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スマホを握ると撮影、ハイレゾ+NC対応「HTC U11」は6月発売。Alexaや独自AIも

 HTC NIPPONは、握ることでカメラやアプリの起動/操作ができ、ハイレゾやノイズキャンセルにも対応したAndroidスマートフォンのフラッグシップモデル「HTC U11」を、24日に国内でプレス向けに披露した。国内では6月下旬から発売予定で、詳細は販売する携帯キャリアから追って発表される見込み。2017年よりHTC NIPPONの社長に就任した児島全克氏らが、特徴などを紹介した。

HTC U11(アメイジング シルバー)

20周年で原点に帰った新フラッグシップ

 「HTC U11」は、5月16日に台湾本社で発表されたスマートフォンの新たなフラッグシップモデル。製品名の「U」は、「あなただけ(YOU)」という意味が込められており、今年20週年を迎えたHTCが、「原点に立ち返り、20年目にしてイノベーションの一つの歴史になるようなフラッグシップ」と位置づけている。

アメイジング シルバーの背面

 カラーは、アイス ホワイト(Ice White)、アメイジング シルバー(Amazing Silver)、サファイア ブルー(Sapphire Blue)、ブリリアント ブラック(Brilliant Black)の4色。OSはAndroid 7.1.1。ディスプレイは5.5型の「Super LCD5」で、解像度は2,560×1,440ドット。

 端末側面を握るとカメラを起動し、もう一度握ると撮影するといった「エッジ・センス(Edge Sense)」操作に対応したのが大きな特徴。「短く握る」と「握り続ける」2種類の操作に機能を割り当てることが可能。Google音声検索を使いたい時、人が周りにいても、「OK Google」と声を掛けずに本体を握り続けると起動。すぐに声で天気やWebの検索ができる。この操作には、カメラやGoogle音声検索のほかにも、スクリーンショット撮影や、ボイス録音などの機能を割り当てられる。

側面を握ってカメラを起動
握った時の機能の割り当て
アプリを指定できる

 握るのは本体側面のボタンが無いの下側の部分。設定画面で、個人の力に合わせて、どれくらいの強さで握ると認識するかの感度を調整することも可能。なお、付属のケースも側面部分を覆わないデザインとなっており、装着したままエッジ・センスを利用できるほか、市販されている手帳型のフリップケースでも、複数の製品で動作することを確認したという。

エッジ・センスの利用方法例
握る強さの調整が可能

 カメラは、メインが約1,200万画素CMOS、サブ(イン)が約1,600万画素CMOSで、インカメラの方が高解像度となっている。メインカメラはF1.7レンズを備え、「HDRブースト」や、フルセンサーのオートフォーカス「U ウルトラスピード・オートフォーカス」により、ピントの合った撮影を可能にする。4K(3,840×2,160ドット)動画の撮影にも対応。360度で集音できる4つのマイクにより、臨場感ある録音・録画が行なえるのも特徴。

背面カメラ
静止画撮影機能
動画撮影機能

 音楽再生は、「HTC U ソニック・ハイレゾ(U Sonic)」を搭載し、FLACやWAVなどに対応。USB Type-C端子を備え、付属イヤフォンとType-Cで接続。ステレオミニのヘッドフォン出力は搭載しないが、ステレオミニ-USB Type-Cのアダプタを同梱する。

付属のハイレゾ対応イヤフォン
USB Type-C端子に接続

 付属イヤフォンを使って、ユーザー個人の耳に合わせて約10秒で音響カスタマイズできる機能も引き続き搭載。さらに、付属イヤフォンでアクティブノイズキャンセリング(NC)にも新たに対応したのが特徴。NC機能は、音楽やビデオなどを再生している際に自動でONとなり、無音時はOFFとなる。ハウジングの耳穴側にNC用のマイクを備え、外から耳の中まで入ってきたノイズを検出、それと逆相の信号を出してノイズを打ち消す方式となっている。なお、付属イヤフォンは本体専用で、他のUSB Type-C搭載スマホやPCなどに接続しても利用できないという。

 USB Type-Cからのデジタル出力にも引き続き対応。別売OTGケーブルなどを介して、USB DACなどに出力し、より高音質な聴き方もできる。

イヤフォンを装着して音質カスタマイズ機能を測定
設定の適用前と適用後の違いを確認できる
NC機能に対応

Alexa対応予定、声で本人確認して動作

 AI学習によるレコメンド機能「センス・コンパニオン(Sense Companion)」や音声エージェントの「Google Assistant」に対応。さらに、「Amazon Alexa(アレクサ)」にもアップデートで対応予定。Web検索やショッピング、アラームの設定、ナビ機能、レストラン検索、カレンダーでのスケジュール確認、家電製品の操作などが、スマートスピーカー機器を必要とせず、HTC U11単体で可能になる。なお、日本におけるAlexa対応は、Amazonから日本語対応版のAlexaがリリースされた際に、ソフトウェアアップデートで実装される予定だが、時期は未定。

センス・コンパニオン機能

 HTCのセンス・コンパニオン機能は「控えめな人工知能」としており、他のアプリなどをアシストする役割を持つ。声紋認証にも対応し、例えばGoogle Assistantなどを利用する際に、本人の声でなければ動作しないようにできるという。このほかにも、AIを活用した独自技術で、自動でアプリを省電力化するといった機能も備える。

 CPUはSnapdoragon 835、RAMは4GB、ストレージメモリは64GB。microSDカードスロットを装備。IP67防水/防塵に対応する。外形寸法は、約154×76×8.3mm(縦×横×厚さ)、重量は約170g。

操作、デザイン、カメラ、音、それぞれの機能で最高峰

 '06年にHTC NIPPONに入社し、Windows Mobileスマートフォンや、日本初Androidスマートフォンの開発を手掛けてきた経験を持ち、'10年に再入社、'17年より社長に就任した児島全克社長は、同社の開発体制について「(他の製品を兼任せず)スマートフォンだけのエンジニアリングとデザインを担当するチームがあり、今回も新しい試みを行なっている」とし、握って操作する新たな「エッジ・センス」や、これまでの金属筐体から変更し、ガラスでくるんだようなデザインの「リキッド・サーフェイス」の採用などを紹介した。

児島全克社長

 カメラについても「一眼レフに遜色ない画作り」としたほか、音に関してもオーディオ協会からハイレゾ認証を受けている点や、個人の耳に合わせて音質をカスタマイズできる機能を紹介し、「それぞれの機能で世界最高峰」と仕上がりに自信を見せた。

4つの主な特徴
DxOMark Mobileで高評価