブランドらしい、マニアがニヤリとするようなモデルだ。

搭載するユニットはよりシンプルで、8.3mmのダイアフラム・ダイナミックドライバーのみだ。

ただ、このダイナミックドライバーにこだわりがあり、振動板が三層になった新開発のものを採用。枯れた技術であるダイナミックドライバーの可能性を、新たな技術で追求したのがFoKus Amadeusと言える。古典の天才ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトから着想を得て作られたというのも、頷ける内容だ。

FoKus Amadeus

このモデルの対応コーデックは、SBC/AAC/aptX Adaptive/LDACとさらにリッチ。ANCも搭載する。

Ospreyと同様に、アプリ「Noble FoKus」から、好みの音にイコライザーのカスタムが可能だが、FoKus Amadeusはさらに一歩踏み込み、Audiodoの「Personal Sound」も利用可能。これは、アプリで聴覚テストを行ない、その結果を踏まえて、ユーザー個別に最適な再生ができるというプロファイル作成機能だ。

Audiodoの「Personal Sound」を使い、ユーザーに最適な再生をするプロファイルが作れるのも上位モデルの利点だ

5ドライバー搭載の“王”「FoKus Rex5」

FoKus Rex5

ラテン語で「王」を意味する“Rex”の名を持つのがFoKus Rex5。その名に恥じず、内部には以下の5ドライバーを搭載する。

  • 低域:10mmダイナミックドライバー×1
  • 中高域:BAドライバー×3
  • 超高域:6mmプラナードライバー×1

10mmダイナミックドライバーが力強い低音を再生し、6mmプラナーが精密な高域を担当。3基のBAで中高域を担い、ワイドレンジな再生を実現。有線イヤフォンの内部かな? と思うほど、豪華なユニット構成だ。

FoKus Rex5

コーデックもSBC/AAC/aptX AdaptiveにLDACも対応する。このモデルも、アプリを使い、AudiodoのPersonal Soundを使ったユーザーへの最適化が可能だ。

別格のトライブリッド4ドライバー最上位「FoKus Prestige Encore」

FoKus Prestige Encore

ひたすら音質を追求した、かつてのハイエンドモデル「FoKus Prestige」を進化させた、現在の最上位モデルがFoKus Prestige Encoreだ。

12万円以上という価格も凄いが、ドライバー構成も圧巻。8mmのダイナミック型で力強い低音、KnowlesのデュアルBAで明瞭な中域、そして6mmプラナーで高域の空気感を拡張し、トランジェントを高めている。

  • 低域:8mmダイナミックドライバー×1
  • 中域:Knowles BAドライバー×2
  • 高域:6mmプラナードライバー×1

新設計のトリプルベント付き金属ノズルで、気流を安定させつつ、密閉性を高めるなど、細かな部分までこだわっている。

FoKus Prestige Encore

チップセットはQualcomm「QCC 3091」で、Bluetoothの対応コーデックもSBC/AAC/aptX Lossless/aptX Adaptive/LDACと豊富。ANCも搭載する。アプリを使い、Audiodo Personal Soundをベースにした、左右耳別キャリブレーションも可能。イヤフォン内に複数のプロファイルを保存する事もできる。

音を聴く。エントリーとは思えぬOspreyのサウンド

では、わかりやすいように価格順に試聴していこう。最初はOspreyだ。なお、いずれのモデルもコーデックはLDACを使用した。

試聴にはAndroidスマートフォンに、Noble AudioのBluetoothトランスミッター「Sceptre」(14,300円)を接続した。このトランスミッターはSBC、AACに加え、aptX HD、aptX Adaptive(aptX Lossless)、LDACにも対応している。つまり、手持ちのスマホがLDAC非対応であっても、LDAC送信ができるわけだ。

Noble AudioのBluetoothトランスミッター「Sceptre」
LDAC非対応のスマホからも、Sceptreを使えばLDAC送信できる

例えばiPhone 17eや、携帯ゲーム機のNintendo Switch 2はSBC、AACコーデックにしか対応していないが、これらにSceptreを接続すれば、aptX Adaptive(aptX Lossless)やLDACで音声を送信できる。

