◇ 最新ニュース ◇
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【Watch記事検索】
松下電器、第1四半期決算は好調な滑り出し
-PDPは年間210万台超へ上方修正


川上徹也取締役専務
7月28日発表


2005年度第1四半期の連結業績

 松下電器産業株式会社は28日、2005年度第1四半期連結業績を発表した。

 売上高は前年同期比3%減の2兆482億円、営業利益は6%増の460億円、税引前利益は18%減の662億円、当期純利益は2%増の334億円となった。

 税引き前利益の大幅な減少は、前年に275億円の代行返上益が計上されていたことによるもので、「デバイス事業の落ち込みはあったものの、国内市場においてはV商品などが好調で、オリンピック、猛暑のプラス要素があった昨年同期に比べても増販している状況」(松下電器・川上徹也取締役専務)とした。

「V商品」の販売動向

 加えて、川上取締役専務は、「今年度は躍進21計画の2年目となり、まさに正念場の1年。第1四半期は営業利益、純利益ともに増益と滑り出しはいい」と今回の決算を総括した。

 戦略製品である「V商品」は、年間67品目の投入計画のうち、第1四半期だけで49品目を投入。前年同期比5%の売り上げ増となった。さらに、パナソニックマーケティング本部が担当する製品に関しては、前年同期比13%増となり、業界平均の1%増に対して大幅な増加。ナショナルマーケティング本部の取り扱い製品に関しても、業界平均の4%増に対して9%増となった。

 さらに、「専門店ルートでは、50%以上の専門店で前年同期比2桁増、量販店でも全体平均が3%増であるのに対して、松下電器製品は19%増になった。パナソニックのウェブサイトの閲覧数も増加しており、6月には2,400万ページビューに達し、前年同期比24%増になった」という。


■ プラズマテレビにおけるシェアは70%
PDPテレビやデジタルカメラ、パソコン、カーエレクトロニクスが好調

 事業別に見ると、AVCネットワークは、前年同期比1%増の9134億円、営業利益は65%増の284億円。PDPテレビやデジタルカメラ、パソコン、カーエレクトロニクスが好調だったという。

 「デジタルカメラは、LUMIX FX8が発売直後からトップシェアを獲得。価格下落の影響もなく、デジカメ全体で年間400万台の目標に対しては予定通りの進捗。年間1,000億円規模のビジネスになる。また、PDPは第1四半期だけで34万台、売上高は前年同期比72%増の781億円となった。年間計画では170万台を予定していたが足りなくなることは確実で、今年9月末から10月にかけて稼働を予定している尼崎工場での生産増強を視野に入れて、年間210万台強へと上方修正する」とした。

 同ドメインの主要会社のひとつであり、デジタル家電などを担当するパナソニックAVCネットワークス社は、売上高で前年同期比1%減の3,388億円となったものの、営業利益は44%増の75億円となった。

プラズマテレビにおけるシェアは70%に達した

 「薄型テレビでは、ゴールデンウイーク前に、9機種5万4,000台の新製品を、一夜で販売店に展示した。また、全国293か所での一斉広告、6月末には六本木ヒルズをビエラヒルズとして広告で埋め尽くすなどの手を打った。結果として、プラズマテレビにおけるシェアは70%に到達した。昭和40年代に販売店の売り上げの半分をカラーテレビが占めたことがあったが、それぐらいのお化け商品になる可能性がある」などとした。

 白物家電のアプライアンスは、売上高が6%減の3,232億円、営業利益は9%増の186億円。松下電工への事業移管の影響で売上高が減少しているが、これを考慮すると売上高は前年同期比1%増になるという。

 「電子レンジが前年同期比2桁増、エアコン、冷蔵庫などが好調に推移した。エアコンは、国内市場において、7月には3年ぶりのトップシェア獲得を目指す」という。

 デバイスは、シリコンサイクルの影響もあり、売上高は17%減の3,338億円、営業利益は63%減の59億円となった。「第1四半期は厳しい状況にあるが、下期から反転すると予測している」と川上取締役専務は、下期にデバイス事業で巻き返す姿勢を示した。

アプライアンスでは電子レンジが前年同期比2桁増、エアコン、冷蔵庫などが好調 デバイスは売上高が17%減の3338億円となったが、下期から反転すると予測


■ 薄型テレビは数量増加で利益を確保可能
上期の見通しを上方修正

 同社では、今回の第1四半期決算を受けて、上期の見通しを上方修正した。「第1四半期の良かった分だけを修正した」という今回の修正値では、売上高は400億円増加の4兆1,900億円、営業利益は100億円増の1,300億円、税引前利益は200億円増の1,250億円、当期純利益は150億円増の500億円とした。ただし、修正値は、いずれも前年実績を下回っている。

 川上取締役専務は、「薄型テレビ事業については、価格下落の問題があるものの、数量の増加によって利益を確保することができる。また、当社はプラズマを自社で生産する垂直統合型のモデルが強みとなり、収益を確保している」などとした。


□松下電器のホームページ
http://panasonic.co.jp/
□決算情報
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn050728-1/jn050728-1.html
□関連記事
【4月28日】松下、3期連続の増収増益を達成
-「次世代メディアの歩み寄りを注意深く見ている」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050428/pana3.htm
【2月4日】松下、第3四半期連結決算は増収増益に
-プラズマテレビの優位性を強調
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050204/pana3.htm
【1月12日】松下電器、2005年度経営方針を発表
-「躍進21達成に向け、正念場の1年に」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050112/pana.htm
【2004年10月29日】松下、「満足すべき」上期決算
-「まだ危機は脱していない」と上方修正は見送り
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20041029/pana.htm

(2005年7月28日)

[Reported by 大河原克行]


00
00  AV Watchホームページ  00
00

Copyright (c) 2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.