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モバHO!、PCカード型チューナの発売を延期
-近日発売予定。報道向けの説明会を実施


2月4日開催


 モバイル放送株式会社は、ノートPCでモバイル放送(以下モバHO!)の受信を可能にするPCカードタイプのモバイル放送チューナ「MBT0102A」の発売日を、当初予定していた2004年12月24日から延期。新しい発売日は未定だが、同社は「近日中に発表、発売したい」としている。価格は9,800円で、既報の通りコンテンツの視聴には別途月額の利用料金が必要となる。

特別に作られたスケルトンモデル ダイバーシティーアンテナを搭載している 外部アンテナを接続するための端子も備えている

 MBT0102Aは、モバHO! の受信が可能なPCカード(TYPE 2)タイプのチューナ。PCカードスロットに装着し、付属の専用ソフトをインストールすることで、Windows XP上でモバHO! の映像/音声/データ放送が受信・表示できる。対応OSはWindows XP。

 放送されるコンテンツの解像度は320×240ドット。PC上では同サイズに加え、640×480ドット、フルスクリーンへの拡大・切り替えも可能。フルスクリーン以外のモードで起動しておけば、PCで作業中にモバHO! の音声放送をBGMとして楽しむこともできる。

放送の表示解像度はQVGA、VGA、フルスクリーンの3種類が選択できる
※画面は開発中のもので、実際の製品とは異なります

 放送波はMPEG-2 TSの1Mbpsで送信されており、映像はMPEG-4、音声はAAC。MBT0102Aの場合、映像・音声のデコードはPC側(ソフトウェア)で行なうため、ある程度のCPUパワーやメモリが必要となる。具体的な動作環境は、CPUがPentium III 1GHz以上、メモリが256MB以上(512MB以上推奨)となっている。

 同社は4日、報道関係者に向けて、試作機を使ったデモを実施した。会場は銀座にある同社のビル内だが、別売・外付けのアンテナなどを利用せずに、安定した受信が行なえるのが確認できた。なお、モバHO! は2.6GHz帯(Sバンド)を使用し、衛星は東経144度で運用している。電波が直接届かないエリアにはギャップフィラー(再送設備)の設置で対応している。そのため、すべての屋内で受信が行なえるわけではないが、南南東およそ45度の仰角の空を見通せる場所や、近くにギャップフィラーが存在する場合は良好な受信が期待できるという。

 用意されたソフトウェアは最新版より2つほど前のバージョンだが、放送の受信や、EPG画面の表示、データ放送の受信など、ほとんどの機能が実際に体験できた。録画も可能で、放送中に録画ボタンを押すだけで、放送をそのままストリーム記録することができる。録画したコンテンツは「メモリスト」と呼ばれる項目にリスト表示され、クリックするだけで再生可能。ただし、予約録画機能などは備えていない。

EPGは音声、動画放送ともに利用可能 メモボタンを押すと録画が行なえる。録画したファイルは「メモリスト」に登録され、いつでも再生できる
※画面は開発中のもので、実際の製品とは異なります

 録画したコンテンツには、専用ソフトのメモリストからアクセスする。ファイルとしてユーザーが取り扱うことは想定していない。また、チューナカードには固有のIDが割り当てられており、同じIDのカードで録画した映像のみ再生できる。そのため、録画したファイルのみをほかのチューナ搭載PCにコピーしたり、専用以外の動画再生ソフトなどで再生することはできない。また、カードが破損するなどして新しいものと交換した場合でも、IDが変わるため、それまで保存したコンテンツは再生できなくなるという。

データ放送も受信可能。操作性は専用端末を模したものになっている 専用ソフトはスキンの変更も可能
※画面は開発中のもので、実際の製品とは異なります

端末事業統括部の菅正雄統括部長。「PCによって異なるが、MBT0102Aを使用すると公称連続使用時間の半分程度の時間、視聴ができる」という

 なお、衛星デジタル放送の特性を活かして、屋外での受信に加え、電車や車の中でも安定した受信が行なえるのがモバHO! の特徴。実際に試作機とPCを使って放送を視聴しながら通勤しているという端末事業統括部の菅正雄統括部長は「都内では、例えば山手線でもほぼすべての区間で受信ができる。新幹線でも窓の位置や方角に気をつければ良好な受信が可能」と利点をアピールした。

 さらに菅統括部長は「PCカードタイプという形式上、ある程度PCに詳しいユーザー向けという位置付けの商品になるが、専用端末よりも低価格な、1万円を切る戦略的な価格で提供する。あらかじめ記録されたメディアを主に取り扱うPCにおいて、リアルタイムで放送を受信できるという新たな魅力を訴求していきたい」と抱負を語った。

マーケティング統括部の田島正興統括部長

 なお、移動中の受信としては、全日本空輸株式会社(ANA)が同インフライトエンターテイメントとして同放送を採用することを発表している。具体的には、2005年度下期から国内線の旅客機にアンテナを装備し、機内の大型スクリーンや小型モニタでモバHO! の視聴が可能になるという。マーケティング統括部の田島正興統括部長は「こうした専用システムや専用端末にだけでなく、将来的には携帯電話やPDA、デジカメ、ゲーム機など、ほかのデジタル機器へ受信機能を内蔵させる、共生的なビジネスモデルも考えている」と、今後の展望を語った。

□モバイル放送のホームページ
http://www.mbco.co.jp/
□製品情報
http://www.mobaho.com/terminal/mbt0101a.html
□関連記事
【2004年12月1日】モバHO!、車載用レシーバ2機種の発売を延期
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20041201/mobaho.htm
【2004年10月21日】【WPC EXPO 2004 講演レポート】
-「放送のユビキタスを実現し、巨大空白マーケットを狙う」
モバイル放送 溝口哲也社長
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20041021/wpc03.htm
【2004年10月4日】モバイル放送「モバHO!」、10月20日より本放送開始
-新幹線、高速道路でも視聴可能。3年で加入200万人目指す
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20041004/mobile.htm

(2005年2月4日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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