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三菱、3D表示対応の75型レーザーTVを8月国内発売

−レーザー光源とDLP。Blu-ray 3Dはサイドバイサイド


75型リアプロジェクションテレビ「LASERVUE」(75-LT1)

8月21日発売

標準価格:オープンプライス


 三菱電機は、3D表示に対応した、レーザー光源使用の75型リアプロジェクションテレビ「LASERVUE」(75-LT1)を8月21日に発売する。価格はオープンプライス。想定売価は75万円前後。当初月産台数は200台。なお、高い省エネ性能を持っているが、リアプロのカテゴリが存在しないため、エコポイントには非対応。

 同社は、3D表示に対応したレーザーテレビを米国で既に発売しているが、5月に日本で開催した液晶テレビの発表会において、2010年夏に75型の3Dレーザーテレビの国内にも投入する事を予告していた。

レーザーテレビの概念図。レーザー光源を使ったリアプロジェクション方式となる
 最大の特徴はリアプロの光源に、3原色のレーザーを採用している事。NTSC比約175%の広色域を実現しており、「これまでの液晶テレビの色再現範囲の約2倍に相当し、従来のテレビでは表現しきれなかった色彩を再現できる」としている。なお、JIS C 6802「レーザ製品の安全基準」のクラス1を満たしており、テレビ内部への不正なアクセスや不測の事態を想定し、複数のインターロック(安全機構)を採用しているという。


75型の大型画面を採用 横から見たところ。薄型筐体を実現している 付属のリモコン

 プロジェクタ部はDLP方式で、解像度は1,920×1,080ドット。チューナは地上/BS/110度CSデジタルを各1系統内蔵する。デバイスの応答速度の速さを活かし、スポーツなどでも、動画ボケの少ない映像が楽しめるという。

 3D表示はフレームシーケンシャル。交互に表示される左眼用と右眼用の映像を、専用の3Dメガネを通して見ることで3D映像が楽しめる。ここでもDLPの高速表示を活かし、クロストークによる画像ボケの少ない、安定した3D映像が表示できるという。対応する3D映像方式はサイドバイサイド、トップアンドボトム、チェッカーボード。ただし、フレームパッキングには対応しておらず、Blu-ray 3Dの映像などは、出力するプレーヤーやレコーダ側でサイドバイサイド方式に変換してレーザーテレビに入力する必要がある。「ファームウェアアップデートなどでの対応も予定していない」(京都製作所 AV機器製造部長の石井良典氏)とのこと。

 3Dメガネが2個と、3D赤外線エミッタを1個付属する。3Dメガネの単品販売は現在検討中。3Dメガネの電源はボタン電池で、約50時間の使用が可能。

付属する3Dメガネ 右前の上部に電源ボタンを備えている
電源はボタン電池を採用 3D赤外線エミッタを画面前に設置したところ

 本体はモニター部とステーション部で構成。HDMIで接続する。モニターに搭載するスピーカーは10W×2ch。HDMI入力は、モニター側にステーション部と接続用の1系統、ステーション部には4系統備えている。HDMI出力はモニター接続用に、ステーション部に1系統用意する。

 HDMI連携機能のREALINKにも対応。レコーダと連携した録画リスト表示や、レコーダーの状態お知らせ、テレビのリモコンからの「一発録画」機能なども使用可能。ほかにも、音声操作ガイド付き録画予約機能や、録画予約状況確認機能なども備えている。

 そのほかの入力端子は、D4×2(ビデオ入力共用)、PC用のアナログRGB(ミニD-Sub 15ピン)×1、コンポジット/S映像×3、光デジタル音声入力×1、ステレオミニのアナログ音声入力×1。出力はデジタル放送出力(S映像+コンポジット)、アナログ音声出力、光デジタル音声出力を各1系統用意。EthernetやIrシステム端子なども備えている。

ステーション部にチューナや入出力端子を備えている フロントパネルを下げたところ
ステーション部の背面 モニター部は側面にHDMI入力を装備

 発光効率の高いレーザー光源を、高速の点灯制御回路で最適駆動することで、定格消費電力305W(モニター部270W、ステーション部35W)を実現している。待機時消費電力はモニター部が0.5W、ステーション部が0.2W。

 外形寸法と重量は、モニター部が169.1×38.4×106.4cm(幅×奥行き×高さ)で、71kg。ステーション部は18.2×30.1×18.2cm(同)で5.4kg。


リビング・デジタルメディア事業本部 家電事業部副事業部長の伊藤正輝氏

 発表会に登壇した、リビング・デジタルメディア事業本部 家電事業部副事業部長の伊藤正輝氏は、レーザー光源を使うことでの広色域表示や、高速応答性を活かしたクロストークの少ない3D映像、レーザー光源を使うことでの低消費電力化など、レーザーテレビの利点を説明。

 「2010年は3D元年と言われているが、三菱のこだわりは“大画面での3D”であり、それを実現するのはレーザーテレビ。2008年9月から米国で投入した経験も活かし、日本市場でも十分に魅力のある製品だと自信を持っている」と語る。さらに、これらの特徴や75型という大画面はデジタルサイネージやレジャー娯楽施設にも適しているため、施設業務用途への提案も積極的に行なう姿勢も示した。


京都製作所 AV機器製造部長の石井良典氏

 京都製作所 AV機器製造部長の石井良典氏は、レーザーテレビがデジタルシネマで多く採用されているDLP方式であることから、映画や3Dコンテンツとの親和性が高い点を説明。

 レーザー光源に関しては、NTSC比175%の広色域再現が可能な事をアピールし、「色再現範囲はこれまでの液晶テレビの約2倍に相当し、従来のテレビでは表現しきれなかった色鮮やかな映像を再現できる」という。

 また、液晶テレビで多く採用されているLEDとレーザーの光源特性も比較。発光スペクトルを比べると、「LEDは波長のグラフの裾野が広くて、面積的には(レーザーと)同じようなエネルギーだが、他の色が混ざっている事がわかる。レーザー光源は急峻で、広い色再現範囲を実現できる」と説明した。

 また、発光効率の高いレーザーを高速の点灯制御回路で最適駆動する事で、低消費電力も実現。75型は、37型テレビの4台分に相当する広さだが、三菱の37型液晶テレビ「LCD-37MXW300」(定格消費電力143W)を4倍すると572W。しかし、レーザーテレビ「75-LT1」は305Wに抑えている。


NTSC比175%の広色域再現が可能になっている 37型液晶4台分の画面サイズだが、消費電力は半分程度 レーザーとLEDの光源特性も比較


(2010年 7月 29日)

[ AV Watch編集部 山崎健太郎]