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キヤノン株式会社は、CMOSを採用したHDVカメラ「iVIS HV20」を3月上旬に発売する。価格はオープンプライスだが、店頭予想価格は14万円前後の見込み。生産台数は15,000台/月の予定。カラーバリエーションは用意されない。 バッテリパック「BP-2L13」や、コンパクトパワーアダプタ「CA-570」、ワイヤレスコントローラ「WL-D87」、専用D端子ケーブル「DTC-100」、ステレオビデオケーブル「STV-250N」などが同梱されるが、HDV対応編集ソフトなどは付属しない。 iVIS HV20は、2006年9月に発売した縦型のHDVカメラ「iVIS HV10」と同じ撮像素子と光学系の横型モデル。なお、HV10の販売は継続され、同社のコンシューマ向けHDVカメラは2モデル展開となる。
HV10では小型化を優先させたため、端子類の多くが省かれ拡張性の面では割り切った仕様になっていたが、HV20では外形寸法は88×138×80mm(幅×奥行き×高さ)/重量535gに一回り大きく、重くなったが、HDMI端子やマイク端子、ヘッドフォン端子、アクセサリーシューを装備した。
撮像素子や光学系はHV10から変更されておらず、1/2.7型総画素296万画素の単板原色フィルターCMOSセンサー「キヤノン HD CMOS」と、ハイビジョン撮影に対応した光学10倍ズーム「キヤノン HDビデオレンズ」を搭載。ただし、フィルター径が43mmに変更されたため、新たにワイドコンバーションレンズ「WD-H43C」やテレコンバーションレンズ「TL-H43」が各27,300円で3月上旬に発売される。 また、映像エンジンも「DIGIC DV II」で変わらないが、CMOSの感度の向上と固定パターン除去処理により最低被写体照度(シャッタースピード1/30秒時)がHV10の5luxから、3luxに向上している。
撮影モードにも、新たに24コマ/秒のプログレッシブ撮影(記録は60i)と、ガンマ値やマトリクスなどが映画風のシーンモードが設定される「シネマエフェクト」が装備された。さらに内部/外部マイクの入力レベルを、液晶モニターに表示されるレベルメーターを見ながら調整できるようになった。
AFはHV10同様、コントラスト検出方式と外測センサーのハイブリッドで、2種類の方式を併用した「ハイスピードAF」と、コントラスト検出のみの「ノーマルAFモード」を選択できる。手ぶれ補正は光学式で、電源と連動して開閉するレンズカバーも内蔵する。 バッテリも、新開発の大容量バッテリ「BL-2L13」を同梱。本体についても電源駆動部を見直すことで、消費電力を低減し、連続撮影時間は約120分(ビュファインダー使用時)/約115分(液晶モニター使用時)を実現した。 操作面では、ジョイスティック操作を継承し、液晶モニターに操作案内が表示されようになり操作性を向上させた。またズームリングは装備しないが、ズームレバーの押し方によりズームスピードが変更できるモードに加え、3種類のズームスピードから好みの速さを選択できる固定速モードを備えている。 そのほかにも、ミニビデオライトとストロボも内蔵している。また、本体にminiSDカードスロットを内蔵し、JPEGで静止画記録も可能。静止画モードでの記録解像度は2,048×1,536/1,920×1,080/1,440×1,080/640×480ドット。動画撮影中にも1,920×1,080ドットでの静止画同時記録も可能で、miniSDカードの容量いっぱいまで、連続して撮影できる。さらに、HDVテープから1,920×1,080ドットで静止画を切り出すことも可能。
なお、最終的な記録解像度は同じになるが、HDVは1,440×1,080ドットで記録されているため、HDVテープから切り出す際は1,440×1,080ドットから1,920×1,080ドットに補間される。そのため、CMOSから切り出した1,920×1,080ドットを直接記録する動画撮影中の静止画撮影より、HDVテープから切り出した静止画の方が、画質は劣化する。
□キヤノンのホームページ
(2007年1月31日) [AV Watch編集部/furukawa@impress.co.jp]
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