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シャープの新BDレコーダはUHD BD再生対応で9万円~。「4Kテレビのためのレコーダ」

 シャープは、Ultra HD Blu-rayの再生に対応したBDレコーダ「AQUOSブルーレイ」新モデルを3月24日より発売する。トリプルチューナを搭載し、HDD容量3TBの「BD-UT3100」、2TBの「BD-UT2100」、1TBの「BD-UT1100」を用意する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は3TBが12万円前後、2TBが10万円前後、1TBが9万円前後。

BD-UT3100

 シャープ製品で初めて4K/HDR対応の「Ultra HD Blu-ray」再生に対応したBDレコーダ。新開発のBDドライブや映像エンジン「4KマスターエンジンBD-PRO」を搭載し、UHD BD再生に対応したほか、番組表の高精細化や地デジ/BSのシームレスな番組表表示、操作レスポンスの高速化などの強化が図られた。UHD BDに対応しながら、価格を従来のトリプルチューナ機相当に抑えている点も特徴。

UHD BD再生対応の新AQUOSブルーレイ

UHD BD再生に対応。「4Kテレビのためのレコーダ」

 シャープ初のUHD BD搭載製品。BDドライブは、パイオニアと共同で開発し、ピーク時毎分5,000回転にまで上がるUHD BDに対応するため、防振スタビライザーを搭載。振動や風切り音を抑えるほか、防塵性も高めている。HDRやBT.2020の広色域、10,000nitまでの高輝度に対応し、HDR方式はHDR10をサポート。ドルビービジョンには対応しない。

新開発のUHD BDドライブを搭載。天板にUltra HD Blu-rayロゴ
防振スタビライザーの搭載などで、振動対策や防塵性能向上を図っている

 UHD BD/BD/DVD/CDの再生が可能で、録画番組のBD-R/REへのダビングに対応する。なお、UHD BDには録画規格が存在しないため、UHD BDへのダビングはできない。

BD-UT2100

 UHD BD対応にあわせて、新開発の映像エンジン「4KマスターエンジンBD-PRO」を搭載。海外のLSIメーカーと共同で開発したもので、UHD BDの高画質出力や放送や2K BDの4K/60pアップコンバート出力などを行なう。高速動作も特徴で、番組表の起動や操作レスポンスの向上、BDビデオの読み込み速度の高速化などが図られている。

4KマスターエンジンBD-PROで、高画質&高速化

 UHD BDドライブ開発にシャープも関わっているため、新エンジンのと相乗効果でUHD BDの読込みを大幅に高速化。シャープのテストでは競合製品より相当高速な読込みが行なえているという。また、エンジンの高速化は、JAVAを使った2K BDビデオの読込速度の改善にも寄与するとのこと。

6年前のAQUOS/AQUOSブルーレイでの2K BD再生(左)と新AQUOS/AQUOSブルーレイでのUHD BD再生を比較

 UHD BD対応が特徴の一つといえる新AQUOSブルーレイだが、UHD BD自体の認知率や普及率はまだまだ。そのため、4K/60pアップコンバートや4Kビジュアル番組表など、4Kテレビでの使いやすさをアピール。「4Kテレビのためのレコーダ」として、AQUOSとのセット販売やレコーダの買い替え需要を狙っていくという。

店頭展示イメージ。「4Kテレビのためのレコーダをアピール」

 9~12万円という実売価格は、「これまでのトリプルチューナモデルの価格レンジを踏襲した」(ディスプレイデバイスカンパニー デジタル情報家電事業本部 国内事業部 第二商品企画部(AV機器)課長の伊藤公宜氏)としており、UHD BD搭載をことさら強調せずに、上位モデルの基本機能と位置付けている。

UHD BD、4K/60p、4Kビジュアル番組表の3つの高画質/4Kで、「4Kテレビのための高画質レコーダ」

 HDMI出力は1系統のみで、UHD BDの出力には、HDCP 2.2対応のHDMIを備えた4Kテレビが必要となる。なお、HDCP 2.2非対応のAVアンプやサウンドバーへの音声出力のために光デジタル音声出力を備えている。

