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「シャープはもう大丈夫だ」、“やれば出来るの精神”で'17年黒字化へ

 シャープの戴正呉社長は27日、社員に向けて「“やれば出来る"、2017年を羽ばたく年にしよう」と題したメッセージを発信した。8Kの強化などイノベーションの加速に加え、2016年度下期(2017年3月)の当期純利益黒字化を目指す方針を明らかにした。

シャープ戴正呉社長

 8Kについては、「単に高画質テレビ放送技術というだけでなく、放送機器、動画配信、医療、セキュリティなど、業界の枠を超えた企業やサービスの有機的な結びつき、8K Ecosystemの中核となる技術で、大きな可能性を踏めている」と説明。12月16日付けで社内プロジェクト体制を再編し、開発をさらに加速するという。

 また、IoT分野ではRoBoHoN(ロボホン)のさらなる進化や、クラウドサービス「COCORO+」などスマートホームを実現する取り組みを加速。香港Mangoと協力したホテル宿泊者向けのスマホ貸出サービス「handy」や、オープンインキュベーション活動「SHARP IoT. make Bootcamp」によるベンチャー企業協業などにより、新たなビジネスモデル構築や、イノベーションを生み出す組織風土づくりについても紹介している。

 将来への投資としては、9月に决定した、有機ELディスプレイの4.5世代生産ライン投資の決定や、半導体事業再参入、カメラモジュール事業の垂直統合実現、海外テレビ事業の拡大に向けた、欧州テレビ市場への再参入(UMCの子会社化)などを進め、「2017年にはこれらが、必ず実を結ぶものと信じている」とする。

 一方、「万策尽くしても想定外の変化が起こりうる」として、戴社長は「やれば出来るの精神」を強調。1965年に発足し、シャープの礎を築いてきたATOM隊の中で生まれたという「やれば出来る、やらねばならぬ、目標達成。熱意を込めてやろう、やれば熱意がわいてくる。」というセールススローガンについて、「営業部門のみならず、私達全員が『やれば出来る』との強い思いを持たなければならない。どんな困難が立ちはだかろうとも、『やれば出来る』の精神で自らを奮い立たせてもらいたい」と語っている。

 今後については、「2017年、まずは、2016年度下期(2017年3月)に当期純利益の黒字化を実現し、ご家族の皆様やすべてのステークホルダーの方々に『シャープはもう大丈夫だ』と安心していただきたいと思います。そして、私たち全員が一致団結してV字回復を果たし、トリ(酉)のように大きく羽ばたく一年にしましょう」とメッセージを送っている。