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シャープとソニーが大型液晶の生産合弁会社設立
−シャープ「パネル世界一」、ソニー「テレビ世界一」


ソニー中鉢社長(左)、シャープ片山社長(右)

2月26日発表


 シャープ株式会社ソニー株式会社は26日、大型液晶パネル/モジュールの生産/販売を行なう合弁会社を設立することで合意。同日付で意向確認覚書を交わした。今後、合弁契約を9月30日までに締結するべく、交渉を続けるという。

 今回の合意では、シャープが大阪府堺市に建設中の液晶パネル工場を分社化し、大型液晶パネル/モジュールの生産/販売を行なう合弁会社を設立する。この提携により、「シャープの最先端液晶ディスプレイ技術力と、ソニーのテレビ事業における市場競争力をさらに強化する」としている。

 シャープが、2010年の稼働を目指している大阪 堺工場では、液晶パネルだけでなく、材料など関連業界を含め、総投資額約1兆円規模の「21世紀型コンビナート」の創出を目指している。今回、同液晶パネル工場をシャープとソニーの合弁会社として、共同で立ち上げを図ることで合意。資本金や投資額は未定だが、出資/投資比率は、シャープが66%、ソニーが34%となる予定。合弁会社の設立日時は2009年4月を予定しており、工場の稼働開始時期は2009年度中を目標とする。社名は未定。

 合弁会社においては、世界初となる第10世代マザーガラスを採用する液晶パネル工場を立ち上げ、液晶パネル/モジュールを生産。出資比率に応じて、シャープとソニーに供給する。生産能力は、第10世代マザーガラス(2,850×3,050mm)ベースで、月産72,000枚(稼働当初は36,000枚)。加えて、シャープとソニーは、液晶パネルモジュール用部材の共同開発についても検討するなど、協力関係を強化するという。


■ 「液晶パネル世界一へ」。シャープ片山社長

シャープ片山社長

 都内で行なわれた記者会見には、シャープ片山社長とソニー中鉢社長がそろって出席。

 シャープ片山社長は合弁会社の概要を報告し、「今回の提携は、液晶産業が新世代に入ったことを象徴することとなる。堺の新工場では、パネルや材料メーカーなど協力各社が、同じ敷地内に工場を構えることで、おのおのが垣根を越えて連携を取りながら、最先端のモジュールを生産していく。ここに、世界のテレビ市場のトップメーカーであるソニーが加わることで、我が国の液晶産業が飛躍的なイノベーションを実現するものと確信している。両社の協力により、液晶パネルの画質やコスト面での向上や、関連部材の技術革新も図れる。つまり、日本の液晶産業そのものの発展につながる」と、「日本の液晶産業の連合」を強く訴えた。

 また、「来るべきデジタルコンバージェンス時代のコアデバイスである液晶パネルで、名実ともにナンバーワンを目指していく。今回のソニーとの提携が大きな柱になる」とパネル事業で世界一を目標に掲げた。

 片山社長は、「'98年に、『2005年に国内販売テレビをすべて液晶に』と宣言。大画面、フルスペックハイビジョン、超薄型化などに先鞭をつけてきた。液晶の新しいステージを切り開いてきた。今後もそうあり続けるように、全社を上げて努力していく」とし、「7月に稼働する亀山第2工場とあわせて、ダントツのコスト競争力を実現する。これにより、新興国など、液晶テレビがまだ普及していない地域まで、広げていくことができると考えている」と、同社のパネル生産能力とコスト競争力をアピールした。

 また、テレビ事業については、「テレビ製品ではソニーと競合関係になるが、世界市場でブランド力を持つソニーとよい意味で競い合い、切磋琢磨していく。新工場で生産したパネルを使い、最高の画質を誇る液晶テレビをそれぞれが開発し、世界の人々に貢献していけるよう努力していく」とした。


