地デジ移行支援は「簡易チューナの現物支給」で対応

-NHKの受信料免除世帯を対象に


3月17日開催


 総務省の情報通信審議会 情報通信政策部会において、「地上デジタル放送推進に関する検討委員会」の第44回が3月17日に開催。経済的な理由で地上デジタル放送を受信できない世帯への受信機購入支援に関して、同委員会内の検討ワーキンググループから最終報告が行なわれた。

 また、2011年のアナログ放送終了に向けたリハーサルを行なう地域の選定や、実施時期などを検討するために設置される「アナログ放送終了リハーサル推進委員会」の概要も発表された。


■ 地デジ受信機購入支援の方法

 支援の対象となるのは、「経済的な理由により、必要最小限の対応すらできずに、テレビが視聴できなくなり、災害時も含めた必要な情報をこれまで得ていたのに得られなくなる」世帯。「最低限の機能のものに限定して支援を行なう」としている。実施期間は2009年度から2011年度。

 支援は、申込みに応じて、簡易チューナの現物支給で行なう。戸建て住宅などでアンテナが必要な場合は、室内アンテナの無償給付やアンテナなどの無償改修も含まれる。共同受信施設を利用する場合は、改修経費のうち、各世帯が負担する金額を給付する。なお、チューナを所持しており、アンテナが未対応の場合は、アンテナ改修等のみを支援するという。

 「これまでアナログ放送を視聴していたことが前提で、NHKと受信契約していることを確認した上で支援を行なう必要がある」とし、テレビは自己調達すべきとしている。「既存の放送制度との整合性を考慮すると、NHK受信料全額免除世帯を対象とすることが適当」としている。

 チューナは、対象となる1世帯につき1台給付(譲渡)され、返還は不要。ただし、転売などへの対策として「一定期間(例えば給付後5年間程度)は処分制限を行なうべき」としている。


■ アナログ放送終了リハーサル推進委員会を設置

 アナログ放送終了の周知と、終了に向けた課題の抽出や、その対応を明らかにすることを目的とし、2009年度内にアナログ放送終了のリハーサルを行なうことが「デジタル放送推進のための行動計画(第9次)」で定められた。実施期間は、2009年3月11日から2010年度末まで。

 これを踏まえ、リハーサル実施地域や、ブルーバック/停波などの実施時期、実施地域における受信機購入など消費動向の把握/分析といった事項を検討する委員会が設置される。委員会には、総務省のほか、NHKや在京民放5局、日本ケーブルテレビ連盟、JEITA、Dpaなどが参加する。



(2009年 3月 26日)

[AV Watch編集部 中林暁]