|
コンテンツ海外流通促進機構(CODA)は30日、2007年度の活動実績と近年の活動状況を報告する記者発表会を開催。2007年度(2007年4月~2008年3月)に香港、中国、台湾において押収された映画や音楽、ゲームなどの海賊版CD/DVDは86万6,638枚と発表した。
2007年度のエンフォースメント(権利行使)による海賊版取締り件数は2,041件、逮捕者616名、押収されたDVDなどの数は86万6,638枚。この成果はほぼ前年並みとなっており、1枚あたりの市場価格を1,300円と見積もると、押収物の総額は11億2,600万円以上になるとしている。 エンフォースメント活動を始めた2005年1月からの累計では取締り5,439件、逮捕者1,815名、押収DVDなどは455万4,100枚(1枚1,300円とした場合は総額59億2,000万円以上)となっている。 また、著作権侵害での摘発に比べ、手続きが簡易という商標権侵害での摘発を可能とするCJマーク(コンテンツ海外流通マーク)委員会の活動については、香港で初めてCJマークによる海賊版摘発に成功した例を説明。特定国の業界団体が統一マークを用いて商標権侵害で海賊版の摘発を行なうケースは世界初としている。
現在の海賊版(有形物)の総数について後藤委員長は、「一度に4万枚ほど倉庫から出てきたということもあり、わからない」としながらも、「表通りからはなくなってきている。香港などの日本専門のショップから海賊版はなくなってきている」と成果を強調した。 なお、CJマークは会員社の商品であっても全てのパッケージへの表示が義務付けられるものではない。香港で摘発された押収物においても、会員社商品の1,089枚のうち、CJマークが付いた商品は21枚だった。これについては「中国では商標権登録がまだ出願中であることから、ネガティブにとらえている企業があるのも事実」としている。
■ 違法ネット配信への具体策も
2007年度の活動として、社団法人私的録画補償金管理協会(SARVH)からの助成を受け、中国/韓国における日本コンテンツの違法ネット配信サイト調査も実施。今後エンフォースメント活動を行なう際に基礎情報として活用するという。具体策としては、その数の多さから、まずテイクダウン(削除要請)を予定。将来的にはCJマークでの商標権侵害での摘発についても活動に加えるとしている。
エンフォースメント以外の活動としては、CODA単独としては初となる、中国へのミッション団を派遣。違法アップロード対策に向けて国家版権局に申し入れを行なったほか、中国インターネット協会や、中国版権協会の海賊版撲滅委員会、中国のコンテンツホルダーと意見を交換した。 5月に胡錦濤国家主席が来日した際に知的財産保護協力について触れたことから、「中国政府は知材保護に前向きに取り組んでいる」と見ており、「CODAとしても政府への協力/要請を継続し、業界団体や企業との連携も深め、“対話型ロビー活動”を展開していきたい」としている。
□CODAのホームページ ( 2008年6月30日 ) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
Copyright (c)2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|