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新東京タワーの名称候補決定。4月より一般投票
-「東京EDO」など。大江戸や新東京は外れる


新タワーの完成イメージ

3月19日発表


 東武鉄道株式会社新東京タワー株式会社が、2012年の開業に向けて、作業を進めている610m級の「新タワー」の名称案が発表された。2007年10月から11月にかけて、名称の一般公募を行なっていたが、その中から6つの候補に絞り込み、4月より一般投票を実施。正式名称を決定する。

 名称候補は、以下のとおり。

  • 東京EDOタワー
  • 東京スカイツリー
  • みらいタワー
  • ゆめみやぐら
  • ライジングイーストタワー
  • ライジングタワー

新タワーの模型 6つの新タワー名称候補を決定

第1展望台から見た隅田川の花火

 新タワーは、東武鉄道、新東京タワーの両社が中心となり、東京都墨田区押上・業平橋地区において推進している多機能複合型の開発プロジェクト「Rising East Project」の中核事業として計画されている。2008年7月に着工開始し、2011年12月の竣工、2012年春の開業を目指している。

 新タワーの高さは、電波塔として世界一になるという約610mを予定。第1展望台を350m地点に、第2展望台を450m地点に設置予定。さらに、放送施設も準備予定で、2007年12月には地上デジタル放送について、NHKと大手キー局の在京放送事業者6社と利用予約契約を締結。開業後は放送塔としての利用が見込まれている。


都心を一望できる新タワーのイメージ 隅田側から新タワーを望む 立面図

10人の新タワー名称検討検討委員が候補を選定

 6つの候補名称は、Rising East Projectの一環として2007年10月より一般公募した新タワーの名称案、合計18,606件から、作詞家の阿木燿子さんら10名からなる「新タワー名称検討委員会」が選定したもの。

 4月から6つに候補に対して一般投票を実施し、6月上旬をめどに最も投票数の多かった候補に決定する。

 投票期間は、4月1日から5月30日17時までで、投票方法は、「PC用のウェブサイト」、「携帯電話用サイト」、「はがき」の3通りを用意している。PC用の投票は、詳細はRising East Projectのウェブサイトから、携帯電話では、http://tower-naming.jp/i/から、専用フォームに沿ってメールアドレスを登録後、投票可能となる。なお、投票はすべての投票経路を通じて、一人一票としている。

 投票者向けのプレゼントも実施。Aコースは、「名づけ親賞」として、決定名称に投票した人向けに用意しており、抽選で1名に開業時に一番最初にエレベーターに乗れる権利と副賞50万円をプレゼント。また、開業記念シリアル番号入りチケットを100名に提供する。

 Bコースは、「地デジ賞」で、応募者の中から抽選で合計12名に地デジ対応テレビをプレゼントする。内訳は、シャープ「AQUOS LC-32D30」が2名(グリーン1名、レッド1名)、ソニー「XEL-1」が3名、東芝「REGZA 46RF350」が1名、日立「Wooo UT37-HV700」が2名、松下「VIERA TH-46PZ80-K」が2名、三菱電機「REAL LCD-32H8500X」が2名。Cコースは地域協賛賞として、アサヒビールのスーパードライや、バンダイの「夢のロイヤルふぁみりーたまごっちプラス」などをプレゼントする。


■ 「皆に愛される名称を」。「大江戸」、「新東京」は商標問題などで回避

新タワー名称検討委員会の青山座長。「それぞれタワーとの関係や感性の違う人達が集まって決めた。副知事時代に地上デジタル移行の話を都庁でした際は、都として公有地を用意したほうがいいのか、民間ベースがいいか? などの議論があった。民間主導で、結果とし隅田区に決定し、ここまできて最終選考も参加型という形をとれたのは良かった」

 元東京都副知事で新タワー名称検討委員会の座長を務める明治大学公共政策大学院の青山やすし教授は、「歴史に残る、歴史的に使われていく、名称を選ばなければならない。選考も簡単に決まったわけではない」とし、選定基準や6つの候補の選定理由を説明した。

 特に以下の3項目を基準とし、候補を選定したという。

  • 新タワーの持つイメージや特徴を表す。
  • 子供から、お年寄り、外国人までが親しみやすい(外国語にしてもおかしくない)
  • 皆に愛されて、日本を代表する新タワーとしてふさわしい

 青山座長は、「もっとも望まれるのが、“みなに愛される”ということ。一番大事な指標になったと考えている。どれが選ばれても、これらの要素を満たしている。できるだけたくさんの方に投票に参加してほしい」と呼び掛けた。

