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パイオニア株式会社は25日、6月発売のプラズマテレビ「ピュアビジョン」2004年モデルの説明会を都内で開催。プラズマディスプレイビジネスカンパニープレジデントの五月女勝専務執行役員が壇上に立ち、テレビ事業の展開と新製品のアピールポイントを解説した。 なお、製品仕様については、既に20日に発表されている。
■ 新ライン稼動でパネルの需要増に対応
まず、同氏は事業戦略として「PDP市場でのリーディングブランドの確立」、「グループの開発力・技術力を結集した商品作り」、「顧客満足度の獲得」、「PDPを中心としたホームシアター提案」を挙げた。 民生用プラズマテレビの市場規模は今後も右肩上がりで推移するとし、2003年の252,000台に対し、2004年に45万台、2005年に70万台、2006年に100万台市場に成長すると説明(JEITA予測ベース)。こうした市況の拡大に合わせ、同社ではNECプラズマディスプレイ株式会社の買収や、山梨工場の生産ラインの増強で対応する。 パネルを生産するのは、パイオニアディスプレイプロダクツ株式会社。現在、第1ライン(山梨)、第2ライン、第3ライン(共に静岡)が稼動中だが、今秋に山梨の第4ラインを前倒しで稼動させる見込み。第4ラインの年間生産規模は30万枚と見られ、第1ラインの5万枚、第2ラインの10万枚、第3ラインの10万枚と合わせ、55万枚体制を敷く。 パネル需要は世界規模で高まるという。米ではHD放送が本格的に立ち上がりを見せ、同社では物販だけなく、インストレーションビジネスが柱になりつつあるという。中国でも上海など沿岸部でAV専門店が増加しつつある。また、業務用では、文教市場での伸びが目立つとした。小学校への納入事例を挙げ、「PDPが当たり前の技術になってきた」と説いた。 新シリーズの開発コンセプトについては、「高画質」、「大画面」、「高音質」の3つを元に、「究極の臨場感、つまりホームシアターの追求」をアピールポイントとした。「映像ブランドとしての認知はまだ今ひとつだが」と謙遜しつつも、「ゴールはホームシアター。DVDビデオ、デジタル放送の5.1ch放送など、サラウンドのソースが増えている。映像と音の技術を擁し、完璧なホームシアターを作れるのはパイオニアだけ」との意気込みを見せた。
■ 新「左手の法則」? キャラクターに江口洋介を起用 五月女専務執行役員のプレゼンの後は、新シリーズの商品解説が行なわれ、業界初の1,792階調相当を実現した「アドバンスドスーパーCLEAR駆動法」、世界初のダイレクトカラーフィルターを搭載した「ピュアパネル」、世界初のスイングスピーカーなどによる「ピュアサウンド」の3つを強調した。 アドバンスドスーパーCLEAR駆動法は、画像処理エンジンの後段に含まれる多階調化技術。従来1,024階調だった表現力を1,792階調相当に強化し、57億5,000万色の表現力を得たという。これに伴い、低輝度時の疑似輪郭も低減する。 同カンパニーの技術統括部で、ピュアドライブを担当した碓井純一氏は、「アドバンスドスーパーCLEAR駆動法は、これまでの写実派に印象派の要素を加えるようなもの。色数が増えることで、本当の空の色などが再現できるようになった。また、今まで無駄にしていた力を明るさに転化できるなど、臨場感を正確に伝えられるようになった」と語った。 ダイレクトカラーフィルターは、パネル前面のフィルターを従来のガラス基板から、フィルムタイプに変更したもの。従来は最前部の保護ガラスとフィルターのガラス基板との間に空気層が生じ、2重映りや輪郭のボケ感、明所コントラストの低下をまねいていた。今回、フィルターをフィルムのみで構成したため、こうした問題を解決し、「すっきりした映像になる」という。 音質面では、ロングスピーカーモデル(PDP-505HDL/435HDL)を用意し、取り付け角度を4段階に変更できる「アコースティックスイングスピーカー」を搭載。また、100kHzまでの再生に対応する高音質ユニットを採用し、「オーディオのパイオニア」の威信を見せるという。
会場では、新シリーズのキャッチコピーとして、「パイオニア新・臨場感の法則」が発表された。電流、磁界、力の向きを表す「フレミングの左手の法則」をモチーフに、「高画質」、「大画面」、「高音質」を親指、人差し指、中指を広げた状態で表す。 また、新シリーズのキャンペーンキャラクターを俳優の江口洋介さんが担当することが明らかにされた。江口さんはビデオで「大画面によるその場に連れて行ってくれるような臨場感はとても大事。パイオニアのオーディオは玄人好みなところが好きだった」とコメントした。テレビCMの放映も決定しており、ビデオコメントでは、カメラに向かって「新法則」をアピールする姿が見られた。
なお、2003年11月発売の一体型「PDP-434TX」は、2004年夏商戦も併売される。同モデルは地上アナログチューナのみを搭載したベーシックモデル。一方、新モデルの435SXは、BS/110度CSデジタルチューナを搭載した「PDP-435BX」の後継機種という位置付けと見られる。
また、新シリーズはHDMI入力端子を搭載するが、HDMIケーブルは同梱されない。 別売の純正オプションとして用意はするものの、当面はWeb直販のみの扱いだという。店頭販売は「対応製品が出揃ったころに考えたい」(同社)としている。 □パイオニアのホームページ (2004年5月25日) [AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]
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