|
日本テキサス・インスツルメンツ株式会社は30日、2005年度業績や今後の事業戦略を発表する記者会見を行なった。その中で、今後の有力な製品として、デジタルAV向けプラットフォームの「DaVinci(ダヴィンチ)」への期待を語った。 ■ 「DaVinciは日本で成長」 会見では、米本社のリッチ・テンプルトン社長兼CEOが、全体の業績や、今後の成功に向けてのポリシーについて説明。半導体製品全体の売上高は2005年で117億ドルで、DSPが40%、アナログ製品が40%、DLPやマイコンなどその他の製品が20%となった。
DSP製品にいて、「25年以上パイオニアであり続けた。従来は、オーディオ分野において優位であったが今は特にビデオ製品についてチャンスが広がっている」と分析している。 その中で、最も期待する製品としてデジタルAV向けプラットフォーム「DaVinci」を挙げ、「デジタルビデオ処理の速度向上や、開発期間の短縮といった利点により、最新テクノロジの中でも幅広いマーケットで使われる自信がある」と述べた。また、デジタルAVの成長が大きい日本で特に多くの顧客を獲得できるだろうと予測した。現在、アナログ製品とのコンパニオンスイートの開発も進めているという。 DaVinciは、デジタルAV機器の開発に最適化したオープンプラットフォームとして、プロセッサ、ソフトウェア、開発ツールなどで構成されるDSPベースのプラットフォーム。既にサンプル出荷が開始されており、DaVinciに準拠した第1号製品の国内市場投入は、2006年夏の予定となっている。
■ 「デジタル化によりアナログ製品の重要性が高まる」
一方、テンプルトン氏はアナログ製品についても「世界でデジタル化が進めば進むほど、変換用などのアナログ製品の重要性も増す」と述べ、「DSPとアナログ両方の開発を今後も続ける“シグナル・チェーン”に意味がある」とした。特に、オーディオやビデオ、ゲームなどポータブルデバイス市場の拡大により、パワーマネジメント分野の成長率が最も著しいという。 また、アナログ製品の主要マーケットである日本においても、デザインセンターなどの拠点を置くことで、即時対応が行なえる能力を持っていると説明。さらに、日本TIの山崎俊行社長も、「TIはDSPというイメージが強いが、今は“シグナル・チェーン”に意識を変えているところ」と付け加えた。
今後の展開について、競合他社との協業などの可能性に関しては、「開発、量産などを自由に行なうためには、自社で独自に展開することを選択する」と否定。2005年は研究開発に20億ドルを費やしたが、2006年もさらに拡大するという。 また、2003年より計画されている米テキサス州リチャードソン工場については、6月より設備を設置する予定とし、デジタル家電向けのDSPや、アナログ製品などの生産を中心に行なうことも明らかにした。
□日本TIのホームページ (2006年3月30日) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
Copyright (c)2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|