 なお、名称応募には18,000以上の応募があったが、今回の候補で上位20位以内に入っているのは「みらいタワー」(候補名は未来タワー)のみ。公募時に上位に入った、「大江戸タワー(492票)」、「新東京タワー(345票)」、「さくらタワー(207票)」、「日本タワー(206票)」などは、「商標の問題などがあったため、選考対象から除外した。今回の6つの候補ではそうした問題は生じないと考えている(青山座長)」という。

東京都江戸東京博物館館長の竹内誠氏。「住民としての立場、地域の人間としてどういう名称がいいか、ということで参加した。また、江戸の研究者として隅田地域一帯がどういう背景なのかを伝えたい。江戸時代この隅田地域は、ある意味エコというか、隅田川を背景に庭園もあるし、大殿の別荘もあるし、ものづくり、職人の町でもある。そんな江戸の良さ、それをタワーに込めたい。ただ回顧するだけでなく、未来を感じさせるものにしたいと考えて選んだ」 新タワーのライティングデザイナーを務めるシリウスライティングオフィス代表の戸恒浩人氏。「東京の風景にふさわしいタワーの名称という基準で関わった。江戸らしさ、地域性を表現する言葉と、日本の首都、日本の心構えを象徴する前に進む言葉が集まったと思う」 芝浦工業大学システム工学部環境システム学科 中野恒明教授。「新タワーは、眼前に皇居、背景に富士山、水平に関東一円を見渡せるという好立地。あとは国民の方がどうやって決めるか、楽しみにしている」
墨田区の山崎昇区長。「地域に融合した名前にしたいと考えた。まちづくりのグラウンドデザインとして、江戸下町文化の発祥の地である。下町文化の創生拠点として開発していきたい。新名称は様々な墨田区の資源と融合させることを考えた。“下町文化と新しいタワー”、“和とモダン”、“過去と未来”、“ものづくりと観光”、これらの融合でもある6つの案には満足している。多くの区民、国民の皆さんに投票してほしい」 島根県芸術文化センターセンター長の澄川喜一氏、「奈良の5重塔のような、世界に誇れる日本の塔になるだろう。名は姿を現すという。世界に誇れるタワーがこの地に生まれることをうれしく思っている」 作詞家の阿木耀子さん。「後々まで愛される名前作り、そのお手伝いができてうれしく思う。親しみやすく、オリジナリティがある。さらにロマン、ドラマがその中にこめられるといいと考えた。“東京タワー”が小説、映画でヒットしたが、今回の6つの案もヒット作のタイトルにしてもおかしくないもの。作詞家としてもいいタイトルができるとうれしいが、どれが選ばれても満足できる。眼下に東京を一望する日を楽しみにしている」
フジテレビジョン 飯島一暢 常務取締役。「2011年に地上波放送の完全デジタル化を終了しているが、タワーの完成が2011年というのも印象深い。タワーの建設が契機となって、この地から、かつての江戸のにぎわいがひろがっていく期待している」 言語学者の中央大学 飯田朝子准教授。「選定の作業は、楽しく、大変だった。自信を持って推薦できる6つの名称になったが、音と形にも注目してほしい。たとえばひと通り声に出して、“何十年後も美しい音だろう”と。省略したときにどう呼ぶのか、というところも重要。そんなことも考えながら選んでほしい」

□新東京タワーのホームページ
http://www.rising-east.jp/top.html
□東武鉄道のホームページ
http://www.tobu.co.jp/
□ニュースリリース(PDF)
http://www.tobu.co.jp/file/1567/080319-2.pdf
□関連記事
【2007年12月12日】
在京テレビ局6社、新東京タワーの利用予約契約を締結
-地上デジタル放送の電波送信などに使用
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20071212/tower.htm
【2007年10月26日】“新東京タワー”の名称をWebとハガキで公募開始
-阿木燿子氏らが選考、一般投票で6月以降に決定
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20071026/tower.htm
【2007年9月21日】東京タワーが“地デジ続投”をTV各局に求める
-受信エリア拡大など改良を計画。コスト負担も
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20070921/ttower.htm
【2006年7月4日】新東京タワーのデザインを安藤忠雄氏らが監修
-年末デザイン発表。一般からも意見を募集
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060704/tower.htm
【2006年3月31日】新東京タワーの建設地が「墨田・台東エリア」に決定
-押上・業平橋駅周辺地区。高さは約610m
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060331/tower.htm
【2006年3月14日】墨田区、「第2東京タワー建設地決定」報道を否定
-「現在も協議中であると認識している」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060314/tower.htm
【2005年3月29日】“第2東京タワー”、墨田・台東エリアが第一候補に
-高さ約610m、概算建設費は約500億円
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050329/tower.htm

( 2008年3月19日 )

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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