CEATEC JAPAN 2009【DLNA編】

Windows 7から地デジをDTCP-IP配信するDiXiM
ピクセラはホームネットワーク構想や超解像も


DLNA関連の展示を集めたコーナーが用意されている

会期:10月6日~10月10日

会場:幕張メッセ

入場料:大人1,000円/学生500円
    (事前登録で無料/最終日は無料)

 


■ DigiOn

 DigiOnのブースでは、単体販売が開始されているDTCP-IP対応プレーヤーソフトの機能拡張版「DiXiM Digital TV plus」を参考展示している。

 「Digital TV」は、BDレコーダなどで録画したデジタル放送の番組を、ネットワーク経由でPCから再生するためのソフト。DTCP-IP対応のプレーヤーソフトはこれまで、メーカー製PCにプリインストール/バンドル提供されていたが、7月に初めて「Digital TV」として単体販売が開始。アイ・オー・データ機器と日本インテリジェンスのサイトで、ダウンロード価格4,980円で販売されている。

 「DiXiM Digital TV plus」は、デジタル放送の再生に特化した「DiXiM Digital TV」に、通常のDLNAクライアントが持つ、著作権保護がかけられていない動画や音楽、静止画コンテンツの再生機能を追加したもの。

DiXiM Digital TV plus著作権保護がかけられていない動画や音楽も再生できるようになった

 さらに、DLNAのDMR(デジタルメディアレンダラー)としても動作するようになる。これは、DMC(デジタルメディアコントローラー)という機能と組み合わせて使うもので、DMC機能を持った機器から「この動画を“Digital TV plus”で再生しなさい」という指令を受信し、それに従って再生できるというもの。

 例えば、DMC機能を持ったPCから、別の部屋にあるPCのDigital TV plusに対して指令を出すと、リモートで離れたPCの画面上に、任意の動画を表示するといった使い方もできる。なお、「Digital TV plus」は、指令を出す側の「DMC」機能にも対応。さらに、DLNAサーバーにコンテンツをアップロード/ダウンロードする機能にも対応予定。

DMCに対応した他のPCから、再生先としてDiXiM Digital TV plusをインストールしたPCを選択したところDiXiM Digital TV plusもDMCに対応。再生先の機器を選択できる

 開発は進んでおり「近いうちに詳細を発表したい」という。価格は未定だが「現在の価格(4,980円)よりも少し高くなる程度」としており、5,000円~6,000円程度になる見込みだ。従来ユーザーに対するアップデートに関しても「検討したい」という。

DiXiM Media Server for Media Center TV。Media Centerに機能を追加するソフトであるため、外観的にはMedia Centerから変化は無い
 Windows 7に関連した新ソフトも紹介している。Windows 7はMedia Center機能で地上/BS/110度CSデジタル放送に対応しており、PCにチューナカードなどを追加することで録画が可能になるが、録画コンテンツをDLNA配信するためのDTCP-IPには対応していない。

 そこでDigiOnが開発したのが「DiXiM Media Server for Media Center TV」。Media Center機能へのプラグインソフトのようなもので、このソフトをインストールすることで、録画コンテンツのDLNA配信が可能になるという。

 Windows 7の発売と共に、各社から登場すると思われるWindows 7対応のデジタルチューナカード製品にバンドルソフトとして提供される。同社ブースではほかにも、Windows Vista PC上でテレビチューナーカードと連動し、録画したデジタル放送をDTCP-IP配信、およびDTCP-IPダビングする「DiXiM Media Server」や、NAS用のサーバーアプリで、DTCP-IPダビングの送受信や、スカパー! HD録画にも対応する「DiXiM Media Server for NAS」などのソフトウェアを紹介している。


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【5月14日】【RT】RC版から見るWindows7のAV系機能
~設定が容易でトランスコーダも優秀。DTCP-IPは「見送り」~
http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/rt/20090514_168528.html


 

■ アイ・オー・データ

 アイ・オー・データ機器は、LAN HDDの新製品「HVLP-G1.0」を参考出展している。1TBのHDDを内蔵し、スカパー! HD録画や、DTCP-IPムーブ/ダビングに対応したLAN HDDで、DLNAサーバーとして動作する。

 特徴は2.5型HDDを採用して大幅な小型/薄型化を実現したことで、外形寸法は126×130×26mm(幅×奥行き×高さ)。薄型化によりAVラックの隙間に設置できるほか、2.5インチHDDの採用により、ファンレス化と省電力化も実現している。

 基本機能は同社の既発売の3.5型HDD搭載製品とほぼ共通。デジオンの「DiXiM Digital TV for I-O DATA」を内蔵し、これらのネットワークサーバー機能を実現している。LANのインターフェイスは100BASE-T Ethernet。発売は2010年早々を見込んでいるが、価格については「1TBの2.5型HDDの出荷が開始されたばかりで、まだ価格が高いのでその動向次第」とのこと。

HVLP-G1.0薄型/コンパクトな筺体が特徴


■ ピクセラはホームネットワーク構想や超解像など

ピクセラのホームネットワークデモ
 ピクセラのブースでは、PCを中心としたホームネットワークソリューションのデモを行なっている。

 RecALLと呼ぶホームサーバーを中心に、タッチパネルを備えたコントローラや、デジタルテレビ、パソコン、PlayStation 3などを接続し、サーバー内のコンテンツを共有するコンセプト。

 RecALLはデジタル放送を多チャンネル録画するサーバー。好きなタレントやジャンル、記念日、新着情報などのユーザーの嗜好を分析しながら、各種ネットワーククライアントに適した形式に変換し、伝送する。このコンテンツの管理のために、「デジタルメディアコントローラ」と呼ぶタッチパネルリモコンを使い、家庭内のコンテンツを一元管理できるという。

 ピクセラでは、テレビ向けの組み込みプラットフォームや、PC向けのチューナやアプリケーションなどを手掛けており、これらをネットワーク対応させ、付加価値として訴求する方針。そのため、コンセプトを披露し、どういった形が最適なのか顧客やユーザーの意見を聞きながら、展開していくという。


デジタルメディアコントローラ。今回のデモではPCにソフトウェアを実装しているデジタルメディアコントローラからテレビなどに映像出力PCネットワークの将来像

  また、NVIDIAのGPUを利用したソフトウェアプラットフォーム「CUDA」に対応したフルHD 超解像技術のデモも行なっている。CUDAにおいては、NVIDIAが開発した超解像のAPIも用意されているが、ピクセラものはそれとは別開発のもので、1枚超解像技術を採用している。

 デモは、Everio向けに提供している編集/管理ソフト「Media Browser」上で行なっており、SDからHDへの超解像処理と、HDの高画質化を確認できる。単純なスケーリングやシャープネス強調に比べて、自然な精細感を出せるほか、輪郭の偽色などの発生を抑え、高画質化できる。

 同社では以前は専用ボード(FPGA Cyclone III)で超解像処理を実現していたが、パソコンのGPU向けに普及しているCUDAを利用することで、より利用できるユーザーの幅を拡大したいという。

ピクセラの超解像の概要超解像のデモ。画面左側がSD映像を超解像でHD化したもの


(2009年 10月 7日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉/ 山崎健太郎]