4K番組表は地デジ/BSがシームレスに。人物検索や放送局のオススメも

 HDD容量以外の主な仕様は3モデルで共通で、地上/BS/110度CSデジタルチューナを3系統装備。MPEG-4 AVC/H.264トランスコードによる長時間録画や3番組の同時録画、別売USB HDDへの録画も可能となっている。録画画質は従来のAQUOSブルーレイとほぼ同等とのこと。

BD-UT1100

 新プラットフォームの採用により、ユーザーインターフェイスを4K化。番組表も業界初という4K解像度の「4Kビジュアル番組表」とし、細かな文字も高精細に表示できる。初期設定は8チャンネルだが、5/8/11/14/17チャンネルから表示チャンネル数を選択可能としたほか、選択中の番組をポップアップで拡大表示する機能も追加している。

4Kビジュアル番組表
従来の番組表(左)と4Kビジュアル番組表(右)の比較

 地デジ/BS/CSをシームレスに表示可能になったことも特徴。番組表を立ち上げて、右にスクロールすれば、BSチャンネルが表示される。これにより、放送波を切り替えずに、地デジ/BSの番組表が確認可能になり、録画予約や番組選択にも利用できる。

 番組表の機能も拡充。G-GUIDEのデータを用いて、選択した番組の登場人物から、その人物が出演する番組をリストで表示し、録画予約などが行なえる。[有吉弘行]を選べば、放送予定の有吉弘行出演の番組を確認できるほか、インターネット接続があれば、人物の写真も取得できるため、直感的に好きな番組を探せるという。

人名検索
出演番組を絞り込み

 裏番組表も装備し、放送中の番組やその出演者も確認できる。また、ネットワーク経由で各放送局のおすすめ番組を取得・表示する「おすすめ・特集」も備えている。

裏番組表
おすすめ・特集

 新作連続ドラマを4週間分自動録画する「ドラ丸」も搭載。地デジドラマの新作だけでなく、BSも含めた新作ドラマの自動録画が行なえる。録画した新作ドラマは一覧表示が可能で、4週間分録画するため、放送後に話題になった番組も遡って視聴できる。録画後4週間経つと、古い番組から順次自動で消去。残しておきたい場合は、最終回まで続けて毎週予約/通常録画に切り替えられる。

ドラ丸

 ドラ丸で録画した番組は、番組ごとにサムネイル付きで自動で振り分けされ、新クールの番組を一覧できる。ドラマではなく、「新作連続アニメ」、「新作バラエティ」も選択可能だが、ドラマ、アニメ、バラエティのいずれか1種類しかドラ丸の利用はできない。

 録画した番組の再生時に、リモコンの[(ポップアップ)メニュー]を押すことで、録画番組を静止画から約5分ごとに子画面表示する「見どころポップアップ」も搭載。早送りしなくても、番組の見たいシーンを選んですぐに再生可能になる。AQUOSで視聴中の番組を最大90分さかのぼって視聴できる「AQUOSタイムシフト」にも対応する。

見どころポップアップ

 なお、新映像エンジンの搭載により、録画リストや見どころポップアップのサムネイル解像度も4倍とし、見やすさを向上している。

4K化にあわせて録画リストのサムネイルも見やすく

 Ethernetと無線LANを搭載し、外出先からのリモート予約やAQUOSリモートプレーヤ-などのアプリを使ったリモート視聴に対応。SeeQValutにも対応し、対応HDDを用いて録画した番組の引越しが行なえる。

リモコン

 ネットワークサービスは、アクトビラ4Kに対応。NetflixやYouTube、Huluなどの映像配信サービスには対応しない。AQUOSと機能重複することや、長期的なサポートの課題から、今回は4Kテレビ用レコーダとしての基本機能に絞って開発したという。

 消費電力はBD-UT3100が約34W、BD-UT2100/UT1100が約33W。外形寸法は430×229×57.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約3.3kg(BD-UT3100/UT2100)、3.1kg(BD-UT1100)。