Osprey

Ospreyで、「ダイアナ・クラール/月とてもなく」を再生する。

正直、エントリーモデルなので「音もそれなりなのかな?」と思っていたのだが、冒頭のピアノから、ウッドベースが入ってきたあたりで、驚いた。ベースの低音が「ズドーン」と深く沈み、芳醇な響きがブワッと押し寄せてくる。とてもエントリーとは思えない、重厚でドッシリとしたサウンド。「え、これハイエンド機じゃないよね?」と思わずWebサイトを確認してしまうほどの貫禄だ。

身を任せたくなるような、ゆったりとした量感のある低音は、大口径ダイナミックドライバーならでは。

続いて、ダイアナ・クラールのボーカルが入ってくると、こちらにも驚く。低音がこれだけパワフルに押し寄せているのに、ボーカルの中高域は埋もれず、非常にクリアでシャープに描写されているのだ。歌い出しに「スッ」と息を吸い込む微かな音までしっかり聴き取れる。ハイスピードかつ解像感の高い高域は、カスタムBAドライバーを組み合わせた効果だろう。

この“低域の量感の豊かさ”と“中高域の情報量の多さ”は、なかなか両立が難しいポイントだが、見事にこの2つを兼ね備えている。さらに、低域と高域の音色にも統一感があり、全体としてのまとまりの良さも感じさせる。このあたりのチューニングの上手さは、さすが“Wizard”ジョン・モールトン博士のブランドだと感心する。

全体のバランスとしては、やや低域寄りだ。解像度の高さを追求するような“超Hi-Fiサウンド”ではなく、エネルギッシュで旨味の強い“良く出来たドンシャリ”系。安定感のある低音と、それに負けないソリッドな中高音で、音楽の楽しさをガッツリ味わわせるタイプだ。

そのため、元気の良い音楽との相性がバツグン。「プリンス/レインボー・チルドレン」を再生すると、冒頭の低音が、頭蓋骨を揺するような凄まじいパワーで襲いかかってくる。そこに、脳天を突き抜けるようなトランペットの高音が鮮烈だ。

「米津玄師/KICK BACK」のエレキベースの迫力は、今回試聴した4モデルの中で随一。ベースラインは地面をえぐるように鋭く、ドラムもパワフルに押し寄せる。だが、ボーカルやコーラスは決して埋もれず、その上空にクリアに展開する。とにかく、“音楽を気持ちよく聴かせる”という面で、上位機達をも凌駕する魅力がある。

それでいて、低音が膨らみ過ぎて破綻するようなことはない。パワフルさがありつつ、低音がブーミーになりすぎず、中高域の情報量の多さはキープする。このバランス感覚が見事だ。

音を聴く。ダイナミック型の魅力が味わえるFoKus Amadeus

次は、ダイナミックドライバー×1基の「FoKus Amadeus」だ。

FoKus Amadeus

「ダイアナ・クラール/月とてもなく」を再生すると、ブワッと頭の周囲に空間が広がる。音場のスケール感はOspreyを超え、楽器やボーカルの音像と音像の間に、しっかりと余白が感じられる。音が密集するのではなく、開放的に、伸び伸びと鳴る気持ちさよがある。

帯域のバランスは、Ospreyよりもニュートラルに近くなる。ただ、ダイナミックドライバーを採用するだけあり、ベースの低域のクオリティはOspreyに負けていない。

Ospreyは、量感や響きの豊かさを重視している印象だったが、FoKus Amadeusは低音の1音、1音がより深く、重く沈み込み、さらに輪郭がタイトでシャープ。つまり、“解像度の高い低音”を聴かせてくれるのが特徴だ。

「月とてもなく」のウッドベースも、張り出しのパワフルさと同時に、低音に締りがあり、弦をつまびく時の指の動きが脳裏に浮かぶような音の細かさがある。パワフルさではOspreyに軍配が上がるが、情報量はFoKus Amadeusの方が上だ。

