「第23回日本ゴールドディスク大賞」はEXILE。二連覇達成

-14人新生EXILEで登場。綾小路きみまろに特別賞


第23回日本ゴールドディスク大賞の受賞者

3月2日開催


司会者は通算16回目となる赤坂泰彦さんに加え、久保純子アナウンサーが務めた。久保純子アナウンサーは、第18回以来となる

 社団法人 日本レコード協会(RIAJ)は3日、東京国際フォーラムで「第23回日本ゴールドディスク大賞」授賞式を開催した。

 日本ゴールドディスク大賞の特徴は、「レコード(CD)の総出荷数から返品数を差し引いた、正味売上数字」を選定基準として、審査などの判断は含まれていないこと。同協会では正味売上数字についても、「第三者機関の公認会計士の監査によって厳正に確認されている」としている。

 第23回目となる2008年度は、2008年1月1日~2008年12月31日までの全作品の売上数を集計。この1年間で発売された作品の売上金額の合計が最も多いアーティストに授与される「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」や、期間中にデビューしたアーティストで、その作品の売上金額合計の上位10位まで(洋楽は上位3位まで)のアーティストに授与される「ザ・ベスト10ニュー・アーティスト」、期間中に発売したシングルで最も売上が高い作品に授与される「シングル・オブ・ザ・イヤー」などの各賞が用意され、今年はのべ82組が受賞した。

 なお、全受賞作品・アーティストの一覧は、RIAJのサイトで公開されている。

 日本ゴールドディスク大賞の授賞式は'92年から2006年までは、NHKホールで開催され、一般の観覧者を応募者の中から抽選で招待し、受賞者がライブを行ない、NHKで放送するという大掛かりなイベントとなっていた。しかし、2007年(第21回)と2008年(第22回)は、会場をホテル(2007年赤坂プリンスホテル、2008年はグランドハイアット東京 )に移し、受賞者と関係者、報道関係者のみが参加する授賞式に構成が変更された。

 


trf

 今回の授賞式は、会場を東京国際フォーラムとして、ライブパフォーマンスが復活。TOKYO FMの携帯サイトや、WOWOWのWEBサイトに応募した約1,200人が招待された。ただしライブの模様は、以前のようにNHK独占放送ではなく、TOKYO FMで生放送されたほか、3月10日19時よりWOWOWで放送される予定。

 2年ぶりのライブパフォーマンス復活ということで、第9、10回で大賞を獲得した「trf」が、「寒い夜だから」と「EZ DO DANCE」のスペシャメドレーで幕を開け、会場を盛り上げた。

第9、10回で大賞を獲得した「trf」がオープニングアクトを務め、オープニング盛り上げた


「ニュー・アーティスト・オブ・ザ・イヤー」を受賞した羞恥心は、ビデオでコメントを寄せた

 期間中にデビューしたアーティストで、作品・楽曲の売上金額合計の上位10組までに贈られる「ザ・ベスト10ニュー・アーティスト」には、アラジン、GIRL NEXT DOOR、キマグレン、木山裕策さん、九州男、ジェロ、清水翔太さん、羞恥心、flumpool A-Sketch、Lil'Bが選出。なお、期間中にデビューしたアーティストは387組。

 その中で、売上金額の合計が最も多いアーティストに贈られる「ニュー・アーティスト・オブ・ザ・イヤー」は、羞恥心が受賞した。「ニュー・アーティスト」は、他の賞と異なり、デビューした年の一回しか受賞のチャンスがない、アーティストにとっては貴重な賞。

 授賞式には羞恥心は欠席したが、ビデオでコメントを寄せ「まさかこのようなすばらしい賞を夢にも思っていなかったので、とってもうれしいです。人間的にこういう賞を獲れるようにがんばります」と喜んだ。また、キマグレンや、ジェロ、GIRL NEXT DOOR、木山裕策、Lil'Bが授賞式に駆けつけ、ステージで楽曲を披露した。

キマグレンは、ザ・ベスト5・PC配信ソングも受賞。この1年で変わったのは、「カップラーメンが、普通のラーメンになったこと」
ジェロは、ザ・ベスト・演歌/歌謡曲・アーティストも受賞した
Lil'B
木山裕策さん
GIRL NEXT DOORの千紗さん(ボーカル)、井上裕治さん(ギター)、鈴木大輔さん(キーボード)


綾小路きみまろさん。ホームグランドとは異なる客層に、戸惑い気味だった

 また、2002年9月に発売したアルバム「爆笑スーパーライブ第1集!中高年に愛をこめて…」が、発売から6年2カ月で100万枚を突破したことを称えて、綾小路きみまろさんに「特別賞」が贈られた。6年越しで、同じアルバムが、二度目の受賞するのは初めて。

