テックウインド、LibratoneのAirPlayスピーカー「LIVE」
-外側にカシミアなど生地配置。壁反射で360度再生
LibratoneのLIVEシリーズ。左からライムグリーン、ブラック、バニラベージュ、グレー |
デンマークのLibratoneは、AirPlayに対応したデザイン性の高いスピーカー「LIVE」シリーズの発売を、3月下旬からアップルストアなどで開始した。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は「LIVE Premium Speaker」が79,800円、「LIVE Standard Speaker」が74,800円。日本での販売はテックウインドが担当する。
スピーカーが生地で覆われているのが特徴で、その生地のカラーや素材によって価格が異なる。「LIVE Premium Speaker」はカシミアとウールミックス素材を使い、カラーはブラッド・オレンジ(RED)と、ライムグリーン(GREEN)を用意。
「LIVE Standard Speaker」は、ブラック(BLACK/カシミアとウールミックス)、グレー(GREY/100%ウール)、バニラベージュ(BEIGE/カシミアとウールミックス)の3種類を用意する。この生地カバーは取り外し可能で、海外ではカバーの単品販売も行なっているが、日本では「ユーザーからの要望によって決めたい」としている。カバー以外の、内部のスピーカーの仕様に違いはない。
縦長の一体型スピーカーで、筐体は三角柱の形状を採用。正面の下部に1基のウーファ、左右の面にそれぞれミッドレンジを1基、その上にリボンツイータを配置。合計で5個のユニットを内蔵している。
筐体は円錐形 | 持ち運び用の取っ手も備えている | iPadと連携している使用イメージ。写真はブラッド・オレンジ |
外側のカバーを外しているところ | 正面にウーファを搭載 |
左右にはミッドレンジとリボンツイータ | 背面にアナログと光デジタルの兼用入力端子を装備する |
ウーファで低域を再生し、左右の面から中高域を再生するが、三角柱であるため、左右の面が背後に向いているのが特徴。スピーカーを設置した背後や左右の壁に、あえて音を反射させる事で、360度全方位に包み込むようなサウンドを実現。これには同社の特許技術「FullRoom」が使われているという。
音を反射させても、自然な音で再生できるよう、デジタル信号処理回路も内蔵。設置環境に併せ、最適化した再生ができるという。内蔵アンプの出力は50W×1ch(ウーファ)、25W×2ch(ミッドレンジ)、25W×2ch(ツイータ)。再生周波数帯域は45Hz~20kHz。
プレーヤーとの接続にはAirPlayを使用。iPhoneなどから手軽に、ワイヤレスで音楽再生ができる。また、背後にアナログと光デジタル兼用の入力端子も1系統装備。有線接続もできる。電源ケーブルも背面に接続する。
AirPlay対応機種は、iPhone 3GS/4/4S、第3~4世代iPod touch、第1~2世代iPad。外形寸法は25×22×51cm(幅×奥行き×高さ)で、重量は6kg。背後に持ち運び用の取っ手も備えている。
■専用アプリで再生音を最適化
専用アプリを介して、設置場所から壁までの距離などを入力する |
前述のように、背後や左右の壁を活用し、広がりのあるサウンドを再生できるのが特徴だが、置き場所によって壁までの距離は異なる。
そのセッティング用の専用アプリをApp Storeからダウンロード可能。無線LAN経由でスピーカーと接続し、背後の壁までの距離、左右の壁までの距離をスピーカーへ入力すると、その設置環境に適した音で再生してくれるという。さらに、プリセットイコライザもアプリから選択し、スピーカーへ適用する事が可能。
■音を聴いてみる
短時間ではあるが、発表会で音を聴く事ができたので印象を紹介したい。
デザインに重きが置かれているスピーカーだと感じるが、音を出してみると価格相応の、カッチリとしたサウンドが出てきて驚かされる。特に中低域は量感や沈み込みが豊かで、部屋全体を震わせるほどのボリュームで、迫力ある再生が可能だ。
同時に、ボリュームを上げても低域が膨らみ過ぎず、適度に締まりがある。低域の動きが見やすいほか、中高域も埋もれず、明瞭に再生されるため、迫力とクリアさが両立できている。また、壁のすぐそばに設置して聴いたが、反射音で音がぼやけたりもせず、音場には適度な広がりがあり、スケール感も楽しめる。
6kgあるため、手で持ち上げてみるとズシリと重く、筐体の剛性も高く、低価格なiPodスピーカーとは一線を画した質感がある。同時に剛性の高さはクリアな再生音にも寄与していそうだ。表面の生地はカラーによって素材が異なるため、色味だけでなく、肌触りの違いも楽しめる。
■シアタースピーカーも予定
Chief Sales OfficerのSoren Louis Pedersen氏 |
Libratoneのロゴマーク |
Libratoneは、デンマークのコペンハーゲンに本社があるメーカー。Chief Sales OfficerのSoren Louis Pedersen氏によれば、音楽好きの社員が集まっており、社名の由来はフランス語のリブレ(自由な)と、音や音階の「トーン」を組み合わせたものだという。メーカーロゴに描かれた小鳥は、アンデルセン童話で、中国の皇帝を鳴き声で癒したナイチンゲールを表しているという。
製品としては、手軽に音楽が楽しめるワイヤレススピーカーの開発にこだわっており、デザイン面では男性だけでなく、女性にも喜ばれるような“ユニセックス”なデザインを追求。「モダンな生活には、モダンなオーディオが必要。エレクトロニクスを忘れ、フレンドリーな家具の一つとしてのオーディオを目指した。今までの黒いスピーカーを忘れて、“カシミア”でいきましょう」と笑顔を見せた。
現在LIVEシリーズはアップルストアに加え、キットカットやヨドバシカメラでも販売。今後はオーディオ専門店やインテリアショップなども販路として検討しているという。
また、具体的な発売時期は決まっていないが、今後予定しているモデルとして、横長一体型のシアター用スピーカー「Libratone Lounge」も参考展示。液晶テレビなどの下部や前に設置するもので、LIVE同様にAirPlayと、アナログ/光デジタル入力に対応。価格は12~13万円程度を想定しているという。
参考展示されたシアター用スピーカー「Libratone Lounge」 | カバーを外したところ |
(2012年 4月 12日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]