【CES】JVC、フルHD 3D対応ビデオカメラを3月発売
-2レンズ/CMOS搭載、1080/60iのMPEG-4 MVC記録
GS-TD1 |
JVCは6日(米国時間)、International CESのプレスカンファレンスにおいて、フレームパッキング方式でフルHD解像度の3D動画が撮影できるビデオカメラ「Everio GS-TD1」を3月に発売すると発表した。価格は1,999.95ドル。
特徴は2つのレンズと2つのCMOSセンサーを備え、フルHD(1,920×1,080ドット)解像度で3D映像が撮影できること。
3D映像の記録はフレームパッキング方式。左右合わせて2つのフルHD(1,920×1,080ドット/60i)映像を、Blu-ray 3Dでも使われている3D対応の画像圧縮フォーマットのMPEG-4 MVCでリアルタイムエンコードし、1,920×1,080ドット/60iで記録する。記録方式はAVCHDとは異なる。
3D撮影時のビットレートは34/22Mbpsの2モードを用意。本体に64GBのメモリを内蔵し、34Mbpsでは約4時間の録画ができる。内蔵メモリ以外にも、SD/SDXCメモリーカードスロットを備えている。
GS-TD1を手にする日本ビクターの伊藤裕太氏社長。CESのJVCブースでは「Perfect Experience」をテーマに展示を行なっているという |
なお、解像度は低下するが、AVCHD方式での3D撮影として、サイドバイサイドの3D撮影も可能。静止画の3D撮影機能も備えている。液晶モニタは3.5型/タッチパネル対応で、裸眼立体視に対応する。
レンズは左右ともにF1.2と明るく、高精細な撮影が行なえる「HD GTレンズ」を使用。光学5倍のズーム機能を備え、3D撮影中のズームやAFも可能。
CMOSは裏面照射型で、332万画素(1枚あたり)。映像エンジンとして、1チップで動画と静止画両方の高速信号処理が行なえる「FALCONBRID」を搭載。このLSIは「カメラ信号処理」、「動画圧縮処理」、「静止画圧縮処理」の3つの映像信号を個別にハイスピードで行なえることが特徴。LSI自体は12月に日本でも発表されていたが、今回、「FALCONBRID」という名称が明らかにされた。
撮影後のMPEG-4 MVCの3D動画は、本体でカット編集ができるほか、付属のPC用ソフト「Everio MediaBrowser 3D」を使ってカット編集が可能。同ソフトは、7月に予定されているアップデートにより、PC上での3D再生や、サイドバイサイドのAVCHD映像への変換、YouTube 3Dアップロードも行なえる。
2つのレンズとCMOSを搭載。MPEG-4 MVCとAVCHD記録が行なえる | 映像処理LSI「FALCONBRID」を搭載 | 付属ソフトの「Everio MediaBrowser 3D」で利用できる機能 |
外形寸法は102×186.5×63.5㎜(幅×奥行き×高さ)。このサイズは'07年発売のHDD搭載モデル「GZ-HD7」と同等だが、重量はHD7(約665g)に比べ75g軽いという。
GS-TD1以外にも、Everioの新製品として1,020万画素裏面照射CMOS搭載の2モデルを2月に発売予定。2Dで撮影して再生時に3D変換できる「GZ-HM960」(949.95ドル)と、3D変換に対応しない「GZ-HM860」(749.95ドル)をラインナップする。さらに、エントリー機を含めHD記録の8モデルも発表した。
そのほか、今回のCESでは、3D対応D-ILAプロジェクタ「DLA-X9」や「DLA-X7」、日本で発売予定のBD/HDD/ラジオ搭載AVシステム「RyomaX」(リョーマックス/RY-MA1)も展示される。
Everioの新ラインナップ | 上位モデルHM960/860の特徴 | 各モデルに豊富なカラーバリエーションを用意する |
(2011年 1月 7日)
[AV Watch編集部 中林暁]