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【CEATEC 2013】シャープ、IGZO採用の10型「Mebius Pad」

次世代MEMSディスプレイ/フレームレスディスプレイも

シャープブース
4KテレビのUD1シリーズも展示されている

 映像、情報、通信の総合展示会「CEATEC JAPAN 2013」が10月1日〜5日にかけ、幕張メッセで開催される。その前日となる9月30日、マスコミ向けに一部ホールが先行で公開された。

 ここでは、シャープブースをレポートする。なお、フルHDパネルで4K相当の高画質表示を可能にするという「クアトロン プロ」については、別記事で紹介している。

IGZO液晶採用の新型タブレット「Mebius Pad」

Mebius Pad

 30日に発表したのは、10.1型、2,560×1,600ドットのIGZO液晶を採用したタブレット「Mebius Pad」。ブースでは多数の試作機を展示している。

 OSにはWindows 8.1を採用。ディスプレイは静電容量式のタッチパネル仕様で、専用タッチペンを同梱。CPUはAtom Z3770。Windows 8.1とOffice Home and Business 2013をプリインストールしたモデルと、Windows 8.1 Proを採用し、Officeは付属しないモデルの2機種を用意する。どちらも2014年1月以降の発売を予定。価格や外形寸法、バッテリ持続時間などの詳細は後日発表される。

 通信機能としてLTE(ドコモのXiに対応予定)/3Gを内蔵、IEEE 802.11a/b/g/nの無線LANも搭載。防水、防塵仕様にもなっている。フロントとリアにそれぞれデジタルカメラも搭載する。

 主にビジネス向けの利用を想定したタブレットだが、個人もターゲットとしている。OSにWindows 8.1を採用し、Officeプリインストールモデルを用意する事でビジネスとの親和性を高めている。さらに300ppiの高精細なIGZO液晶を採用する事で、表計算ソフトのExcelなどにおいて、細かい数字も見やすい点も訴求している。

 別売で拡張クレードルも用意しており、デスクに設置した場合はキーボードやマウスを接続して利用。クレードルから外して、シームレスにモバイル環境へ移行できるという。

2,560×1,600ドットのIGZO液晶を採用した「Mebius Pad」
ブースでは外部ディスプレイやマウスを接続し、拡張性の高さもアピール
背面。オプションでクレードルも用意する
オプションでカバーも用意する予定

次世代MEMSディスプレイ

 ブース内に「IGZO World」というゾーンが設けられており、前述の「Mebius Pad」に加え、IGZO液晶ディスプレイを搭載した各社のスマートフォンやノートパソコン、液晶ディスプレイなどを一挙に展示している。

PC向けとして発売している、3,840×2,160ドット(4K2K)表示対応の32型ディスプレイ「PN-K321」
同じく32型の4K2Kでマルチタッチ対応モデル「PN-K322B」
スマートフォン向けの5型、1,920×1,080ドットのIGZOディスプレイも参考展示

 その中でも目玉となるのが、ノートPC向けとして初めて、4K2K(3,840×2,160ドット)の解像度を実現した15.6型パネル。9月からサンプル出荷を開始、2014年2月から亀山第2工場にて生産が開始される予定。

ノートPC向けの15.6型、4K2K IGZOディスプレイ
タッチパネルタイプの13.3型、2,560×1,440ドットのモデルも参考展示

 このパネルでは、薄膜トランジスタの小型化を図り、光の透過率を向上させるIGZO技術を採用する事で、4K2Kの解像度を実現。光の透過率向上による低消費電力化に加え、静止画の表示時に液晶駆動電力を抑えるIGZOの特性も活かす事で、高い省エネ性を発揮。ノートPCのバッテリ駆動の長時間化に貢献するという。また、ペン入力ができるタッチパネル対応の設計も可能としている。

 さらに、IGZO技術の新しい用途提案として、次世代MEMSディスプレイ(Micro Electro Mechanical Systems/微小電子機械システム)も参考展示。クアルコムの100%出資子会社であるPixtronixと共同で開発しているもので、シャッターとLEDを高速で駆動する事で色を表示しているのが特徴。

次世代MEMSディスプレイ。7型で、解像度は1,280×800ドット
MEMSディスプレイの概要図

 バックライトであるRGBのLEDが順番に点灯、その上に、小さな無数のシャッターを備えた基板を重ね、シャッターが開いた部分だけLEDバックライトの光が通るようにする。このシャッターとLEDを高速で動かす事で、RGBのLEDを任意に表示させるという技術。フレームレートは60fps。PixtronixのMEMS技術に加え、シャッター部分に用いているトランジスタに、シャープのIGZO技術を活用している。

 既存の液晶ディスプレイと比べると、カラーフィルタなどが不要な事でLEDバックライトの輝度をそのまま活用でき、消費電力を抑えられるほか、鮮やかな色の表示ができるのも特徴。動画でも、キレのある表示ができるとしている。

