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ソニー、DSDリマスター対応のHDDハイレゾプレーヤー

1TB HDD搭載の「HAP-Z1ES」。新プリメインも

HAP-Z1ES(左)とTA-A1ES(右)

 ソニーは、1TB HDDを内蔵し、DSDやFLACなどのハイレゾオーディオの再生に対応したHDDオーディオプレーヤー「HAP-Z1ES」と、新プリメインアンプ「TA-A1ES」を10月26日より発売する。価格はいずれも220,500円。

 ソニーは、24bit/96kHz以上のFLACやWAV、DSDなど、CD(44.1kHz/16bit)を超える高音質の音楽ファイルを「ハイレゾ」と定義し、今秋に積極的に強化。HDDオーディオプレーヤー「HAP-S1」などの新製品を発売するが、HAP-Z1ESとTA-A1ESは新ハイレゾ製品のなかでも、セパレート型として最高音質を追求したESシリーズとして発売する。

DSDリマスタリングエンジン搭載の「HAP-Z1ES」

HAP-Z1ES

 1TBのHDDを搭載したHDDハイレゾオーディオプレーヤー。同時発表の「HAP-S1」はアンプを内蔵し、単体利用できるが、HAP-Z1ESはアンプを内蔵せず、同時発表の「TA-A1ES」などのアンプ製品と組み合わせて利用する。

 対応ファイル形式は、DSDIFF(DSD)、DSF、MP3、WAV、WMA、AAC、FLAC、Apple Lossless、ATRAC(Non DRM)、AIFF DSD(2.8/5.6MHz)、PCM(44.1k/48k/88.2k/96k/176.4k/192kHz 16/24bit)。ギャップレス再生にも対応する。

 音楽配信サービスからダウンロードしたハイレゾ楽曲やCDリッピングしたファイルなどをパソコン経由で転送して再生。ハイレゾ楽曲は、10月19日よりハイレゾ配信予定の「mora」やe-onkyo.com、OTOTOYなどのサイトで購入し、パソコンなどから転送/同期する。HAP-Z1ES本体から楽曲を購入する機能は備えていない。

 HAP-S1との違いは、アンプを非搭載となることに加え、ES型番の上位モデルとしてシャーシの設計や採用パーツにこだわり高音質化したことと、「DSDリマスタリングエンジン(DSD Remastering Engine)」を搭載したこと。また、出力端子としてRCAのアナログ音声出力のほか、バランス(XLR)音声出力も装備する。

 フレームビームベースシャーシを採用し、高剛性と高精度取り付けを両立。3ピースのケースを採用することで、振動とシャーシの歪みを抑えている。底板は2.0mmと1.6mmの2枚の鉄板を組み合わせることで、高剛性化と低重心を実現する。

 DA変換の動作基準となるマスタークロックには、位相ノイズが極めて低い水晶発振器を採用し、クリアな音場再現を可能としたという。また、アナログ回路とデジタル回路用に、大容量トランスをそれぞれ搭載。フットも振動を抑えたほか、HDDや空冷ファンにダンパをつけて取り付けることで、外部からの振動を極力抑えているという。音質抵抗やJOGツマミも音質にこだわり選択している。

 DSDリマスタリングエンジンは、入力した全ての楽曲ファイルを5.6MHzのDSDに変換した後で再生するもの。HAP-Z1ESではDSDの信号のDA変換方式としてアナログFIRフィルタを、左右チャンネル独立して搭載。片チャンネルあたり4個のフィルタユニットを1クロックディレイ差動合成させて動作させることで、DSD信号の高域ノイズを効果的に低減できるという。ここには、ソニー独自のDSDオーバーサンプリング技術やノイズシェーパーなどのノウハウを盛り込んでおり、専用オーディオICと高性能32bit DSPの組み合わせでリアルタイムに5.6MHz DSD変換が行なえるという。

 この処理を行なうことで、効果的なノイズ低減やアナログ的な音質を実現できるとする。ソニーでは、DSDリマスタリングエンジン処理を行なったほうが高音質と位置づけるが、「そのままの音で聞きたい」という意見もあるため、'13年内に提供予定のファームウェアではDSDリマスタリングOFF設定も可能にする予定。

