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シャープ、2006年度は連結売上3兆円が目標
-亀山第1工場へ150億投資/第2の2期展開も前倒し


町田勝彦社長

1月11日開催


 シャープ株式会社は11日、都内のホテルで年頭記者会見を行ない、町田勝彦社長が液晶テレビなどの事業方針について表明した。

 町田社長は、2006年について、「地上デジタルの普及、トリノ五輪やワールドカップに加え、家電の買い替え時期にも当たり、大きなビジネスチャンスの年」と述べ、「当社のオンリーワン戦略をグローバル市場で展開したい」とした。


■ クリスマス商戦で亀山第2工場製を投入

 液晶テレビ分野においては、「2004年には国内のテレビを液晶に置き換えることがほぼ達成され、2005年には、65インチという当時では考えられなかったサイズも実現でき、2005年度は、テレビの主役に液晶が立つというエポックメーキングの年となった」と振り返った。

 同社では、2006年度の国内テレビ需要について、2005年度の832万台から867万台に成長すると予測。そのうち液晶は420万台から570万台になるとした。また、世界でもブラウン管の需要が落ちる一方、液晶は2,000万台から3,600万台へと大幅に増加すると見ている。

国内のテレビ需要予測 世界のテレビ需要予測

 さらに、プラズマが強いとされる37型以上のサイズでも、HD対応では今年中に液晶がPDPと拮抗するだろうとするディスプレイサーチの予測を取り上げ、大型サイズの強化についても触れた。同調査では、VGAパネル搭載のテレビを含めても、2008年には完全に液晶がPDPを逆転すると予測しているが、町田氏は「もう少し早く、2007年には実現するのではないかと思う」とコメントした。

液晶テレビの販売台数予測

 販売台数では、2005年度が400万台(前年比47.1%増)、2006年度が600万台(同50%増)と予測。実現に向けての対策としては、亀山第1工場の増強と、亀山第2工場の稼動を挙げた。

 第1工場では、マザーガラスの投入枚数を2005年4月の45,000枚/月から同10月に51,000枚/月へ強化。さらに150億円の投資により2006年3月には60,000枚/月(前年比33%)にするという。

 また、亀山第2工場では、2,160×2,400mm(縦×横)の第8世代マザーガラスを生産するほか、インクジェット方式のカラーフィルタなど新材料/工程の導入により「PDPに負けないコスト競争力を実現する」とした。加えて、2006年10月という亀山第2工場の生産稼動予定時期についても、「はっきりとはまだ言えないが前倒しに取り組んでいる」という。

 第2工場稼動後は、第1工場が30型クラス、第2で40~50型クラスという体制で生産。2005年の年頭会見で発表した第2工場の第2期展開を大幅に前倒し、「2007年末までに投入能力を15,000枚/月から30,000枚/月に強化する」という目標を「2007年3月末まで」に変更した。

亀山第2工場の稼動で、大型でもPDP対抗をアピール 第1工場で30型クラス、第2工場で40/50型クラスを生産

 第2工場の設備増強で、2,000億円の追加投資を予定し、第1工場と合わせ、2008年には32型換算で、年産2,000万台のカラーテレビ生産体制ができるという。また、亀山工場稼動の大型、エリア別開発体制により、亀山第2工場パネル搭載アクオスをクリスマス商戦向けに世界同時発売したいとの目標も明らかにした。

 そのほか、グローバル展開についても触れ、現在アクオスは国内のほかに中国とマレーシアで生産を行なっているが、欧州や米国での2006年末から2007年にかけて、実装からテレビまでの一貫生産体制を整えて、世界5拠点体制を構築したいと述べた。また、ドイツのテレビメーカーLoewe(レーべ)との提携により共同開発された高画質エンジンを今年の新製品に搭載予定としている。

 なお、一部報道で「シャープが海外製パネルを調達」という内容があった件について、「国内は亀山工場などで作ったもの。海外向けではそういう構想もあるが、性能を見極める段階で、使ったことはない」とコメントした。

 また、今後の海外での競争力について「従来は、パネル供給不足や、メーカーへの外販、国内製品の優先により、海外での販売がその犠牲となった部分がある。他メーカーに負けた印象はない」とした。


■ 連結売上高3兆円/利益率6%が目標

携帯電話の販売台数予測

 携帯電話事業については、ワンセグの開始や、11月のナンバーポータビリティ開始など新たなビジネスチャンスが生まれていると見ており、春にはアクオスの技術を活用した新製品を発表するとした。

 また、携帯電話向けの液晶や、テレビ向け大型液晶を含めた液晶事業全体の2006年度の連結売上高予測は9,800億円とした、

 太陽電池事業については、2006年度の世界需要で欧州、米国の需要増により、1,250MWに達すると予測。また、発電コストの低減については、現在の47円/kWhから、2010年に一般住宅電力に相当する23円/kWh、2020年に14円/kWh、2030年には火力発電に相当する7円/kWhを目標としている。

太陽電池の世界需要予測 太陽電池事業の連結売上高予測

 これらの事業を中心に、2006年度の連結売上高の目標を過去最高の3兆円/利益率6%とし、連結設備投資計画を約2,750億円と見積もった。そのうち液晶関係の投資は1,900億円強としている。

2006年度の連結売上高目標を3兆円に設定 会場には、亀山第2工場で生産される第8世代マザーガラスが展示された


□シャープのホームページ
http://www.sharp.co.jp/
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(2006年1月11日)

[AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]


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