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スカパー、社長会見でハイビジョン戦略などを発表
-ドイツW杯の全試合をハイビジョンで放送


重村一代表取締役社長

1月26日発表


 株式会社スカイパーフェクト・コミュニケーションズは26日、社長定例会見を開催。2005年度の第3四半期業績や、今後の展開について説明を行なった。また、110度CSデジタル放送で、5月9日よりサッカーのドイツワールドカップ全64試合をハイビジョンで放送することを発表した。

第3四半期までの連結損益 加入状況

 第3四半期までの連結営業収益は、前年比10.8%増の615億8,500万円、営業利益は14億円のマイナスとなり、7億5,600万円の純損失を計上した。単体では、営業収益が前年比3%増の556億8,300万円、営業利益が同88.6%減の4億600万円、純利益は同68.4%減の13億2,000万円。また、総登録者数は407万5,000人、個人契約者数は350万1,000人となった。

 加入件数、解約数は共に全ての月で前年より改善されたが、収益が伸びなかった点について、重村一代表取締役社長は「4月から12月まで実施したアンテナ取り付け無料キャンペーンや、STBのレンタル開始などで特に12月だけで30万人以上の契約を獲得したが、新規契約した月は月額料金が発生しない点などから損益面に影響した。また、サッカーのパックが評判のわりに伸びなかったことも大きい」と説明した。

 また、通期の業績見通しについては、連結の営業収益が前回の840億円から825億円に、当期純利益は3億円から5億円に修正されている。これについては、2005年の12月より開始した新パックの契約が予想以上に多かったことなどを理由に挙げている。12月の契約者のうち、52%が新パックを選んでいるという。


■ 2つの大きな流れに対応

 今後の戦略としては、大きく2つの方向を説明。1つ目にテレビのデジタル化を挙げ、2006年のFIFAワールドカップドイツ大会に関連し、「スカチャン! 110」に加え、新たに「スカチャン! ハイビジョン(Ch.800)」を5月9日に開局し、6月9日から行なわれるW杯の全64試合をハイビジョンで放送することを発表した。W杯を機に、ハイビジョン対応を強化するという。「スカチャン! ハイビジョン」はスカパー!110加入者であれば視聴可能。

 また、従来のスカパー! にあったプロ野球セット(新・プロ野球セット2,940円/新・プロ野球セットMAX3,570円)の構成チャンネルを強化し、これまでプロ野球セットがなかったスカパー! 110でも視聴可能な「スカパー! プロ野球セット」を3,200円で開始すると発表。開始時期については、「3月のワールドベースボールクラシック(WBC)の放映権を持つチャンネルもあるので、間に合うよう2月には販売したい」とした。そのほか、新たに「110度編成部」、「110度販売促進部」を設けて広告宣伝やコンテンツ強化を行なうという。

 もう一方は伝送路の光化で、オプティキャストによるデジタル放送再配信/多チャンネル放送サービス「ピカパー!」と、NTT東西の光ファイバ網を用いた光アクセスサービス「Bフレッツ」をセットにした販売の強化などを課題とした。

 ピカパー!は、東京23区、大阪、名古屋で開始されており、戸建て向けサービスを開始した福山市も含め、2005年12月の時点で多チャンネルサービス加入件数が3,975件、加入率が17.3%。また、東京23区の新築マンションにおいて、2005年で50%以上のシェアを獲得している。

 さらに、2006年春を予定していた戸建て住宅向けのピカパーを4月から首都圏で実施すると決定。港区、渋谷区、品川区、目黒区、世田谷区、大田区などで4月から開始し、5月、6月には23区以外にも川崎市や船橋市などでも開始する。料金については、地上/BS/110度CSデジタルや地上アナログ、200以上のオプションチャンネルを加えたセットで4,000円以下、それにひかり電話(500円)やBフレッツ(5,200円)、プロバイダ料金(500円)を加えたセットで10,000円以下をイメージしているという。

戸建て向けサービスの概要 料金イメージ 有線系サービスでもエリア拡大を予定

 2005年6月に新会社を設立した携帯向け動画配信の「スカパー・モバイル」については、必ずしもワンセグ放送での対応とは限らないとした上で「iPodやウィルコム端末など、新しい携帯機器に向けた方法で、チャンネルとしてではなく、コンテンツとして提供することも考えられる」とした。

 放送のデジタル化に伴う、区域外再送信の問題については、「地域によって見解が大きく違う。アナログでは見られた放送が見られないのはおかしいという意見はもちろんある。関東と関西でも大きく違ってくるため、今後の対応となる」ととする。そのほか、衛星を用いたデジタル放送再送信については、「まだ実験の準備段階で、雪のある2月中に開始し、今年度中に結果をまとめたい」という。

 また、2005年12月1日よりアナログからデジタルに移行した、子会社のケーブルテレビ足立についても触れ、「加入者からも好評で、多くのオプションチャンネルにより2006年度からは収益性の大幅向上が見込まれる」と述べた。

ケーブルテレビ足立のデジタル化による設備の省スペース化を説明。なお、下町をカバーするこの地域では「男はつらいよ」などのコンテンツに特に人気があるという


□スカイパーフェクト・コミュニケーションズのホームページ
http://www.skyperfectv.co.jp/
□ニュースリリース(業績概況、予想/PDF)
http://www.c-direct.ne.jp/japanese/uj/pdf/10104795/00042040.pdf
□ニュースリリース(ワールドカップ/PDF)
http://www.c-direct.ne.jp/japanese/uj/pdf/10104795/00042092.pdf
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【2005年1月27日】スカパー、STBレンタルやマルチプラットフォームなど中期戦略を発表
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050127/skyper.htm

(2006年1月26日)

[AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]


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