ソニー、エントリーBDレコーダ「BDZ-AT350S/AT750W」

-CREAS 4搭載。AVCHD 3D/60pの録画/編集/書出対応


ダブルチューナ搭載で500GB HDD内蔵の「BDZ-AT750W」

 ソニーは、Blu-ray Discレコーダの新モデルとして、エントリーモデルの2機種を8月6日に発売する。ダブルチューナ搭載で500GB HDD内蔵の「BDZ-AT750W」と、シングルチューナで500GB HDD内蔵の「BDZ-AT350S」を用意。価格はどちらもオープンプライス。店頭予想価格は「BDZ-AT750W」が85,000円前後、「BDZ-AT350S」が65,000円前後。

 新モデルの特徴は、高画質化回路の「CREAS」が「CREAS 4」に進化したこと。「CREAS」高画質化機能である超解像、精細感調整、輪郭調整、クリアブラックの機能が、3D映像にも適用できるようになった。サイドバイサイドの3D映像にも効果を発揮する。


シングルチューナで500GB HDD内蔵の「BDZ-AT350S」

 3D映像の高画質化は「おまかせ画質モード」にも適用されており、モニターの種類と、お好み画質モード(リビングおまかせ、シアターおまかせ、パワフルおまかせ)から1つを選択する事で、再生している映像素材を識別し、3Dに最適なモードに自動調整してくれる。また、ソニーがおすすめするカスタム値に、BDシネマ3Dを追加している。

 さらに、7月1日に公開されたAVCHDの拡張機能である「AVCHD Ver.2.0」に対応。3Dビデオカメラなどで3D映像を撮影するための「AVCHD 3Dと、1080/60p映像「AVCHD Progressive」が新たに追加されており、レコーダの「AT750W/AT350S」では、3D映像/1080p映像のカメラからの取り込み、編集、書き出しに対応する。


BDZ-AT750WBDZ-AT350S

 取り込んだ画像は3Dであれば「3D」アイコンがつき、容易に識別可能。編集はHDD/BD上のいずれでもチャプタ編集、タイトル分割、タイトル結合、プレイリスト作成が可能。ただし、3Dと60pや、3Dと2D混在タイトルの結合、プレイリスト作成はできない。

 ディスクへの書き込みは、BDであれば3Dや60pのまま書き出しが可能だが、作成した3D ディスクの再生は、ソニーのBDレコーダ2010年9月/10月発売モデルと、新モデル「AT750W/AT350S」でしか再生できない。また、60pディスクの再生は「AT750W/AT350S」のみ対応となる。DVDへの書き出しは、3D映像の場合は2DになりSD画質のみ。60pはSD画質のみとなる。

モデル 3D動画60p動画
10年末モデル
AX2000/AX1000/AT900
AT700/AT500/AT300S
AVCHD 3D
ディスク
ダイレクト
×
11年夏モデル
AT750W/AT350S
AVCHD
 3D/Progressive

HDD/ディスク
ダイレクト

HDD/ディスク
ダイレクト

 なお、BDレコーダの機能である「x-Scrap Book」は3D/60pに両対応。「思い出ディスクダビング」は両方とも対応していない。

 3D静止画はBDに書き出しでき、AT750W/AT350Sで再生可能。さらにPlayStation 3では「プレイメモリーズ」をダウンロードする事で表示が可能。PCではVAIOのPMB(ピクチャーモーションブラウザー)で表示できる。

 チューナはAT750Wが地上/BS/110度CSデジタルを2系統、AT350Sは1系統装備。両機種ともおまかせチャプターに対応。AT750Wでは2番組録画でも「Wおまかせチャプター」が利用できる。アナログチューナは備えていない。最大予約番組数は1カ月130番組。フルHD解像度のまま、最大11倍の長時間録画も行なえる。

 録画時の画質も改善。従来の「インテリジェントエンコーダー2」は、シーンに合わせてビットレートを制御する「新ダイナミックVBR」や、EPGの番組ジャンルに合わせて画質パラメータを最適化する「ジャンル別エンコーディング」、顔検出技術を使って人間が注目する部分にビットレートを割り当てる「ヴィジュアルアテンション」といった機能を搭載していたが、新たに「インテリジェントエンコーダ3」に進化。

 入力信号の解析、ヴィジュアルアテンションの解析結果、エンコーディングのフィードバック情報を統合的に解析。人物、人物+夜景、動き、マクロ、風景といったシーンを特定。シーンに最適なエンコーディングに適応的に制御する事で画質を高めるという。

 ダブルチューナの「BDZ-AT750W」は、前モデル(AT700)で搭載していたDLNAサーバーの「ルームリンク」機能と、スカパーHD録画機能が省かれた。これらの機能は、シングルチューナモデルの「BDZ-AT350S」にも搭載されていない。また、PlayStation 3用地デジレコーダ「torne」と連携する「レコ×トルネ」機能にも対応しない。なお、AT750WはHDDに録画した番組を、対応携帯電話やプレイステーション・ポータブル、ウォークマンなどに書き出す「おでかけ転送」に対応する。

 BDドライブはBDXLをサポート。ディスクに録画した番組をHDDに書き戻す「ムーブバック」もサポートする。また、Blu-ray 3Dソフトの3D再生にも対応する。

 筐体デザインも変更。前面がアルミになり、薄型テレビBRAVIAのモノリシックデザインとの統一感を演出。シルバーのラインも設けられた。また、本体のボタンも省かれている。

「BDZ-AT350S」を従来モデル(下)と重ねた画像。下部のパネルがシルバーになっている奥行きも短くなった前面のボタンが省かれている

 入出力端子は共通。出力はHDMI(1080 60p/24p対応)、D4、コンポジット、S映像、ステレオ音声、光デジタル音声を各1系統装備。入力はコンポジット、S映像、ステレオ音声を各1系統用意する。i.LINKは非搭載。USB端子を前面に備え、Ethernet端子も用意する。

 外形寸法と重量は、BDZ-AT350Sが430×233×49.5mm(幅×奥行き×高さ)で約2.8kg。BDZ-AT750Wが430×283×49.5mm(同)で約3.2kg。消費電力は、BDZ-AT350Sが28W、BDZ-AT750Wが33W。年間消費電力はBDZ-AT350Sが27.4kWh/年、BDZ-AT750Wが27.9kWh/年。0.5秒で起動するという「瞬間起動」機能を利用している場合の消費電力は、両モデルとも、従来機の18Wから15Wに削減している。

BDZ-AT750Wの背面BDZ-AT350Sの背面付属のリモコン

(2011年 7月 14日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]