また、ダイナミックドライバーのみで構成しているので、ベースとボーカル、コーラスといった、異なる帯域の音色が統一されており、ナチュラルなサウンドだ。ダイナミックドライバーかつ、シングル構成の利点を感じる部分だ。

一方で、高域のシャープさ、輪郭の細かさといった面では、BAやプラナーを搭載したモデルには及ばない。サウンド全体のナチュラルさ、バランスの良さ、しなやかでウォームなサウンドを求めるならFoKus Amadeusがピッタリだ。

そういう意味では、ちょっとマニア向けという印象もある。「豪華なコース料理に飽きたら、シンプルなお茶漬けが食べたくなる」とか「トッピング山盛り特製ラーメンより、具無しの塩ラーメンが食べたい」みたいな感覚にも近い。個人的には、FoKus Amadeusのサウンドは大好きだ。

FoKus Amadeus

音を聴く。王の名に相応しい万能機、FoKus Rex5

FoKus Rex5

次に聴くのは、王の名を持つFoKus Rex5。音を聴いた瞬間に、「ああ、今までのモデルとは格が違う」というのがハッキリわかる。それだけ、ワイドレンジでゴージャスなサウンドだ。

低域を10mmのダイナミックドライバーが担当している事もあり、「月とてもなく」のウッドベースの描写は、FoKus Amadeusに似ている。ベースの筐体で膨らんだ響きが、たっぷりと味わえると同時に、弦の動きが見えるほどのシャープな締りもある。音場の空間も広い。

そして圧倒的なのは、中高域を担当するBA×3と、超高域のプラナードライバーによる高域描写だ。女性ボーカルやシンバルなどの高い音が、本当にトランジェント良く、そして細かく描写される。音像の輪郭が、線の細いシャーペンで描いたように、かすかな吐息や、ギターの弦を指がスライドする時の「キュッ」という小さな音までクッキリと聴き取れる。目に例えると、自分の視力が良くなったような感覚だ。

FoKus Rex5で聴く米津玄師の「KICK BACK」は絶品だ。エレキベースの低音が、重く、ソリッドに刻み込み、ドラムも音圧豊かに吹き出してくる。派手な低音が飛び交うわけだが、その空間をものともせず、超高解像度なボーカルやコーラスの高音が飛び出してくる。「低い音から高い音まで、あらゆる音が聴き取りやすい」という万能感すら感じる。まさに王者の風格だ。

そして、異なる3方式のドライバーを組み合わせても、特定の帯域が目立ったり、引っ込んだりしておらず、音色にも違和感がない。自然なサウンドにまとめあげているチューニングも見事だ。

音を聴く。まさに“別格”FoKus Prestige Encore

ぶっちゃけFoKus Rex5の時点で、大満足。「この万能イヤフォンがあれば、他のイヤフォンはいらないでしょ」という気分になる。……FoKus Prestige Encoreを聴くまでは。

FoKus Prestige Encore

10万円を超える完全ワイヤレスなので、格が違って当然ではあるのだが、FoKus Prestige Encoreを一度聴いてしまうと、「あー……これはもうごめんなさい」と謝りたくなる。

これまでの3モデルと比べ、明らかにもう1段階、レンジ感が広い。「プリンス/レインボー・チルドレン」の冒頭では、加工された低音ボイスで、神の法に従って新しい文明を築くレインボー・チルドレンの物語が語られるが、その声が、まるで地獄の底から響くように深くて重い。頭蓋骨を貫通して、背骨を揺さぶられるような、凄まじい低音だ。

それでいて、この低音が全くボワつかず、タイトなので、恐怖すら感じる。中域用のBAドライバー×2による解像度アップの効果もあるのだろう。

それでいて、6mmプラナードライバーによる高域は、透明感があり、微細な音までクリアに見通せる。

「手嶌葵/明日への手紙」を聴くと、静粛で広大な空間が広がり、そこに手嶌葵の歌声が波紋のように全方位に広がっていく様子が見える。あれだけパワフルな低音が再生できるイヤフォンなのに、音場の広大さや、中高域の繊細な描写も難なくこなしてみせる。歌声の合間から漏れる吐息も、ドキッとするほど生々しい。ビブラートで「あぁあぁ」と声が揺れるかすかな様子も、聴き分けられる。