 また、高域補間技術の「DSEE」を搭載し、AACやMP3などの圧縮音源だけでなく、WAVやFLACなどのハイレゾ楽曲も高音質化する。ただしDSEEはDSDには対応しない。HAP-Z1ESでは、32bit DSPにより、8fsオーバーサンプリングし、さらにこの処理を40bit浮動小数点で行なうことで高音質化したという。

HDD Audio Remote

 前面に4.3型ディスプレイと操作用コントローラを装備。本体ディスプレイは、アルバムアートや、アルバム、アーティスト、曲名、フォーマット、サンプリングレートなどの情報を表示できる。また、背景色がアルバムアートにあわせて変更され、赤基調のジャケットの場合、背景色も赤系になる「カラーピッキング」対応する。ディスプレイの輝度は3段階に調整できるほか、OFF設定も可能。

 本体だけで楽曲検索や再生操作が行なえ、操作レスポンスも高速化。また、IEEE 802.11b/g/n無線LANとEthernetを装備し、スマートフォン/タブレット用アプリの「HDD Audio Remote」を使って、タブレットなどからアルバムアートを見ながらの楽曲ブラウジングや操作が行なえる。キーワードなどの絞り検索機能も搭載。HDD Audio Remote対応OSは、iOS 5.1以降と、Android 2.3以降(800×480ドット以上の解像度が必要)。また、ネットラジオの「vTuner」などにも対応する。

 HDDに転送された楽曲はGracenoteの楽曲情報データベースと照合され、合致するアルバムやジャケット写真などのメタデータを自動で取得。DSDファイルについても、ジャケットの付与や楽曲管理が行なえる。また、音楽ファイルを独自の12音解析機能により分類し、リラックスやダンスフロアなどの12のチャンネルで自動再生する「おまかせチャンネル機能」も搭載している。

4.3型ディスプレイにアルバムアートや詳細情報を表示
ホーム画面
おまかせチャンネル

 PCから内蔵HDDに自動楽曲転送が可能で、Windows/Macで自動楽曲転送アプリ「HAP Music Transfer」を利用することで、任意のフォルダ内の楽曲をHAP-Z1ESの内蔵HDDに自動コピーしてくれる。Windowsパソコンの場合、初期設定では[マイミュージック]フォルダをコピー元として、全楽曲を転送する。対応OSはWindows XP/Vista/7/8とMac OS X 10.6〜10.8。

 消費電力は25W(待機時0.3W)。外形寸法は430×390×130mm(幅×奥行き×高さ)、重量は14.5kg。リモコンが付属する。

HAP-Z1ESの背面
リモコン

ハイレゾプリメイン「TA-A1ES」

TA-A1ES

 最大出力120W×2ch、定格出力80W×2chのESシリーズ プリメインアンプ。

 プリアンプ部はFET入力ディスクリートバッファ回路を開発して搭載。電子ボリュームICは、回路面積を最小限にすることで、基板が振動した際の偏重の影響を抑え、ノイズの無いボリュームを実現するという。また、実用領域での高いS/Nを実現するという「オプティマス・ゲイン・コントロール Ver.2」を搭載する。

 パワーアンプ部は、新開発の「シングルSPP & Hi CURRENT AMP」(SHC AMP)で、シングルプッシュプル方式を採用する。ボリュームの位置によってバイアスの量をコントロールし、A級動作による高音質と、大音量時に対応するAB級動作を両立する。1W〜10WまではA級で動作する。

 シャーシは、新開発のフレームベースシャーシ。アンプの電源には、大容量300VAのトロイダルトランスを採用する。電源コンデンサはソニーカスタム品で、十分な容量を用意し、急激な音楽信号変化に対応可能とした。

 独立したヘッドフォンアンプも搭載し、インピーダンスは8〜600Ωまで対応。ヘッドフォンにあわせてLo/Mid/Highの3段階の出力切り替えが可能で、Loは8Ω、Midは150Ωで、出力は500mW×2ch、Hiは300Ωで出力250mW×2chとなる。

 入力端子はアナログ音声×5(アンバランスRCA×4、バランスXLR×1)。RCAの端子間ピッチは18mmに広げることで、極太のケーブルでも接続可能とした。スピーカー端子も新設計の大型のものを採用し、大型のYラグやバナナプラグも接続可能となった。

 外形寸法は430×420×130mm(幅×奥行き×高さ)、重量は17kg。消費電力は180W。リモコンが付属する。

TA-A1ESの背面
リモコンも付属する

(臼田勤哉)