HD映画を自宅/外出先で楽しめる「プロジェクト・フェニックス」

-ハリウッド参加。UltraViolet、オフライン再生も


 20世紀フォックス、ワーナーブラザース、サンディスク、ウェスタンデジタルの4社は2月28日(米国時間)、映画やテレビ番組の動画を、自宅や外出先で簡単に購入/再生できるようにする取り組み「プロジェクト・フェニックス(仮称)」を発表した。

 このプロジェクトは、新たに結成されたセキュア・コンテンツ・ストレージ・アソシエーション(SCSA)が推進しており、2012年内に、このソリューションのライセンス提供開始を予定している。

 コンシューマが複数のデバイスを使って最大1080pの映画やテレビ番組を簡単に管理できるようにすることを目的としたもの。ローカル保存のほか、海外においてメーカー横断で展開されている「UltraViolet」や、クラウドサービスへもバックアップされるという。UltraViolet上で動作するよう設計され、Intel Insiderなど他の次世代HDコンテンツ保護技術を補完するという。

 対象となる製品は、ローカルのHDDやポータブルHDDのほか、USBメモリ、SDカード、SSDなどのフラッシュメモリ製品。これらに対し、SCSAは著作権保護ソリューションの開発とライセンス提供を行なう。

 HDDやフラッシュメモリにダウンロードされたコンテンツは、CATV、ノートPC、Blu-ray Discプレーヤー、タブレット、携帯電話、ゲーム機など、SCSA対応のデバイスを使ってオンライン/オフラインでアクセス可能。コンテンツはデジタルダウンロード、記録メディアに入ったデジタルデータ、小売店に設置された端末などから購入できる。

 ワーナーブラザースのテクニカルオペレーション担当プレジデント、ダーシー・アントネリス氏は「消費者が、自宅や外出先でSCSAに最適化されたあらゆるデバイス上で、高精細デジタル映画やテレビ番組をフルハイビジョンで簡単にダウンロード、保存、再生できる製品の開発を促進する」と述べている。

 20世紀フォックスホームエンターテイメントのプレジデント、マイク・ダン氏は「プライベートまたはビジネスのコンテンツをクラウド上で保存、再生、バックアップできる。オーバーザトップインターネットより最大で10倍早くコンテンツを表示する。プロジェクト・フェニックスは広がりつつあるデジタルエコシステムの主要な要素」とコメントしている。

 ウェスタンデジタルのブランド製品担当最高技術責任者のバート・ヘッセリンク氏は「SCSAは、DVDやBlu-rayディスクと同じくらい簡単に利用できる映画やテレビ番組のデジタルソリューションを消費者に提供する。消費者は一定のDVDコンテンツのコピーも含め、購入したHDコンテンツをHDD上のセキュアなライブラリに、写真、音楽、動画などと一緒に保存可能となる。デジタルライブラリーのコンテンツは、自宅のテレビ、パソコン、タブレットで簡単に見ることができるほか、外出先では携帯用のライブラリーコピーを持っていくことで、飛行機、自動車、電車、遠隔地などで確実なインターネット接続がない場合でも、モバイルでの閲覧が可能」としている。

 サンディスクのシニアバイスプレジデント兼最高戦略責任者のスミット・サダナ氏は「世界中の消費者はようやく、ローカルに保存した高品位のハリウッドコンテンツを最大1080pのクオリティで様々なプレーヤーを利用して、どこでも好きな場所で楽しむことが可能となる。主要なハリウッドスタジオやHDD、フラッシュメモリ業界のリーダー企業が参加するSCSAのオープンなライセンスが可能なセキュリティ標準は、新たなデバイスの可能性、新しい事業モデル、そして最終的には消費者へのさらなる価値の提供を促進することが期待される」と述べている。



(2012年 3月 1日)

[AV Watch編集部 中林暁]