エソテリック、USB入力対応SACDプレーヤー「K-05」

-「AK4399」DACや高精度ターンテーブルを搭載


K-05

 エソテリックは、SACDプレーヤー「K-05」を12月20日に発売する。価格は57万7,500円。

 独自のトランスポートメカニズムである「VRDS-NEO VMK-5」や、上位モデル「K-01」と同じ軸摺動型ピックアップ、旭化成エレクトロニクス製の32bit DAC「AK4399」などを搭載したSACD/CDプレーヤー。24bit/192kHz対応のUSB DAC機能も備える。

 VRDS-NEO VMK-5は、高精度ターンテーブルでディスク回転時の面振れを補正し、読み取り精度を高めるという独自技術。ターンテーブルには回転イナーシャを最小化する高精度アルミニウム+ポリカーボネートのハイブリッド素材を用いている。ブリッジ部は内部損失の高い高剛性BMC(Bulk Molding Compound)素材とスチールによるハイブリッド構造で、回転振動を減衰する。

 スピンドルモーターは回転検出信号を使ったサーボコントロールで読み取り精度を向上。トレーの開閉からディスククランプまでの動作は独自の差動ギア方式で行ない、滑らかなローディング動作を実現する。ピックアップはK-01と同じ軸摺動型。レンズを移動させたときにも光軸を垂直方向に維持することで、高精度な読み取りを可能にするとしている。

 旭化成エレクトロニクスの32bit最上位DAC「AK4399」をチャンネルごとに2回路のパラレル/ディファレンシャル出力とすることで、高リニアリティー/低ノイズ化。DAC部とアナログ出力回路部は完全デュアルモノ構成とし、高いチャンネルセパレーションを実現し、定位感と奥行き感に富んだ再生が行なえるという。

 DDコンバート機能も搭載。「RDOT(Refined Digital Output Technology)」アルゴリズムによりPCMの2倍/4倍アップサンプリングが可能なほか、PCMをDSDに変換可能となっている。

 USBは24bit/192kHzまでサポートし、アシンクロナス伝送にも対応。PCなどからの外部ノイズ混入を防ぐUSBアイソレータも備えている。光/同軸デジタル入力も備え、いずれも24bit/192kHzに対応する。

 高精度±3ppmのVCXOクロックも装備。44.1kHzなどのワードクロックのほか、10MHzクロックにも同期でき、アシンクロナスUSB入力時も外部クロックと同期可能。さらに、22.5792MHzマスタークロック入力もサポート。PLL回路を経由せずクロックジェネレーターからのマスタークロックをDAC部のマスタークロックとして利用する「ダイレクト・マスタークロックLINK」により、ストレートで高精度なDA変換を可能とした。

 アナログ音声出力のバッファアンプには、新日本無線のハイエンドオーディオ用オペアンプであるMUSESを採用。XLR出力は、ホット/コールドの各信号をシンメトリーに配置している。また、RCA出力時にはバッファアンプがパラレル構成に切り替わり、バランス/アンバランス出力それぞれで音質を最優先させるとしている。

 デジタルフィルタは、PCM信号処理用に4種類搭載。FIR型デジタルフィルタ2種類のほか、インパルス波形に含まれるプリエコーを除去して音の立ち上がりをナチュラルにするというショートディレイ型デジタルフィルタも2種類備える。「デジタルフィルターOFFモード」も利用可能。

 電源部には大型トロイダルトランスを採用。複数の大型コンデンサーを組み合わせた強力な電源回路で各回路ブロックへ安定した電源を供給する。筐体のフロント/側版/天板とフロントコーナー部には肉厚アルミ材を採用。ビスを排除した天板とコーナー部のラウンドフォルムは、フラッグシップモデルのデザインを踏襲している。

 出力端子は光/同軸デジタル各1系統と、XLR/RCAアナログが各1系統。XLR出力のレベル切替(0db/+6dB)や、XLRのピンアサイン変更(2番HOT/3番HOT)も可能。そのほか、クロックシンク入力のBNCを1系統備える。

 消費電力は13W。周波数特性は5Hz~55kHz、SN比は115dB、歪み率は0.0015%。外形寸法は445×358×131mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約14kg。リモコン「RC-1251」などが付属する。

筐体に肉厚アルミ材を採用背面


(2011年 12月 1日)

[AV Watch編集部 中林暁]