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ソニーは10日、年末商戦を前に、特約店や報道関係者向けの新商品内覧会「ソニー ディーラーコンベンション 2008」を開催。その中で、バッテリ駆動に対応し、チューナとワイヤレス接続する有機ELテレビを参考展示した。具体的な発売時期や価格は未定。 参考展示されたのは、発売中の有機ELテレビ「XEL-1」と同じ、1.4mm厚の有機ELパネルを採用したディスプレイ(XEL-1のディスプレイ部全体の厚さは3mm)。サイズも11型で共通。バッテリを内蔵しており、別途用意されたチューナユニットからワイヤレスで送信されたハイビジョン映像と音声を受信できるのが特徴。バッテリ内蔵型としたことで、完全なケーブルレスを実現しており、壁掛けなど、より設置の自由度が増すという。 有機EL技術の利用提案の1つとして参考展示されたもので、ワイヤレス伝送技術の詳細は非公開。バッテリでの駆動時間なども未定だが「液晶ディスプレイよりも有機ELは低消費電力であるため、従来の液晶ポータブルテレビなどと比べて駆動時間も長くなる可能性がある」という。スピーカーはパネル背面の上部に搭載されている。
壁に取り付けた金具に、ポスターのように吊すことができ、屋内を自由に持ち運び、視聴するライフスタイルを提案。会場内ではさらに、長いアームに取り付けたタイプも展示。アームがスピーカーを兼ねており、アームの支柱下部にウーファ、有機ELを取り付けたアーム尖端の下部にツイータを内蔵。ディスプレイの自由な配置と音質の両立を図っている。
また、会場には4月の「Display 2008」でも展示された、薄さ約0.3mmの11型有機ELパネルも参考展示。XEL-1のディスプレイ部は厚さ3mm、パネルそのものは1.4mm厚のものを採用しているが、展示されたパネルの有機EL画素やTFT基板、カラーフィルタなどの基本構造はXEL-1と同じ。それらを挟むガラス基板を後工程で大幅に薄型化することで、0.3mmという厚さを実現している。パネル解像度960×540ドット。「剛性などを考慮し、製品化できるギリギリの厚さを追求している」という。このパネルを搭載した有機ELディスプレイも参考展示。パネル全体の厚さは約0.9mm。
また、2007年5月に発表した、曲げられるフルカラー有機ELディスプレイを実際に曲げている映像も公開した。実物は展示されていない。
通常、有機ELディスプレイは、ガラス基板上にシリコン半導体材料を用いたTFTを形成し、その上に有機ELの発光素子を積層する。それに対して、試作機では、柔軟性のあるプラスチックフィルム上で形成可能な有機TFTを新たに開発することで、薄型/軽量、曲げられるディスプレイが実現可能となった。サイズは2.5型で、解像度は160×120ドット。解像度は80ppi。技術発表であり、製品化の予定は未定だという。
□ソニーのホームページ
(2008年9月10日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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