Sony、4Kビデオ作成も可能な編集ソフト「Vegas Pro 9」

-Blu-ray作成対応。XDCAM EXやAVCHD、RED ONEをサポート


6月上旬発売

標準価格:60,900円~102,900円


 米Sony Creative Softwareは、業務向けビデオ編集ソフト「Vegas Pro 9」の日本語版を6月上旬に発売する。価格は、通常版が102,900円、乗換え版が81,900円、アカデミック版が60,900円。対応OSはWindows XP/Vistaで、Vistaの64bit版もサポートする。

パッケージ内容

 「Vegas Pro 9」は、XDCAMやHDV、AVCHDなどの動画に対応したノンリニア編集ソフトと、Blu-ray Disc/DVDオーサリングソフト「DVD Architect Pro 5」、ドルビーデジタルのプロ向けエンコーダなどをセットにした映像制作業務向けのパッケージ。米国でNAB 2009で発表され、日本での販売はフックアップが担当する。

 新たに、最大4,096×4,096ドットまでのプロジェクト作成が可能になったほか、XDCAM EX をネイティブでサポート。「RED ONE」で撮影した動画(.r3d)も利用可能になった。そのほか、OpenEXRやDPXなどのフォーマットにも対応している。また、ギガピクセルサイズの高解像度静止画も利用可能になった。エフェクトでは、グラデーションワイプトランジションに対応した。

 オーディオ面では、フレームの境界にクオンタイズすることなく音声を配置できるようになったほか、トリマーウィンドウにおいて、オーディオストリームやチャンネル選択が追加された。

 ユーザーインターフェイスは、背景を従来の白に近いカラーから、グレーに近いダークカラーに変更。「色補正をしやすくした」としている。また、新採用の「デバイス エクスプローラ ウィンドウ」では、XDCAM EXやAVCHDなど、ファイルベースのカメラをUSB接続した際に、カメラに記録された動画をサムネイルで表示可能。そのままタイムラインにドラッグ&ドロップして編集できる。

背景色がダークカラーになった

ビデオ面の主な新機能

オーディオ、UIの新機能

カメラ内の動画をサムネイル表示できる「デバイス エクスプローラ ウィンドウ」。タイムラインにドラッグ&ドロップして編集できる

Vegas Pro Production Assistant

 前バージョンでも対応していた32bit浮動小数点処理は機能を拡張。8bitで高速に作業してから32bitモードに変更して高精度なレンダリングが行なえるほか、カラーバンディングを抑えた滑らかな階調表現など多くの調整機能が利用できる。

 従来バージョンと同様に、複数のフォーマットを混在したままで編集が可能。一連の機能をデモ形式で説明するチュートリアルも用意している。ビデオエフェクトは190以上、トランジションは175種類用意している。

 また、Vegas Pro 9または8で利用できるプラグインなどのセット「Vegas Pro Production Assistant」も別売で用意。価格は26,250円。

対応するファイル形式XDCAMなどプロ用からPSPなどコンシューマ向けまで幅広い形式で書き出せる動作環境


■ 映像作家も認める軽快な動作

Vegasを使用しているという映像作家、ふるいちやすし氏

 発表会では、映像作家の、ふるいちやすし氏がデモを担当。Final CutとともにVegas Pro 8も仕事で使っているという同氏は、Vegasの軽快な動作に注目。「一定の範囲をループさせながらディゾルブのカーブを調整し、確認するといった作業が、レンダリング無くフルフレームで行なえる。編集する人間にとって心強い」とユーザーならではの感想を述べた。

 また、音楽製作も手がける同氏は、音声編集のデモも行ない、「映像を扱う製品でここまで充実したミキサー画面が使えるものは知らない」と感心していた。



(2009年 5月 14日)

[AV Watch編集部 中林暁]