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劇場の座席が動く「4DX」、'16年は過去最高の興収2億ドル。ガルパンなど日本が牽引

 映画館の体感型アトラクションシアター「4DX」を開発/提供しているCJ 4DPLEXは、全世界で4DX上映された作品の動員数が、2016年に1,500万人、興行収入2億ドルの過去最高成績を記録したと発表した。動員は前年比20%増、興行収入25%増になったという。

4DX

 4DXは、映画作品に合わせて動く座席や風/水/香りなど様々な特殊効果を備えた上映システム。2009年にCJ 4DPLEXが開発し、2016年は全世界で127スクリーンが導入。1年を通して毎週新たに2つのスクリーンが導入されたという計算になる。

 現在は全世界で44カ国350スクリーンに導入され、'16年には4DXの座席数も3万席から4万3千席へと増加した。 既に導入しているアメリカ、日本、中国で市場が拡大したほか、フランスやノルウェーといった新たな市場も開拓したという。国別の興行収入トップ5は、日本、韓国、中国、メキシコ、アラブ首長国連邦の順。1位の日本の割合は28%で、2位韓国の15%と大きな開きがある。

国別4DX興行収入トップ5と世界シェア

 日本では、 新たに16の4DXスクリーンが誕生。全国で49シアター、5,100席が稼働している。特に「ガールズ&パンツァー 劇場版」は4DX版も成功し、'16年2月20日から公開された4DX版が公開初週の週末成績で90%の客入りを記録。その後も何度も再上映された。

 アメリカで最大のシネコンチェーンのRegal Cinemasとパートナーシップ契約を締結。'16年にはRegal Cinemasがニューヨーク市にとって初となる2つの4DXシアターをオープンした。同社との合意により、'18年末までにアメリカでさらに17の4DXスクリーンを設置予定としており、合計20の4DXスクリーンが導入されることになる。最初の2つは、 シアトルとオーランドでオープンする予定。

 このほか、南カリフォルニアではCinepolis系列の2つの映画館ともパートナーシップ協定を結び、市場を拡大した。

 中国は、'15年末時点では50スクリーンだったが、'16年に61のスクリーンが追加され、合計で111となった。また、Wanda Cinemasとの契約により60スクリーンを増やすことを決定。SFC(上海フィルムコーポレーション)とも協定し、3年以内に20以上の4DXシアターをオープン予定としている。そのほか、Yaolaiの最重要都市でも4DXシアターをオープン。その中には、中国での興行収入がトップのYaolai Wukesong International Cinema Beijingも含まれている。

 ヨーロッパでは、フランスとノルウェー市場にも新たに進出。フランスのPathe、ノルウェーのNordiskと契約した。両社とも、'17年初頭に4DXスクリーンをオープンする予定。西ヨーロッパ、北ヨーロッパともに、'17年はさらに市場を拡大する計画。

 4DXを展開する韓国のCJ 4DPLEXは、ダイナミックなライド装置やシミュレーターの開発を行なうSIMULINEと合併。今後は、VRやアトラクション業界との事業の拡大を予定しているという。韓国では4DX VRを用いたハリウッドの映画予告を体験するイベントも初開催。 動く座席と特殊効果、VRヘッドセットによって、体感型の予告編を可能にしたという。今後、VRやアトラクション業界にも進出し、世界規模でビジネスを展開予定としている。