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【CES】パナソニック、8.8mmの薄型PDPや3D戦略を披露
-VIERA CASTでビデオ配信。世界初ポータブルBDも


会期:1月8日~11日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Center
    Sands Expo
    The Venetian


 パナソニックは7日(米国時間)、2009 International CESでプレスカンファレンスを開催。独自のNeoPDPeco技術を導入し、薄さ8.8mmを実現したプラズマテレビなど、薄型テレビ技術や新製品を紹介した。


■ 50型で8.8mmの薄型プラズマを披露

50型の超薄型8.8mmプラズマを開発

 超薄型プラズマテレビは、パネルサイズが50型で、解像度は1,920×1,080ドットのフルHD。PDPの放電効率の向上や、新放電ガスや蛍光体、電子源などを発生させる新材料を開発するとともに、放電領域を拡大させる新セル構造や省電力駆動技術などを採用。発光効率を向上したことで、部品点数の削減や部品の小型/集積化が可能となり、同時に薄型化も達成できたという。こうした改善によりPDPで世界最薄という厚さ8.8mmを実現した。

 また、Wireless HDを使った無線伝送システムを組み合わせることで、チューナを外付け化するとともに、配線の煩雑さも解消。薄さを生かした設置を実現できるとする。

 あわせて、低消費電力化を図った42型フルHDパネルも開発された。発光効率の向上などを図ったこれらの技術を総称し、「NeoPDPeco」と命名。製品化の時期については明言していないが、「近日の商品化に向けて取り組んでいく」としている。

ディスプレイとチューナユニットはWireless HDでの接続を想定 パネルの厚さは8.8mm NeoPDPecoとして新パネルを展開。LCDも

□関連記事
【1月8日】パナソニック、消費電力1/3のプラズマ「NeoPDPeco」を開発
-8.8mm厚の50型。消費電力半減のNeoLCDecoも
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20090108/pana1.htm


■ 3Dの2010年本格立ち上げに向け、取り組みを加速

パナソニックノースアメリカの山田喜彦CEO

 PDPについては、CEATECで発表した「3D フルHD プラズマ・シアターシステム」をブースに展示するほか、3Dへの取り組みも強化する。パナソニックノースアメリカの山田喜彦CEOは、「3Dの普及はそれほど遠くは無い。2009年に3Dの市場を立ち上げ、2010年には家庭向けの3Dビジネスをはじめたい」と言及。プレスカンファレンスの冒頭のかなりの時間を割いて、3Dへの取り組みを紹介した。

 3D普及のため、Blu-ray Disc AssociationやHDMI、MPEGなどの関連団体に3Dの規格化を積極的に呼びかけていくほか、ハリウッドのパナソニックハリウッド研究所(PHL)内に「パナソニック ハリウッド研究所 アドバンスドオーサリングセンター(PHL-AC)」を2月1日に設立。3D対応のBDビデオ制作などの先進的なオーサリングサービスを提供していく。

 同施設では、MPEG-4 AVC High Profileエンコーダの3D拡張などを手がけるほか、3Dオーサリングシステムを構築。3D版BDタイトルの施策に取り組むほか、「タイタニック」などのジェームズ・キャメロン監督との協力など、映画製作者とも連携。3Dビジネスの早期立ち上げを目指す。

3Dの立ち上げを積極化 BDAやHDMIなどの規格提案のほか、映画関係者との協力やオーサリング施設構築などに取り組む ジェームズ・キャメロン監督もパナソニックの3D技術を支持

映画プロデューサーのジョン・ランドー氏(左)。会場には、「タイタニック」で獲得したオスカー像をもって現れた

 アメリカでは初めてコンシューマ向けに立体表示技術「3D FullHD Plasma」を公開することもあり、開催を前に同社はプレス関係者向けに体験会を開催した。

 説明会には、ジェームズ・キャメロン監督とともに「タイタニック」を作り、現在制作中の「Avator」でもプロデューサーを務めるジョン・ランドー氏が登壇し、3D表示技術への期待を次のように語った。

「現在の3Dは、祖父たちの時代の3Dとはまったく違うものだ。非常にクリアで、精細感が高い。グローマンズ・チャイニーズ・シアターのような大画面はもちろん、あなたの家庭でも楽しめる。その、家庭での体験をもたらしてくれるのが、パナソニックの3Dプラズマディスプレイだ。ジェームズ・キャメロンがこの技術のスニーク・プレビューを見た時、彼は目をいっぱいに見開いてこういった。『これが夢見ていたものだ!』と。皆さんもデモを見れば、同意していただけるのではないだろうか。我々は現在、3Dムービーである”Avator”を制作中だが、パナソニックには様々な形で協力していただいている。完成した場合には、劇場の大画面や、パナソニックのプラズマディスプレイで是非未来を体感していただきたい」

 CESのブースには、CEATECの時と同じく、クローズドシアター形式で体感スペースが用意され、その中でデモを見ることになる。システムは「CEATECの時と基本的に同じもの」(パナソニック担当者)だが、流される映像はよりバラエティ豊かなものとなっているようだ。

ジョン・ランドー氏 パナソニックブースの3D HD体験シアター内部。システムは昨年のCEATECで公開されたものと同じく、同社の103型プラズマとBDプレーヤーに、3D向けのカスタマイズを加えたもので視聴する

□関連記事
【1月8日】パナソニック、3D版Blu-rayソフトの制作センターを開設
-ハリウッドのPHL内に設置。3D版BDの試作開始
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20090108/pana2.htm
【2008年9月24日】松下、Blu-rayとPDPを使ったフルHD 3D
-劇場の3D対応にあわせ、規格化へ。CEATECに出展
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20080924/pana.htm


■ VIERA CASTはamazonのVODに対応。世界初ポータブルBDも

VIERA CASTがamzon Video On Demandに対応

 Blu-rayプレーヤーや薄型テレビ「VIERA」向けのネットワークサービス「VIERA CAST」も強化。現在はYouTube、Picasa Web Album、Bloomberg News、お天気チャンネルなどを展開しているが、ここに「amazon Video On Demand」も追加。ネットワークを介したHD映像配信を楽しめるという。

 amazon Video On Demandの映像コーデックはMPEG-4 AVC/H.264で、ビットレートは300/600/900kbpsと1.2Mbpsのいずれかを自動で帯域判別して伝送。家庭内のテレビで各コンテンツのストリーム再生ができる。この新VIERA CASTを2009年発売のVIERAや、新Blu-rayプレーヤー「DMP-BD60/BD80」、「DMP-BD70V」などで搭載する。

amazon Video On Demandの利用イメージ VIERAやBDプレーヤーにamazon対応の新VIERA CASTを搭載する

 また、世界初となる、ポータブルBDプレーヤー「DMP-B15」も5月に発売。解像度は1,024×600ドットで、PHLによるリファレンスクロマプロセッサによる高画質化などのノウハウを投入。SDメモリーカードも備えており、SDカード上のHD映像再生や音楽再生も可能。VIERA CASTにも対応する。さらにHDMI出力も装備し、単体のBDプレーヤーとしても利用できる。

DMP-B15 テレビとHDMI接続し、BDプレーヤーとしても利用できる

□2009 International CESのホームページ
http://www.cesweb.org/
□パナソニックのホームページ
http://panasonic.co.jp/index3.html
□ニュースリリース(PDP)
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn090108-3/jn090108-3.html
□ニュースリリース(VIERA CAST)
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn090108-9/jn090108-9.html
□ニュースリリース(PHL-AC)
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn090108-10/jn090108-10.html

( 2009年1月8日 )

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp/西田宗千佳]


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