SRS、iPhone/iPod用の音質補正アダプタ「iWOW」
-SRS WOW HD搭載。300台限定/実売7,980円
「SRS iWOWアダプター」をiPhone 3GSとアクティブスピーカーに接続 |
シネックスは、米SRS LabsのiPod/iPhoneオーディオアダプタ「SRS iWOWアダプター」(iWOW-02)を12月20日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は7,980円前後。300台の限定販売となっており、オーディオ専門店やApple Premium Reseller、一部のオンラインショップなどで販売される。
iWOW-02は、iPhone/iPodのDockコネクタに接続することで、SRS WOW HDなどの音質補正機能を利用できるアダプタ。内部にDACとアンプを内蔵し、iPhone/iPodの音楽をデジタルのまま取り出して補正処理を行ない、ステレオミニから出力する。なお、補正機能をOFFにしたままでも音声出力は可能。
iPhone 3G/3GSと第2世代iPod touch、iPod classicの120GB/160GB('09年モデル)、第5世代iPod nanoの本体にフィットするアダプタが付属。なお、それ以外でもiPhone 4など30ピンのDockコネクタ搭載モデルであれば接続は可能。
SRS iWOWアダプター(iWOW-02)本体 | ヘッドフォンとの接続例 | 底面にステレオミニ出力を装備 |
iPhone 3GSや第2世代iPod touchなどに対応するアダプタが付属 | iPhone 3GS接続時の背面 | 主な特徴 |
前面のボタンをONにすることで、水平/垂直方向に音像を広げ、立体的な再生を実現。低域/高域それぞれに補正を行ない、「人が知覚しやすい音をわかりやすく出す」ということも特徴。例えばオーケストラ楽曲では各パートが分離して聴こえるといった効果が得られるという。
iWOW-02にはON/OFFボタンのほか、ボリューム用ボタンも装備。さらに、App Storeで公開中の無償アプリ「SRS iWOW App」(英語版)で各種サラウンド設定が可能となっており、音場の拡大や低域/高域それぞれの強化をON/OFFできる。また、出力先としてヘッドフォン/外部スピーカー/車載スピーカーの3種類から選べ、それぞれに最適な再生が行なえるという。そのほか、アプリには、米SRS Labsのブログ閲覧や、音楽トリビアに関するクイズゲームといった機能も備えている。
なお、前述の対応iPodのうち、nanoなどアプリがインストールできないモデルについては、サラウンド機能の詳細設定は行なえないが、本体ボタンをONにすると、全機能がONの状態となる。
電源はiPhone/iPodから供給し、動作時の消費電力は165mW。外形寸法は本体60×40×10mm(縦×横×厚さ)。
アプリ「SRS iWOW App」での設定画面 | 各機能のON/OFFが行なえる | SRS Labsのブログを閲覧することも可能 |
iPhone 3GSにiWOW-02を装着し、アップルのカナル型イヤフォン「Apple In-Ear Headphones with Remote and Mic」を接続して試聴した。本体ボタンをONにするとガラリと再生音が変わり、音の定位が外側と後方に広がることが実感でき、重低音を中心に全体の迫力は増す。広がりがあるからといって音像がぼやけるのではなく、それぞれの楽器が距離を置いた形でそれぞれしっかりと鳴っているような印象だ。
なお、iWOWアダプタを経由した状態で、イヤフォンの内蔵マイクは使用できたが、音量などリモコンのボタンは動作しなかった。
■ ブランド価値/認知度向上が目標。iPhone 4モデルも来年発売へ
SRS・ラボズ・ジャパンの渡邉英里氏 |
米SRSの音響技術はテレビなどAV機器や、PC、車載機器、携帯電話の多くで採用され、日本の製品でも搭載モデルは多い。
一方、B to Bのライセンス事業をコアとする同社にとって、今回の「iWOW-02」は日本における初のコンシューマ向け製品となる。米国では既に同製品は発売されているが、日本で発売する目的についてSRS・ラボズ・ジャパン インサイドセールス&マーケティングの渡邉英里マネージャーは、「ブランド底上げのためのツールとして最適」と話す。
米国においてはSuperBrandsが年1回発行する「America's Greatest Brands」の2010年度版で、“米国で最強かつ最も価値のあるブランド”として選出されたという。SRS以外にはコカコーラやソニー、フォード、IBMなどが選ばれているが、「これまで8回行なわれたが、オーディオ分野の受賞は一度も無かった」(渡邉氏)という。
こうした米国でのブランド価値向上に対し、日本でも認知度を高めることを課題ととらえており、iWOW-02を発売することで「SRSサウンドの音の違いをより身近に多くのユーザーに実感してもらうこと」と、「SRSブランドの日本における認知度アップ」を目標に掲げている。販売台数も300台に限定しているように、渡邉氏は「この製品の販売でビジネスを成り立たせる戦略では無く、ライセンスを主力としてやっていく」と言い切る。
SRSの事業内容 | SRSの営業拠点 | 日本の拠点は'09年9月に設立された |
なお、iWOW-02は、米SRS LABSにとっては第2世代モデルに相当し、米国では販売中。さらに2011年には「iPhone 4対応モデル」も米国や日本で投入。日本では2011年1月発売を予定している。価格は明らかにされていないが、従来モデルと同等になる見込み。
販売代理店であるシネックスの中村明CE事業部長は、今回のモデルでの日本市場における反応を確認しながら、前述のiPhone 4対応モデルで販売の拡大を見込む。次世代モデルの目標台数は「iPhone 4の出荷台数の1%となる数百万台」とした。
米国では既に高いブランド価値が認められているという | 2011年にiPhone 4対応モデルを投入予定。豊富なカラーが用意されるようだ | シネックスの中村明CE事業部長 |
(2010年 12月 15日)
[AV Watch編集部 中林暁]