■ ソニーは、S-LCDと2つの供給元を確保。世界シェア2割を目指す

ソニーの中鉢社長

 ソニーの中鉢社長は、「ソニーのエレクトロニクスビジネスにおいて、今後の成長の最大の鍵をに握っているのがテレビ事業。我々のBRAVIAを今後さらに発展させるためには、商品力やコスト競争力の強化だけでなく、サプライチェーンなどのオペレーション力の強化、そして、パネルの安定調達が最重要課題」と、液晶製造合弁を決断した理由を説明した。

 合意については、「ソニーが目実ともに、世界一のテレビメーカーを目指すうえで非常に大きなステップ」と位置づけ、2008年の液晶テレビ世界需要予測を約1億台と説明。「ソニーの2008年度販売計画は検討中だが、世界市場でシェア15%〜20%を目指したい」語った。。

 なお、ソニーは、2004年より液晶の製造/調達について、韓国サムスン電子と共同でS-LCDを手掛けている。中鉢社長は、「S-LCDでは第7/8世代を展開し、ボリュームゾーンの32インチと、将来の軸になる52インチで強みを発揮している。今後も、最大の基幹供給源と位置付けて、共同経営していく。一方、市場の変化は激しく、数量の拡大とともに大型化や価格競争力の確保のため、もう一つの供給源を探してきた。そのため、戦略的パートナーとして、シャープと組ませていただいた。シャープは、世界で初めて第10世代に取り組む、最も先進的な液晶パネルメーカー。合弁会社では主力サイズの40インチを中心とするが、さらなる大型サイズも手掛けていきたい。S-LCDとあわせて、2つの基幹供給源を確保して、すぐれたパネル、独自の絵作りなどをあわせて、最高のテレビを手掛けていく」と語った。


■ 「工場の安定操業のため」、ソニーとの合弁へ

 なお、シャープでは2007年7月に堺工場の総投資額を3,800億円としていた。今回の両社の出資分は、「土地代を除いて液晶モジュール工場を加えた分。具体的な金額はこれから協議していく(シャープ片山社長)」。出資を受け入れた理由について、シャープ片山社長は「投資負担の軽減はもちろんあるが、ソニーはテレビで世界ナンバーワンのトップブランドメーカー。工場の安定操業という点で非常に心強いパートナーと判断した」と説明した。

 シャープ66%、ソニー34%という出資比率については、「変更の予定はない、また、他の出資者をつのることもしない(シャープ片山社長)」という。

 2007年12月に発表した東芝とシャープのパネル/半導体供給契約についての関係は、「東芝との契約は堺工場に限ったものではない。亀山からの供給も含んでいる。(新工場のパネルを)東芝にパネル供給する場合は、新工場の2/3であるシャープの割り当ての中から供給する」という。

 パネルの開発体制については、ソニー中鉢社長が言及。「新会社は製造を前提とした合弁会社。原則、開発については、新しい会社からシャープに委託するという形になる。しかしながら、画質を向上させるための部材の開発などは、一緒にやる可能性があるのではないかと考えている」という。

 また、ソニーが同じパネルを利用できることになるため、ソニーのBRAVIAとAQUOSとの競争が厳しくなるのでは? との質問について、シャープ片山社長は「いかにきれいに見せるかという、画像エンジンなどの周辺において、今まで以上に努力していく」とした。ソニー中鉢社長も、「絵作りは、パネルだけで決まるわけではない」とし、周辺回路などでの差別化などが重要との認識を示した。

 なお、ソニー製品における大型化については、「マザーガラスが第10世代ということで1.6倍になる。しかし、基本的にはボリュームである40インチをメインに作る。大型化については、市場動向をみながら考えていく」と説明。また、有機ELの展開については、「現時点では、液晶を置きかえるものではないと考えている」とした。

□シャープのホームページ
http://www.sharp.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/080226-a.html
□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200802/08-0226/index.html
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/20080108/sharp.htm
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−投資規模1兆円の「21世紀型コンビナート」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070731/sharp.htm
【2007年12月21日】シャープと東芝、液晶TV用パネル/半導体で提携
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/20071221/tslcd2.htm

( 2008年2月26日 )

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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