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パナソニック、8Kスーパーハイビジョン番組制作用レコーダや小型4Kカメラを開発

 パナソニックは、8Kスーパーハイビジョン放送や4K放送の番組製作向けに、8K対応のレコーダ「AJ-ZS0580」と、4K対応レコーダ「AJ-URD100」の試作機を開発。8Kモデルを2017年10月に、4Kを同年12月に発売する予定。価格は未定。2016年11月16日~11月18日まで、幕張メッセで開催される国際放送機器展「Inter BEE 2016」で展示する。

左から8K対応のレコーダ「AJ-ZS0580」、4K対応レコーダ「AJ-URD100」

 パナソニックは既に、8K-DualGreen方式の8Kメモリーカードレコーダを開発しているが、2020年に向け4K・8K放送が普及し、東京オリンピック・パラリンピックの中継等が広く放送されることを見据え、AVC Intraコーデックに対応するなど、実用性を高めた8K、4Kレコーダを新たに開発した。

 8Kスーパーハイビジョンレコーダ「AJ-ZS0580」は、AVC-ULTRA(AVC-Intra 4:2:2)で、より高画質な8K-YPbPr方式/59.94p In/Out(12G-SDI×4)端子を備え、放送用ストレージメディアのexpressP2カード、およびmicroP2カードに8K映像を記録。HD解像度での同時記録や、4K、HDの同時出力も可能。

 4Kレコーダ「AJ-URD100」は、AVC-ULTRA、4K 59.94p In/Out(12G-SDI×1/3G-SDI×4)を備え、expressP2カードに4K記録する

小型4Kカメラや12G-SDI対応4K/2K大型ライブスイッチャーも

 Inter BEE 2016ではさらに、4K対応のフリースタイルポータブルレコーダ「POVCAM」や、12G-SDI対応4K/2K大型ライブスイッチャー「AV-HS8300」なども出展される。

4K対応のフリースタイルポータブルレコーダ「POVCAM」

 「POVCAM」は2017年春発売予定で、レコーダの「AG-UMR20」と、4K撮影対応の小型カメラヘッド「AG-UCK20」で構成される。価格は未定。2009年発売の業務用HDポータブルレコーダー「AG-HMR10A」の後継モデルで、映像制作をはじめ文教、官公庁、企業などでの利用を想定している。

 レコーダの「AG-UMR20」は、3G-SDI入力を備え、1080/60pのHD録画が可能。ストレージとしてSDXC対応のSDカードスロットを2基搭載し、リレー記録による長時間録画が可能。新たにEthernet端子を使い、IP接続によるリモートコントロールや、ネットワークへのストリーミング出力が可能になった。HDMI出力、マイク/ライン入力なども備えながら、約650gと軽量を実現している。

 カメラヘッドの「AG-UCK20」は、広角かつ20倍のズームレンズと、16軸独立色補正機能、5軸ハイブリッド画揺れ補正、赤外線撮影機能、NDフィルタなどを搭載。別売で、最長20mの専用ケーブルで、AG-UMR20と接続できる。AG-UMR20のカメラリモート端子を用いたレックS/S・ズームの手元操作に加え、フォーカス・アイリスも手元で操作できる。

 ライブスイッチャー「AV-HS8300」は、2017年秋発売で価格は未定。現行機「AV-HS7300」の上位モデルで、4Kおよび2Kでの大規模入出力に対応。4Kモード(HDR対応含む)で最大80入力/40出力、4ME+4DSKが可能で、「従来の2K運用と同等の機能、性能を高速4K処理技術で実現する」という。4K映像伝送は12G-SDIを標準採用し、4Kマイグレーションも容易とする。

ライブスイッチャー「AV-HS8300」

 2Kモードでは、最大160入力/80出力、8ME+8DSKが可能。4K対応ルーティングスイッチャー「AV-WM8400」と、4K対応ペリフェラル「AV-PF8000」も同時に開発されており、4K映像伝送には12G-SDIを標準採用。「同軸ケーブル1本による信頼性の高い4Kスタジオシステムの構築が可能になる」という。

「Inter BEE 2016」のパナソニックブース展示イメージ