CEATEC JAPAN 2009【DLNA編その2】
パケットビデオはiPhoneやAndoridをDLNAリモコンに
Windows 7の[Play to]機能も訴求
■ パケットビデオはiPhone/AndroidをDLNAリモコンに
パケットビデオのブースでは、同社のDLNAソリューションTwonkyMediaの展示が行なわれている。
TwonkyMediaは、DLNAソリューションの総称で、サーバー(DMS)とクライアント、家庭用メディアサーバーソフト「TwonkyMedia manager」などから構成される。サーバーはLAN HDDなどに、クライアントはテレビやSTBメーカーなどにSDKの形で提供され、DLNAガイドラインに規定されたサーバー、レンダラ、コントロールポイントの3ボックスモデルに対応できるという。
TwonkyMedia managerは、39.95ドルで発売されており、DLNAサーバーとして動作するほか、別のDLNAサーバーのコンテンツ再生も可能。さらに、YouTubeやFlickrなどのサービスにも対応し、同一ネットワーク上の他のDLNAクライアントからTwonkyMedia managerを経由してYouTubeなどを再生できる。対応OSはWindows XP/Vista。
DLNAソリューションとしてはRovi(旧Macrovision)やデジオンのDiXiMなどもあるが、こうしたネットサービス対応がTwonkyMediaの特徴の一つという。
TwonkyMedia manager | 各種DLNA機器でTwonkyMedia上のコンテンツの蓄積、再生ができる |
また、同社の強みとしては携帯電話対応が挙げられる。7月にはNTTドコモがパケットビデオの発行済株式の約35%を取得しており、メディアプレーヤーソフト「CORE(pvPlayer)」が90以上のドコモの携帯電話に採用されているなど、携帯電話向けのソフトウェア開発/ライセンス事業が同社の大きなビジネスになっているためだ。
Android搭載のHT-03AっでDLNA機器をコントロール。サーバー選択画面 |
現在、iPhoneやGoogleケータイこと「HT-03A」などのAndroid OSの携帯電話向けのアプリケーションを開発中。こうしたスマートフォンなどをDLNAのDMC(デジタルメディアコントローラ)対応とし、ホームネットワーク内の“リモコン”として利用可能とする。
ブースでは、HT-03Aでサーバー機能を持ったパソコンやLAN HDD上のビデオを選択し、DLNAのデジタルメディアレンダラー(DMR)対応のSamsung製テレビに出力するというデモを実施。DLNAに準拠した機器に対してスマートフォンをリモコン的に活用できる。また、HT-03AのTwonkyMediaもサーバー/レシーバーとして動作するため、他の機器の映像をHT-03Aで見るなどの利用も可能となる。
iPhoneやAndroid用のアプリの提供については、基本的に携帯電話メーカーなど向けを想定している。各スマートフォンのアプリケーション販売サイトである「AppStore」や「Android Market」などでの個人向けの販売については現時点では未定としている。
メディアタイプはビデオを選択 | DMRへの出力を選択 | 出力機器を選択 |
テレビに出力された | 再生/停止などの操作が行なえる |
また、本田雅一氏のレポートでも紹介している、TwonkyMedia Beamというソフトウェアのデモも行なっている。これは、Webブラウザ(Internet Explorer 6以降)にアドオンとして追加し、Webブラウザ上の画面をDMR対応のデバイスでストリーム表示可能とするもの。
IEに表示したYouTubeやFlickerなどのネットワークサービスの動画や画面を、DMR機器へストリーム出力が能となるほか、早送りや再生、停止などの操作もブラウザ上から行なえる。
TwonkyMedia Beam。デバイスの選択などが行なえる | テレビにWebサービスの画面を出力 |
■ RoviはWindows 7のPlay to機能をアピール
DLNAブースのRoviの展示 |
DLNAブースには、Rovi(旧Macrovision)が出展しており、Windows 7との親和性をアピールしている。
Roviが紹介しているのは、Windows 7の新機能「Play to」だ。Windows 7ではDLNA 1.5に標準対応し、DLNAのDMR機器を制御可能とするDMC(デジタルメディアコントローラー)として利用できる。
これを使うのが「Play to」で、Roviのデモでは、Windows 7パソコンのほか、DLNAサーバーにバッファローのNAS、出力先(DMR)にオンキヨーのAVアンプ「TX-NA5007」を使用している。オンキヨーのTX-NA5007/NA1007は、Windows 7の「Compatible with Windows 7」ロゴを取得した初の製品だ。
今回のデモではWindows 7のパソコンのWindows Media Playerから、バッファローのLAN HDD上の楽曲を選択。通常、Windows Media Playerで音楽を再生するとパソコンのスピーカーから音が出力されるが、ここでWMPの右クリックメニューから[Play to]を指定すると、出力機器としてTX-NA5007が表示される。これを選ぶとTX-NA5007からLAN HDD内の楽曲再生を行なえるようになる。つまり、Windows 7パソコンを家庭内DLNA機器のリモコンとして活用できる。
ただし、DLNAのクライアント機器でも、DMRに正式に対応したものは多くない。そのため、Microsoftでは、対応機器向けのライセンスプログラムを用意し、そのテストに通過したものを対応製品として訴求していく方針だ。
Windows Media Playerで右クリックし、Play toを選択 | パソコンのスピーカーではなくTX-NA5007から音が出力される |
(2009年 10月 7日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]