 ステージに登場した、綾小路きみまろさんは「気力のない拍手をいただき、ありがとうございます。中高年のアイドル、綾小路きみまろでございます」と自己紹介。

 「地球は温暖化、私は漫談家。りっぱな中高年、朝元気、昼まま、夜ぐったり。中高年、歯がない、毛がない、先がない。毛が抜ける、歯が抜ける、抜けないのは疲れだけ。まさか、自分が58になって、このような賞をいただけるとは、夢のような気分でございます」とネタを披露しながら、喜びを表現した。


● アーティスト・オブ・ザ・イヤーは、EXILEが2連覇

新生EXILEのメンバー14人全員で登場した

 毎年受賞式の最後に発表される今年度の「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」は、邦楽部門は2連覇となるEXILE、洋楽部門はマドンナが受賞した。

 EXILEは2008年に、アルバムを4,212,647枚(前年2,338,242枚)、シングル870,048枚(同1,123,798)、ビデオ0枚(同233,938)、配信9,930,181(8,499,430)ダウンロードを達成。マドンナはアルバムを314,595枚、シングル0枚、ビデオ0枚、配信1,005,523ダウンロードを売り上げた。両アーティストとも配信ダウンロード数が、他の3メディアの売り上げ枚数の合計の2倍以上となっており、すでに音楽分野では媒体が配信に移行していることが伺える。

 EXILEは、3月1日に弟分のJ Soul Brothersのメンバー7人と合体し、新たに14人体制に生まれ変わると発表し、世間を驚かせた。授賞式には、14人体制の新生EXILEとして、全員が登場した。パフォーマンスこそなかったが、新生EXILEの姿をファンに初めて生で披露した。

リーダーのHIROが新生EXILEの決意を語った

 EXILEにには、RIAJ会長 石坂敬一氏よりトロフィーを贈られたほか、同賞の第1回受賞者である中森明菜さんから花束も送られた。1987年の授賞式以来のステージ登場となった中森明菜さんは、「歌も踊りも素晴らしい。おめでとうございます」と祝福。

 花束を受け取った、ATSUSHIは「本当に光栄な賞を連続でいただき、ありがとうございます。新しい形で活動していくことを発表しましたが、これからも、エンターテインメントを追求して恩返ししていきたい」と受賞を喜んだ。

 リーダーのHIROが「皆さまの応援のおかげですてきな賞を頂くことができました。この賞に恥じない最高のエンターテインメントを肝に銘じ、ファンのみなさんに必ず恩返しします。14人になって不安に思う人もいるかもしれませんが、絶対いいパフォーマンスをお見せしたいと思うので、期待していてください」と決意を語った。

RIAJ会長 石坂敬一氏からトロフィーが手渡された1987年の授賞式以来のステージ登場となった中森
明菜さんから、花束が贈られた


 
【授賞式に出席したアーティスト】
青山テルマ feat. SoulJaの「そばにいるね」は、「着うたフル」ソング・オブ・ザ・イヤー、PC配信ソング・オブ・ザ・イヤーの配信部門の二冠を達成した
企画・アルバム・オブ・ザ・イヤーの洋楽部門を「DJ KAORI'S RAGGA MIX」で、ザ・ベスト・ミュージック・ビデオを「DJ KAORI'S INMIX DVD」で獲得した、DJ KAORI
東儀秀樹さんは、純邦楽・アルバム・オブ・ザ・イヤーを「Every Little Life~生きとし生けるものへ~ 」で受賞
クラシック・アルバム・オブ・ザ・イヤーの邦楽部門は「image7」が受賞。代表して、宮本笑里さんが、「Les enfants de la Terre」を披露した
ザ・ベスト5「着うた」ソングの邦楽部門を受賞した、JUJU feat.Spontania
秋元順子さんは、ザ・ベスト・演歌/歌謡曲・アーティスト特別賞を受賞
山中千尋さんは「アフター・アワーズ」で、ジャズ・アルバム・オブ・ザ・イヤーの邦楽部門を獲得。「電話で連絡受けたんですけど、間違い電話だと思ってそのまま無視しました」と山中千尋さん。なお、2008年に日本で発売されたアルバムは、15,823タイトル
ザ・ベスト・演歌/歌謡曲・アーティストは、ジェロとともに、氷川きよしさんがデビューから9年連続シングル・オブ・ザ・イヤーの洋楽部門は、「ウッーウッーウマウマ(゜∀゜) 」が獲得した久石譲さんは、「崖の上のポニョ」でサウンドトラック・アルバム・オブ・ザ・イヤー、「Piano Stories Best 88-08」でインストゥルメンタル・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞


(2009年 3月 4日)

[AV Watch編集部 古川 敦]