「Xactiブロガーイベント」開催。iFrame対応も明らかに

-林信行氏らがパソコンとの親和性やコンパクトさを評価


2月17日開催


 三洋電機は、「Xacti」デジタルムービーカメラとリニアPCMレコーダの新製品をブロガー向けに説明する体感会を、2月17日に開催した。

 このイベントは、パソコンとの親和性が高いことを特徴とするXactiのマーケティング活動の一環として、ブロガーを招待して行なわれた。ゲストに、ジャーナリスト・ITコンサルタントの林信行氏や、「アルファブロガーアワード2009」にノミネートされたジェット☆ダイスケ氏らを招き、Xactiの使いこなしなどを紹介した。また、新Xacti(DMX-CS1/SH11)で採用されている撮影モード「★」について、アップルが提唱するフォーマットのiFrame向けに用意したことなども明らかにした。

 Xactiは、1月にフルHDモデルの新ラインナップが発表され、最薄部27mmというコンパクトモデル「DMX-CS1」(2月19日発売/実売4万円前後)や、30倍アドバンストズーム対応の「DMX-SH11」(2月下旬発売/実売6万円前後)、“ダブルレンジズーム”搭載の「DMX-CG110」が加わった。これらの新製品を発売前にブロガー向けに披露。

DMX-CS1DMX-SH11DMX-CG110

三洋電機の塩路昌宏氏
 新製品について説明を行なったのは、「ミスター・ザクティ」こと同社デジタルシステムカンパニー DI事業部 DI企画部 DI企画課の塩路昌宏課長。2010年のXactiが目指したものについて「SLIM」、「COMPACT」、「ALL FULL HD」の3つのキーワードを挙げた。

 一見フルHDモデルとは思えないほどコンパクトなCS1が生まれた背景については、「とにかくスリムにする、ということから始まった。この形状は、まずは中身を考えずに、とにかくカッコいいものを、という社内のデザインコンペでできたもの。それに機能を入れるのに、開発陣も苦労した」という。

 小型化を実現した大きな要素は、小型化したレンズとCMOSセンサー。「レンズを薄くしすぎて、レンズからイメージセンサーのフチが外れ、センサーをパッケージに入れられなかったので、中身を取り出してモジュール化した」という裏話も明かした。

従来モデルから大幅な小型化を行なっている横型の「SH11」は30倍アドバンストズームを搭載している
ダブルレンジズーム搭載の「DMX-CG110」は、天面にズームレンジの切り替えボタンを装備

 また、約1,440万画素CMOSを搭載するCG110のユニークな機能として、本体ボタンでズームのレンジを切り替えられる「ダブルレンジズーム」を搭載している。

 この機能は、Xactiの3モデルで搭載している「アドバンストズーム」のように、ズームに応じて撮像エリアを変えることで、画質を劣化せずに実質的なズーム倍率を上げられることを利用したものだが、ワイド端で撮像素子を広く使おうとする場合でも、今の技術ではCMOSからの14Mものデータをそのまま転送することはできないため、縦横に4画素を混合して、容量を減らして転送しているという。

 塩路氏は、「8mmビデオでターレットレンズを回転させて画角を切り替えるように、デジタル一眼でレンズを交換するようにズームレンジを変えられる」と説明した。レンジの切り替えは動画の撮影中でも行なえるとのことで、これを利用すれば、一気に対象に近づく、または離れるといった撮影もできるという。

ダブルレンジズームの説明ワイド側(左)とテレ側(右)を瞬時に切り替えられる
これまでのXactiシリーズの展示も6マイクを内蔵したというXactiボイスレコーダの新製品「ICR-PS605RM」。2月下旬発売で、4GBモデルの店頭予想価格は2万円前後Xactiからダイレクトにファイルを取り込めるアイ・オーの外付けHDDなど、周辺機器を紹介するコーナーも用意されていた


■ 林信行氏がiFrame対応を歓迎。Win/Mac双方に親和性

 新製品の説明に続いて、ゲスト3人を招いたパネルディスカッションを開催。様々な媒体で最新トレンドやライフスタイルなどの情報を発信するジャーナリスト・ITコンサルタントの林信行氏と、ビデオブロガーでアーティストのジェット☆ダイスケ氏、マイクロソフトのプロダクトマネージャーである内河恵氏が来場した。

林信行氏
 Macに関する深い造詣で知られる林氏は、「イベントなどでMacユーザーが集まる場所に行くと、ほとんどがXactiを使っている」と、XactiのMacとの親和性の高さを説明。早い時期からQuickTimeに対応してきたことなどを評価した。実際に、会場でMacユーザーの数を尋ねたところ、参加したブロガーの半数近い手が挙がった。

 新モデルのXacti(CS1/SH11)では、アップルがiMovieで採用するビデオフォーマットのiFrameに対応(アップルの認証取得手続き中)としたことに触れ、iMovieで扱うときにファイルのコピーが速いことや、プレビューがすぐに見られることなどをデモを交えて説明した。

 iFrameへの対応は、1月の米国でのCESで発表されていたが、日本での発表時は明らかにされていなかった。この方式にはCS1とSH11が対応しており、撮影メニューの「★」マークで表示される960×540ドット/30p/24Mbpsの記録モードがこれに相当する。なお、このモードで撮影した動画ファイルについては、小寺氏の連載で使用感などをレビューしている。

 「外に持ち歩くのにいい」というジェット☆ダイスケ氏は、防水モデルや、フルHDモデルを愛用。気軽に取り出して撮影できることが気に入っているという。同氏は、片手でも撮影しやすいことから、使いこなしの方法として「バックからゴソゴソと取り出すのではなく、背広の脇から出すといったような身に付けられないか」として、“ホルスタータイプ”のケースの提案もあった。

 マイクロソフトでWindows Live製品を担当する内河恵氏は、かつてXactiで撮った映像が手持ちのPC(Windows 7より前のバージョン)とWindows ムービーメーカーで編集できず、いろいろ試したが、結局違うソフトを使うしかなかったという苦い経験を話し、Windows 7でXactiの記録フォーマットでもあるMPEG-4 AVC/H.264を正式サポートしたことを「待ちに待った対応」とした。また、「女性の小さなカバンにも入ることもありがたいので、これは持ち歩きたい。しかもかわいい」とサイズとデザインも高く評価した。

 

iMovieでの取り扱い易さをデモを交えて説明したジェット☆ダイスケ氏マイクロソフトの内河恵氏
ビデオメッセージで登場したベッキー・クルーエルさん

 また、Xactiのユーザーとして“可愛いにもほどがある”英国人美少女として話題のベッキー・クルーエルさんがビデオメッセージで登場。

 YouTubeなどでのダンスで知られる彼女は、自らXactiで撮影も行なうという。愛用している720pモデルについて「とても使いやすくてコンパクト。私みたい」と話す。新モデルではDMX-CS1が気に入ったので、今後はCS1のピンクを使うとのことだ。


イベントの最後を盛り上げた風船太郎さん

 イベントの最後は、大道芸人であり、TBS「あらびき団」などにも出演している風船太郎さんが登場し、撮影タイムとなった。巨大な風船の中に入ってコミカルな動きをする得意の芸を披露した後、参加したブロガーも風船に入ることができるというチャンスも。Xactiのコンパクトさを活かし、風船の中に入ったまま外を撮影する、という来場者の姿も見られた。


風船に入ったまま、脚立から脚立へ飛び移るという大技に、参加したブロガーがXactiを向けていた参加者が風船に入れるという体験も


(2010年 2月 18日)

[AV Watch編集部 中林暁]