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メガネスーパーのスマートグラス「b.g.」、量産に向けデザイン改良。新会社設立
2017年6月20日 18:42
メガネスーパーは20日、2017年4月期の決算説明会を開催。この中で、スマートグラス「b.g.(ビージー)」の'18年1月量産スタートに向けて、ディスプレイ部のデザイン変更を行なったことや、b.g.を含めた同社のウェアラブル新事業を担う新会社Enhanlabo(エンハンラボ)を5月1日付で設立したことを説明した。
「b.g.」は、ノンシースルー型の有機ELディスプレイ(1,024×768ドット)を搭載したスマートグラス。従来は左右にディスプレイが分かれていたが、新たにディスプレイ部を左右一体の横長デザインに変更して顔の中心に集約するデザインに変更。左右下方向など、使用者の足元が見えにくいという声を反映し、実視界とのバランスを考慮して広い視野を確保。安定した両眼視を提供するという。ディスプレイ部の軽量化も図る。
これまでのプロトタイプ機では左右の目の前に1つずつディスプレイ部を配置し、位置を変えることで人によって異なる瞳の距離・位置の調整に対応できたが、一体化した新デザインでも瞳孔間距離の調整が行なえるようになる予定。ディスプレイ部とiPhoneを組み合わせる本体部で構成する。
開発のキーコンセプトとして「視覚拡張」を掲げ、BtoB領域における生産性向上につなげることを目的としている。現在は量産仕様開発とパートナー/ソリューション開発を並行して進めており、'17年12月に開発者向けに納品し、対応アプリケーション開発をスタート。来年1月のウェアラブルEXPOでの実機披露の後、量産納品開始は’18年春〜夏を見込む。製造や倉庫・物流、医療などの業務用途を想定しているが、将来的にはコンシューマー向けの展開も予定している。
Enhanlaboの座安剛史社長は「(新デザインは)プロダクトとしてのクオリティを追求。より使う側の声を採り入れ、反映した。製造上の歩留まりの向上も見込める」とした。なお、今回新デザインの実機披露は無かったが、次回のウェアラブルEXPO(’18年1月)をメドに展示できるよう、開発を進めるという。
b.g.を使った新しい取り組みとして、東京ビッグサイトで6月21〜23日に開催される展示会「第28回設計・製造ソリューション」において、建設・建築業や製造業での工程管理システムを手がけるシムトップスとの共同デモンストレーションを実施。iPadで動作する電子帳票ソリューション「i-Reporter ver 6.0」の画面をb.g.に写して見ながら、作業者の声でデータを音声入力、ハンズフリーで作業を進められることをアピールする。なお、デモで使用されるb.g.は従来デザインのものとなる。
その他、ウフルIoTイノベーションセンターが運営する「IoTパートナーコミュニティ」に参加。「ウェアラブルWG(ワーキンググループ)」を立ち上げ、b.g.の量産デザインによる概念実証(POC:Proof Of Concept)も検討する。
事業拡大に向け持株会社設立。メガネスーパーなど傘下に
メガネスーパーが20日発表した'17年4月期決算('16年5月1日〜'17年4月30日)の売上高は178億9,200万円、営業利益は4億2,200万円、経常利益は3億3,600万円、当期純利益は1億1000万円。
第4四半期の売上高は、コンタクトレンズや通販事業の好調などを受けて、前年同期比21.4%増を達成。売上高総利益率は前年同期比で2.6ポイント定価の64.8%だが、第3四半期比では0.4ポイントの改善傾向となっている。
今後のメガネ市場拡大を見込み、事業基盤の強化のため、持株会社ビジョナリーホールディングスを11月1日付で設立。同業の買収や連携を進めていく。現・メガネスーパーの星崎尚彦社長が持株会社の社長に就任。傘下に「メガネスーパー」、「メガネハウス」、関西地区の販売体制強化に向けて設立する新会社「関西アイケアプラットフォーム」と、ウェアラブルなど新事業領域を手がけるEnhanlaboを置く。
Enhanlaboは、ウェアラブル端末事業領域で早期事業化を図ることを目的として5月1日に設立。別会社化の意義として、端末開発や事業成長に係る資金調達の自由度を確保できるとする。
メガネスーパーの星崎社長は持株会社の設立について、「メガネ市場は間違いなく大きくなる。低価格メガネに行ったお客様からは『安い眼鏡では疲れる、その分マッサージにお金がかかっている』と聞いている。シニアマーケットや若年層の一過性老眼に対するニーズも増えている。一方で地域のメガネ屋が弱っており、アイケアカンパニーとして一緒にやりませんか、というお声がけをしている。ビジョナリーホールディングスはそうした方々が参加しやすいプラットホームになると確信している」とコメント。
また、b.g.については「電子機器としての(スマートグラスへの)アプローチはたくさんあるが、アイケアという観点から開発している会社はほとんどない。b.g.ではメガネ屋だけではできなかったこと、ユーザーの悩みなどの課題を網羅的に解決できると考えており、大きな期待をしている」と話した。