シングルCD売上が5年ぶりの前年同期超え。オリコン発表
-嵐、AKB48らが牽引。「パッケージのニーズは依然ある」
オリコンは17日、CDなど音楽マーケットの売上規模データベースを元に、「2010年8月末よりシングルCDの売上が好調」と発表。年度累計売上金額が前年同期を上回り、100.2%を記録したという。
前年を上回ったのは、'09年12月28日~'10年8月29日時点の累積売上枚数と、累積売上金額(売上枚数に定価/希望小売価格を乗じて算出)で、枚数/金額ともに前年同期比100.2%となった。同社は2003年より売上規模データを集計しているが、集計期間の後半に入ってから年度累積売上の枚数/金額が前年同期比を超えたのは、'06年1月2日以来約5年ぶりだという。
今回の結果についてオリコンは「パッケージ購入意向の高いユーザーを多く持つアーティストやジャンルが大きな伸びを見せていることが奏功している」と分析。集計期間内のシングル売上の上位5作品のうち、1位、2位と5位は嵐、3位と4位はAKB48となっている。
一方、アルバムについては枚数が前年同期比90.2%、金額が90.6%といずれも減少。CDシングル/アルバムに音楽DVDも加えた音楽ソフト全体では、枚数が95.7%、金額が98.8%となっている。
オリコンは「『CD不況』と言われ、中でもシングルCDの落ち込みがその大きな要因とこの数年言われているが、今回の結果をみると、パッケージのニーズは依然としてあることがわかる。『シングルヒット→アルバムヒット』という音楽産業本来のヒットの流れを考えると、シングルCD好調の今、今後はアルバム市場への伸びに期待する。音楽ソフト全体の売上も上昇傾向にあり、こちらも同様に前年同期超えの可能性が出てきている」としている。
推定売上枚数 (千枚) | 構成比 | 前年同期比 | 推定売上金額 (百万円) | 構成比 | 前年同期比 | |
シングル | 25,883.7 | 31.5% | 100.2% | 34,086.8 | 15.6% | 100.2% |
アルバム | 48,919.7 | 59.5% | 90.2% | 142,629.4 | 65.1% | 90.6% |
オーディオ合計 | 74,803.4 | 91.0% | 93.4% | 176,716.2 | 80.7% | 92.3% |
音楽DVD | 7,424.3 | 9.0% | 127.5% | 42,348.3 | 19.3% | 139.3% |
音楽ソフト合計 | 82,227.7 | 100.0% | 95.7% | 219,064.5 | 100.0% | 98.8% |
順位 | 推定売上枚数 (万枚) | タイトル | アーティスト | 推定累積売上枚数 (万枚) |
1 | 69.6 | Troublemaker | 嵐 | 69.6 |
2 | 69.2 | Monster | 嵐 | 69.2 |
3 | 63.0 | ポニーテールとシュシュ | AKB48 | 63.0 |
4 | 59.2 | ヘビーローテーション | AKB48 | 59.2 |
5 | 50.7 | To be free | 嵐 | 50.7 |
6 | 44.0 | Love yourself ~君が嫌いな君が好き~ | KAT-TUN | 44.0 |
7 | 38.5 | 桜の栞 | AKB48 | 38.5 |
8 | 33.9 | This is love | SMAP | 33.9 |
9 | 28.9 | BREAK OUT! | 東方神起 | 28.9 |
10 | 28.6 | また君に恋してる/アジアの海賊 | 坂本冬美 | 32.0 |
(2010年 9月 17日)
[AV Watch編集部 中林暁]