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パナソニック株式会社は、薄型テレビ「VIERA」の新モデルとして、Z、V、Gの3シリーズ、合計13機種を発表した。3月1日より順次発売する。価格はいずれもオープンプライス。店頭予想価格は下表の通り。
Zシリーズはプラズマのみで、54、50、46型をラインナップ。新開発の「ネオ・プラズマパネル」を採用し、コントラスト4万:1、動画解像度1,080本を実現。従来モデルのPZ800シリーズに比べ年間消費電力量を約半減している。デジタルハイビジョン放送の色規格の色面積比は約100%。さらに、最厚部でも24.7mm(46型は49mm)という薄さを実現。チューナは別筐体で、別売でWirelessHD対応のワイヤレスユニットや、壁寄せスタンドを用意。薄型を活かした設置が可能となっている。
Vシリーズはチューナ一体型のシリーズ。50、46、42型はプラズマ、37、32型は液晶で構成する。プラズマはZシリーズと同様の「ネオ・プラズマパネル」を採用。蛍光体材料やプロセス技術、光学フィルタなどを用いることで、デジタルハイビジョン放送の色規格の色面積比で約120%となる広色域を実現。デジタルシネマの色表現領域を満たした。さらに、パナソニックハリウッド研究所で培った技術を用い、Blu-ray Discソフトの圧縮された色域をオリジナルに近づける「ハリウッドカラーリマスター」機能も備えている。
液晶は新「IPSα液晶パネル」や「Wスピード」駆動により動画解像度900本を実現した。チューナを内蔵していながら、スタンド部を除いた奥行きがプラズマは55mm(最大84mm)、液晶は51mm(最大67mm)に抑えている。
Gシリーズも、50、46、42型はプラズマ、37、32型は液晶で構成。Vシリーズのように薄さを追求したモデルではなく、プラズマの奥行きは約90mm。しかし、「ネオ・プラズマパネル」や、液晶の新「IPSα液晶パネル」や「Wスピード」駆動などの特徴はVシリーズと同じ。「ネオ・プラズマパネル」はデジタルハイビジョンテレビ放送の色域面積比は約100%でVシリーズとは異なり、「ハリウッドカラーリマスター」機能は備えていない。
■ 「新・ビエラ宣言」
デジタルAVCマーケティング本部の西口史郎本部長は、国内のテレビ市場規模について、2011年のアナログ停波までに、現在も残る約6,000万台のアナログテレビ台数がそのまま今後の市場規模として見込めると説明。同時に「消費者の皆様からは、長く安心して使えるテレビという要求が高まっている」とし、高画質/高音質化、高機能化を今後も進めていく考えを示した。
同時に、ブロードバンド環境の整備も進み、光ファイバーの世帯カバー率が90%を突破。実際に光ファイバーを導入しているユーザーが2007年末の段階で47%に達していることなどを紹介。YouTube再生やビデオオンデマンドサービス、家庭内に設置した監視カメラの映像を表示できるなど、新モデルのネットワーク接続機能の豊富さをアピールし、「テレビは今後、単なる放送受信機から、コミュニケーションインターフェイスの核になる。観るテレビから、使うテレビへの進化がいよいよ訪れる」と予測した。
また、新モデルがいずれも従来機種と比べ、消費電力を大幅に低減したことをアピール。HDMIのリンク機能も活用して消費電力を低減する「こまめにオフ」機能も紹介した。VIERAの視聴状態に応じて使用していない接続機器(レコーダやAVアンプ)の電源を自動でオフする機能であり、VIERAを視聴していない時に、使用していない接続DIGAの待機電力モードを自動で最小に切り換え節電する「ECOスタンバイ」機能も用意されている。西口氏はこの機能をエコに繋がる「VIERA Linkの一歩進んだ機能」として紹介。こうしたネットワーク、リンク、エコ機能などを合わせて、2009年のVIERAのキーワードとして「テレビが変わる、くらしが変わる “新・ビエラ宣言”」を掲げた。
具体的な技術説明では、「ネオ・プラズマパネル」を重点的に紹介。新開発の電極構造を採用することで、PDP前面板の電極幅を広げ、放電領域を拡大。これに新放電ガス、新蛍光体などを組み合わせることで、発光効率を2007年モデルと比べ、約2倍に向上させたというもの。黒浮きの原因となる予備放電を低減させるとともに、ピーク輝度を向上させ、世界最高のコントラスト4万:1(最大200万:1)を謳っている。西口氏は映像について「ひきこまれるほどの臨場感を持っている」とアピール。なお、Vシリーズは、デジタルハイビジョン放送の色規格に色面積比約120%を実現。「ハリウッドカラーリマスター」機能も備えているが、Z/Gシリーズでは100%にとどまり、ハリウッドカラーリマスターも省かれている。
これと関連し、1月に技術発表を行なった、消費電力1/3を実現する「NeoPDPeco」と、消費電力半減の液晶パネル「NeoLCDeco」にも触れ、「数年後を見据えて、こうしたパネル技術やネットワーク技術に関して、今後も技術開発を加速させていきたい」と語った。
なお、世界的な不況の余波でテレビ市場の動向にも注目が集まっているが、西口氏は楽観的な立場をとっている。「1月の結果は、台数ベースで前年比120%程度で推移している。今年度の市場規模は1,000万台強と業界では言われており、来年度の総需要も今年の前年比107%アップで、1,100万台程度と想定している。2011年のアナログ停波を控え、今後も成長が見込める恵まれた市場だと感じている。新VIERAを武器に不景気を吹き飛ばす勢いで、前年比120%の成長を遂げたい」と目標を掲げた。
■ 小雪さん「薄さにビックリ」、綾瀬はるかさん「リンク機能使ってみたい」
プロモーション活動については、西口本部長が、今回のキャッチコピーである「ビエラ、『美しさ』の向こうへ。」について、「テレビの美しさの先にある、つながるテレビ、リンク型テレビの時代の到来を提案したい」と説明。 VIERAの宣伝キャラクターは引き続き小雪さんが務め、外部機器との連携を訴求する「ビエラにリンク」についても、これまで通り綾瀬はるかさんと2人でプロモーションを行なう。西口本部長は、小雪さんらに「新VIERAと、VIERA Linkの先進性を是非表現して欲しい」と期待を寄せた。 続いて登場した小雪さんは「画質がきれいだし、デザインも斬新。本当に薄くなりましたね。そのことにビックリしています」と印象を語る。新しいキャッチコピーについては「美しいだけでなく様々な機器やサービスと繋がって、VIERAが最先端に向かっていく、繋がるテレビというイメージで作られていて、楽しみ」とした。
そのリンク機能の訴求については、共演する綾瀬はるかさんも登壇してコメント。特に注目する機能として綾瀬さんは「ネットにつなぐだけでTSUTAYA TVの映画が見られるのが便利」と話した。YouTubeの視聴や、セキュリティ機器との連携などその他の豊富な機能について「ぜひやってみたい」と興味を持ったようで、小雪さんも「私も試してみたいです」と笑顔を見せた。 小雪さんは、「これからのVIERAは様々なコンテンツと繋がっていく、デジタルネットワーク時代にふさわしいテレビ」とし、綾瀬さんは「さらに充実して便利になったリンク機能をつかって、いろいろなコンテンツを楽しんでください」とコメントした。
□パナソニックのホームページ
(2009年2月3日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp/nakaba-a@impress.co.jp]
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