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クアルコム、スマートスピーカーや新DDFA、USB Type-Cヘッドフォン向け技術を発表

 クアルコムは、中国で6月14日に開催したVoice & Music Developer Conferenceにおいて、スマートスピーカーやワイヤレスヘッドフォン向けのプラットフォーム、次世代DDFAオーディオアンプなどの新技術を発表した。

発表された新たなプラットフォーム

次世代ワイヤレススピーカー/ヘッドフォン向けプラットフォーム

 大幅に処理能力が向上したというワイヤレススピーカー/ヘッドフォン向けのプラットフォームと、プログラマブルメモリーをサポートするプラットフォーム、高音質を実現するUSB Type-C接続によるオーディオ機器向けプラットフォームを発表。

 「CSRA68100」は、プレミアムクラスのワイヤレススピーカー/ヘッドフォン向けの高性能/プログラマブルなBluetoothオーディオシングルチップ。DSPの処理能力は前世代から4倍向上。32bitのアプリケーションプロセッサーを搭載する。

 次世代のAudio Development Kit(ADK) 6.0が含まれ、開発者はBluetooth SIG認定のアプリケーションプロファイル、マルチプロセッサーソフトウェア開発環境、ツールチェーン、オーディオDSPフレームワークを利用可能で、開発を効率化できる。

 「QCC3XXX」は、Bluetoothヘッドセット/スピーカー向けのエントリーレベルのプログラマブルなオーディオプラットフォーム。8種類のSoCがあり、3つはBluetoothスピーカー、5つはBluetoothヘッドセットをサポートする。エントリー向けながら、aptXオーディオ、cVcノイズキャンセレーション技術、TrueWireless Stereoなどの技術に対応する。

 「WHS9420」と「WHS9410」は、スマートフォンで3.5mmのヘッドフォン端子が省かれていることや、充電コネクタとしてはUSB Type-Cが採用されていることに合わせて開発した、USB Type-C接続のシングルチップオーディオプラットフォーム。ヘッドセットやスピーカーとのケーブル接続を想定している。

 WHS9420はUSB接続で192kHz/24bitのオーディオと高品質なDAC出力をサポートするANCを搭載。WHS9410はエントリーレベルの製品にも品質の高いオーディオパフォーマンスを実現するという。

次世代DDFAオーディオアンプ技術

 ワイヤレススピーカー、サウンドバー、ネットワークオーディオ、ヘッドフォンアンプなどのオーディオ機器向けの次世代DDFAオーディオアンプ技術を発表。

 DDFAのオールデジタルPWM(pulse width modulator)とクローズドループアーキテクチャーは、電源供給側と出力段での非線形性を補正することで、効率が高いクラスDアンプの利点に加え、高音質、設計の柔軟性も特徴としている。

 次世代DDFAは、8ch入力、2ch出力、マイクロコントローラー、DDFAコントローラー、設定可能なオーディオプロセッサーを含む「CSRA6620」でサポート。DSD 5.6MHzや、PCM 384kHzの入力に対応し、パッケージは9×9mmのQFN。小型機器向けに最適とし、高性能なオーディオを多くの新しい分野に提供可能にするという。

 QCA6620のSN比とダイナミックレンジは最大113dB(A-wt, 20Hz to 20kHz)。全高調波歪率+ノイズは0.005%以下(20Hz to 20kHz)、ノイズフロア変調は2dB以下(-60dBFS to 0dBFS)。残留雑音は35μVrms(1kHz)。

スマートスピーカープラットフォーム

 メーカーがスマートネットワークスピーカーの開発と商用化を加速できるという「Smart Audio Platform」を2017年第3四半期に提供開始する予定。「APQ8009」と「APQ8017」の2種類のSoC(System On a Chip)を用意し、幅広い製品分野向けに最適化されたスマートスピーカーを開発可能としている。

 同プラットフォームにより、応答性の高い音声起動やビームフォーミングによって離れた環境でも複数のマイクによる先進的な音声操作を実現可能。エコーキャンセル、ノイズの抑制などによって、ユーザーがスマートスピーカーから遠くにいて騒音が多い環境でも信頼性の高い音声インターフェイスをサポートするという。さらに、高音質コーデックのaptX HDもサポート。Bluetoothで24bitの高精細なワイヤレスオーディオを実現可能としている。

 メーカーの開発期間を短縮するシステムオンモジュールやリファレンスデザインがWistron、Compal、Quanta、Pegatronを含むODMから現在提供されている。APQ8009/APQ8017向けのDeveloper Platformはクアルコムから提供される予定。