BSと携帯通信の干渉対策方法をソフトバンクが発表
-未使用のL型プラグを外すなど対策を呼びかけ
電波干渉の模式図 |
ソフトバンクモバイルは9日、BS放送の電波の影響で、同社のモバイルデータ通信「ULTRA SPEED」などに影響が出ている干渉問題について、より詳細な対策方法を発表した。
この問題は、2月20日から発射されているBSデジタル放送のBS21チャンネル、および23チャンネルの放送用電波の干渉で、ULTRA SPEEDなどの接続率の低下や、通信スピードの劣化が発生しているというもの。個人宅などに設置されているBS放送受信機器の配線接続の不良などが原因で、漏れ出た電波が携帯端末と基地局の送受信の電波に干渉する。
総務省が2008年に発表。関係者に注意を促しているほか、ソフトバンクでも今年の2月に注意喚起を行なっている。ソフトバンクではその後も、基地局に影響を与えている屋外の電波干渉の発生源(建物)の特定を進めており、影響が大きい建物から対策を進めているほか、基地局側の設定を変更で干渉を受けにくくする対策も実施しているという。
干渉の例として、屋外に設置されているDHマーク(JEITAで審査・登録された一定以上の性能を持つ機器に付与されるマーク)が無いブースターから電波が漏れ出し、携帯端末の電波と干渉し、基地局に届きにくくなる事があるという。
屋内では、壁のアンテナ端子に、使用していないテレビアンテナ用L型プラグが取り付けられていると、そこから電波が漏れて影響が出る可能性があるという。さらに、アンテナ接続に使う同軸ケーブルも、未シールドのタイプでは影響が出る事があるとしている。これら、屋内での影響範囲は数メートル範囲。
使っていないL型プラグが、壁のアンテナ端子に取り付けられている状態 |
ソフトバンクでは対策として、使用していないL型プラグは取り外しておく事、同軸ケーブルはケーブル表面に表記されている名称の末尾に「FB」と記された、衛星放送受信に適したケーブルを使用する事などを呼びかけている。
衛星放送受信に適したシールド済みのケーブルは、末尾に「FB」と書かれている |
また、前述のように、電波干渉の発生源である建物の特定が進められており、特定された場合、調査員が訪問する事があるという。対策にかかる費用は無料だが、ケーブルやコネクタなどの購入費用は、ユーザーの負担になる場合がある。総務省の担当官も調査に同行する場合があるという。問い合わせ窓口なども用意されており、詳細はソフトバンクのページに記載されている。
(2012年 4月 10日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]