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テレビ/ディスプレイ関連の新製品、新技術が多数発表された「CEATEC JAPAN 2007」。エフ・イー・テクノロジーズ株式会社は、次世代ディスプレイ「FED」の240フレーム表示対応モデルを参考出品している。 エフ・イー・テクノロジーズは、ソニーが開発していたFED技術について事業を継承し、2006年にソニーと投資ファンドの共同出資により設立されたディスプレイ開発企画会社。 同社が開発中のナノスピント型「FED(Field Emission Display/電界放出ディスプレイ)」は、電子を蛍光体に衝突させて発光させるというブラウン管に近い自発光方式のディスプレイ。ブラウン管に近い自然な高画質が実現できるほか、1ピクセルに対して微細なエミッタ(ナノスピントエミッタ)を1万個以上対抗させる構造を採用することで、画面の隅々まで歪みのない均一なフォーカス感が実現できるのが特徴。 4月に19.2型のFEDを初公開。今回のCEATECには、従来の60フレームから、240フレーム表示に強化したFEDのデモモデルを出展している。同デモ機は、8月に米国で開催された「SIGGRAPH2007」に出展したものと同じで、240フレーム表示のために、新たな映像処理回路を搭載した。
パネルそのものは、4月の開発発表時と同スペックで、パネルサイズは19.2型/1,280×960ドットで、輝度は400cd/m2、コントラストは2万:1。画素ピッチは0.306mm。蛍光体はSMPTE/EBU。ただし、試作ラインにおける製造ノウハウの蓄積により、安定した品質のパネルが生産できるようになってきているという。
SCEとポリフォニーデジタルが協力し「グランツーリスモ5プロローグ」のデモシーンを特別に240fpsでレンダリングして作成。240fps対応FEDに表示し、240fps対応による、なめらかな映像再現をアピールしている。また、60HzのFEDで知覚できたちらつきも感じられなくなっている。 パネルはそのままで、映像処理回路の変更だけで240Hz駆動/240fps表示に対応できるという、「FEDの応用の幅や、可能性を知ってもらうための展示」としており、「ニーズがあればより高フレームレートなFEDも実現できる」という。240fpsだけでなく、24fpsの映画ソースの表示デモも実施。「24p~240pのフレームレートフリー」をアピールしている。 基本的には放送局や業務用のマスターモニターとしての製品展開を検討しているが、各展示会などへ出展し、意見を集めているという。
現在のパネルサイズは19.2型だが、これは試作ラインでとれる最大のサイズのため。放送/業務用マスターモニターで事業を立ち上げる予定で、製品化時には「フルHD(1,920×1,080ドット)で24~30型になるのではないか」としている。今後、2009年の実用化に向けて意見集約を行なうほか、実用化に向けた事業提案/パートナー探しに取り組んでいく。
□CEATEC JAPAN 2007のホームページ ( 2007年10月3日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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