米津玄師の「KICK BACK」では、地面をえぐるような深くて、ソリッドなエレキベースが疾走するが、音場の広さもしっかりと聴き取れる。もちろん、コーラスやボーカルはどこまでもクリアだ。

FoKus Prestige Encore

これだけ音場が広く、ワイドレンジな再生ができ、情報量も多いとなると、クラシックのオーケストラも楽しめてしまう。モントリオール交響楽団による「死の舞踏~魔物たちの真夜中のパーティ」から「サン=サーンス:死の舞踏 作品40」を聴いたが、「さすが最上位モデル」と、唸らされるクオリティだ。

楽器の音が広がる様子や、観客席のかすかな物音などで、ホールの広大さが伝わってくる。そこに、様々な楽器が展開し、演奏の様子も細かく見通せる。ストリングスも情感豊かで、音が細かい。激しく音が炸裂する場面では、肩がビクッとするほど鮮烈なサウンドが突き抜け、静かなシーンではスッと音が消え、広大なホールが目の前に現れる。トランジェントも素晴らしい。

FoKus Rex5でもオーケストラは楽しめるのだが、やはりFoKus Prestige Encoreと比べてしまうと、FoKus Rex5の方が空間がやや狭く、微細な音もFoKus Prestige Encoreの方がより聞き取りやすいと感じた。

FoKus Prestige Encoreの音は、とにかくスケールが大きく、ゴージャスなサウンドなので、目を閉じて聴いていると、ヘッドフォンを聴いているような気分にもなる。高価なDAPと、ハイエンドな有線イヤフォンを接続したサウンドにも近い。ポータブルオーディオにおける最上級のサウンドを、完全ワイヤレスイヤフォンだけで気軽に楽しめてしまうというのが、大きな魅力だろう。

好みで選べるラインナップ

4モデルを一気に試聴したが、それぞれに特徴と強みがある、非常に楽しい聴き比べだった。

価格に開きがあるので、どうしても“松竹梅”のようなランク分けをしたくなるが、実際に聴いてみると、そう単純なものではなく「これは好みで選ぶべきだな」と感じる。

Osprey

特にOspreyは、ワイドレンジかつ、圧巻の低域再生能力を持っているので、聴いた時に“一番安いモデル”というイメージがまったく無い。堂々としたサウンドなので、「むしろ、もっと高級なモデルなのでは」と思わせてくれる。そういった意味では、かなりコストパフォーマンスの高いプレミアム・エントリーだ。

また、低域のパワフルさ、高域のクリアさといった“音楽を美味しく聴かせる”能力にも長けているので、多くの人が気に入ると思う。Noble Audioイヤフォンを今まで聴いたことがないという人は、Ospreyから試して欲しい。

FoKus Rex5やFoKus Prestige Encoreは、サウンドの方向性が同じであるため、「予算があれば上のモデルを」という感じで、比較的選びやすい。今使っている完全ワイヤレスイヤフォンからのステップアップはもちろんのこと、既に、ハイクラスなDAPと有線イヤフォンを持っているポータブルオーディオファンが、「ワイヤレスでも、音に満足できるイヤフォンが欲しい」と思った時に、この2機種をまっさきに試聴すべきだ。

FoKus Rex5
FoKus Prestige Encore

FoKus Amadeusは少し毛色が異なる。既にハイブリッド、トライブリッドといった、異なる方式のドライバーを搭載したハイクラス・イヤフォンを使っている人が、ナチュラルさやシンプルさが欲しくなった時に選ぶとマッチするだろう。

いずれにせよ、完全ワイヤレスイヤフォンという世界で、エントリーから超ハイエンドまで、ここまで豊富なラインナップを展開しているのは、高音質TWSの先駆者・Noble Audioならでは。完全ワイヤレスでも音に妥協したくないというオーディオファンには、要注目のブランドだ。

FoKus Amadeus
山崎健太郎