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株式会社東芝は、DVDレコーダ「VARDIA」のフラッグシップモデル「RD-X7」を6月中旬より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は16万円前後の見込み。
チューナは地上/BS/110度CSデジタルを各2系統、地上アナログを1系統装備。HDDは1TB、DVDドライブは、DVD-R/RW/RAM、DVD-R DLに対応し、カートリッジ付のDVD-RAMも利用可能。なお、HD DVDについては、記録/再生とも対応しない。 デジタル放送のストリーム記録(TS)のほか、MPEG-4 AVCへの変換記録(TSE)にも対応し、47段階で画質モードを変更できる。RD-A301と同様に、DVDへのハイビジョン記録「HD Rec」に対応し、DVDへのMPEG-2 TS、MPEG-4 AVC記録が可能。音声はAACのまま記録する。また、TS、AVC、DVD VRを1枚のディスクに混在できる。 DVDドライブもマルチ対応となり、3倍速以上のDVD-R/RW/RAMとDVD-R DLにHD Recが可能となった。HDDへのAVC録画だけでなく、DVDへのAVC直接録画にも対応。また、新たにHDDに記録したTSタイトルをAVCに変換してダビングする際に、チャプタ情報が継承されるようになった。
DVDの容量にあわせて、最適なビットレートを選択して、ダビングを行なう「ぴったりダビング」も備えている。なお、HD Recは、松下電器や三菱電機のBlu-rayレコーダで採用されている、DVDへのハイビジョン録画規格「AVCREC」との互換性は無く、VARDIAではこれらのディスクの作成/再生はできない。 CATVやスカパー!連動機能も搭載。再生中の映像を見ながら、録画済タイトルや番組チェックができる「見ながら選択」や、自動録画機能なども従来モデルから踏襲している。ネットdeナビ(Ver.2)を搭載し、ネットdeモニターやネットdeダビング、メール予約などの機能が利用できる。また、DLNAサーバー機能「ネットdeサーバーHD」も搭載。TS録画したハイビジョン番組を、DTCP-IPに対応したREGZA ZH500/ZV500シリーズなどからストリーミング視聴できる。 なお、Blu-ray Discへの対応については、「(HD DVD終息会見での西田社長のコメントの通り)現時点ではレコーダ、プレーヤーを販売する計画が無いというのが、基本方針(デジタルAV事業部 DAV商品企画部 部長附 片岡秀夫氏)」としている。
デジタル放送録画の新ルール「ダビング10」に対応するが、ダビング10の導入が遅れた場合、発売日以降にファームウェアアップデートにより対応する。 ダビング10対応のVARDIAでは、録画タイトルからのダビングだけでなく、1つの録画タイトルから本編だけを集めたプレイリストのダビングや、複数の録画タイトルから集めたプレイリストのダビングなどに対応。また、録画番組を2つのダビング10回可能タイトルに分けるためのHDD内ダビングなどの機能を搭載する。
なお、同時発表の「RD-S502/S302」で新搭載したオンデマンドDVD機能「DVDBB」や、高速起動などは備えていない。 出力端子はHDMI×1や、D4×1、S映像×1、コンポジット×1、アナログ音声×1、光デジタル音声×1、同軸デジタル音声×1、モニター出力(S映像×1、コンポジット×1、アナログ音声×1)などを装備。入力端子は、S映像、コンポジット、アナログ音声を各3系統備えているほか、D1入力も1系統装備。i.LINKも2系統(DV×1、TS×1)を備えている。各端子には、金メッキ処理を施している。
Deep Colorにも対応。また、高画質化回路も強化しており、Silicon Optixの高性能アップスケーラー「Reon VX50」を搭載。IP変換やノイズ低減などの処理を高精度で行ない、画質を向上しているという。 DVDの1080/24p出力に対応するほか、480i、1080iの放送コンテンツについても24pで出力可能。1080i放送でフィルム収録の番組の場合、1080iの信号を3/2プルダウンした後、Reon VX50で2:3に逆変換し、その後I/P変換を行ない、1080/24pで出力するという。
ビデオDACは、アナログデバイセズ製の12bit/297MHz「ADV7340」を搭載。オーディオDACはアナログデバイセズの「AD1955」。銅フレーム使用のオペアンプや、高精度金属皮膜抵抗、PPS高音質コンデンサなどを導入し、2ch再生音声回路の高音質化。HDMI出力も専用ローカルレギュレータや、低インピーダンスケミコンの採用などで音質を向上。同軸デジタル出力も、パルストランスを搭載し、音質向上を図っている。 消費電力は72W(省エネ設定セーブで待機時2.1W)。外形寸法は430×376×98mm(幅×奥行き×高さ)、重量は7.8kg。
■ 東芝のDVD事業は前に向かっている
東芝デジタルメディアネットワーク社 デジタルAV事業部 事業部長の下田乾二氏は、「残念ながらHD DVD事業を終息することとなった。みなさまから、東芝のDVDはどうなる? VARDIA/HD DVDレコーダについてどうしてくれるのだ? というお声を頂いた。HD DVDがなくても、東芝のVARDIAシリーズは確固たる信念を持って進めていく」と宣言。 「HD DVD終息以来、東芝はDVD事業をやめるのか、という質問が非常に多かったが、東芝のDVD事業は元気よく、前に向かって、積極的に取り組んでいる」と訴え、Xシリーズと、普及モデルのSシリーズ、エントリークラスのEシリーズを展開することを発表。「レコーダの市場は、既存のDVDが約75%。そこで戦っていく。また、DVDレコーダはVHS時代の年間800万台に比べると、まだ半分の市場。まだ、DVDに触れていない半分の層に積極的に呼びかけていきたい」と語った。
□東芝のホームページ ( 2008年5月15日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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