 参考展示されたMEMSディスプレイは7型で、解像度は1,280×800ドット。携帯端末などへの採用を見込んでいる。

ミラーディスプレイとフレームレスディスプレイ

 次世代のテレビやサイネージ用ディスプレイ向けの技術展示として、ミラーディスプレイと、フレームレスディスプレイも参考出品されている。

 ミラーディスプレイは鏡とディスプレイを融合させたもので、表示をOFFにした状態では鏡として使え、ONにすると高輝度なディスプレイになるというもの。従来のハーフミラー方式では、映像の明るさが50%犠牲になったが、新方式では約100%の光利用効率を実現。明るさを犠牲にすることなく、鏡の機能とテレビの表示を両立させたという。

 家庭内での利用に加え、店舗でのカタログ表示など、サイネージ向けの展開も検討されている。

ミラーディスプレイ。映像が表示されていない部分が鏡になっている

 「フレームレスディスプレイ」は、IGZO技術の活用例の1つとして展示されているもので、駆動回路やバックライトを超小型化した、超狭額縁ディスプレイの事。このディスプレイ向けに、新しいパネル駆動技術や、高信頼性材料、光学設計技術なども開発したという。

超狭額縁の「フレームレスディスプレイ」。46型の試作機を組み合わせた展示で、フレームがほとんど見えない事を活かし、3枚のディスプレイに横断するように映像を表示している
縁をアップで撮影した写真

 ブースでは46型の試作機に加え、タブレットやスマートフォンをイメージした、8.8型と4.9型のフレームレスIGZOコンセプトモデルが展示された。

通常のディスプレイと比べ、ガラスに厚みがあるのが特徴
横から見たところ
8.8型と4.9型のフレームレスIGZOコンセプトモデルも展示された

スマート・スイートホーム向け展示も

スマート・スイートホームゾーン

 スマート・スイートホームゾーンでは、ソーラーや蓄電池、HEMSなどのスマートハウス関連の展示に加え、ロボット家電の「COCOROBO」など、コミュニケーション能力を持った「ともだち家電」が生活をアシストする未来を紹介している。

 その展開の1つとして、9月30日に公開したのは、スマートフォン向けのアプリ「ココロボ〜ド」。Android 2.2以降、iOS 5以降に対応し、無料で利用できる。

 スマートフォンから送信したテキストや音声、画像などの情報を、あらかじめ登録したメンバー間で共有できるもので、例えばお父さんが「帰宅するよ」とメッセージを送信すると、家族全員のスマートフォンにそのメッセージが届く。

 さらに、ロボット家電と連携。「COCOROBO」を登録すると、それが擬人化されてアプリ内に登場。アプリを通じて、参加メンバーとコミュニケーションをとるようになる。例えば、COCOROBOが部屋の掃除を完了すると、掃除が終わった事をメンバーのスマートフォンに知らせる。外出先からアプリを通じて「COCOROBO」に掃除を頼んだり、暑い日に「エアコンの冷房つけて」と定型のメッセージを送信すると、「COCOROBO」がエアコンの冷房スイッチを入れる事もできる。ただし、この機能には別売のCOCOROBO家電コントローラー「RX-CU1」が必要。AQUOSの対応機種は、9月現在Z9/V8/DR9/G9/UD1/W9/J9/XL9/W7/GL7/G7/Q7/V7/B5/F3/X5/F5/L5/R5/FE1/Z5/V5/LB3/DR3/DZ3。

SHARP Challenge

 SHARP Challengeゾーンでは、同社が新規事業として拡大を目指している「ロボティクス」や「ヘルスケア・医療」事業の取り組みを紹介。液晶工場で培った技術を活かした床清掃ロボットや、従来は手作業で清掃していたメガソーラー発電所のPVモジュールアレイを、2秒で1枚というスピードで効率的に安定して清掃できるという「メガソーラー清掃ロボット」などを、実演を交えアピールしている。

メガソーラー清掃ロボット
清掃ロボット。左の写真は業務用のドライ清掃ロボットで、掃除機やモップで人間が行なっていた掃除を自動化できる。右の写真は業務用の店舗掃除ロボット。利用者が多く、汚れが強い場所で水を用いたブラシ清掃ができる。いずれも指定ルートの走行や、障害物の回避機能を備えている

 ヘルスケア・医療向けとしては、宇宙船のコクピットのようなフォルムの「ヘルスケアサポートチェア」を参考出品し、注目を集めている。椅子に座り、所定の器具に手を置くなどすることで、体温、体重、体のバランス(移動)、脈波、血管健康度(脈波計)、血圧が測定できるもので、複数の検査項目を素早く計測できるのが特徴。効率の面だけでなく、コクピットのようなカッコイイ器具に仕上げる事で、測定が面倒だと感じる人に対し、“乗ってみたい”と思わせる機器にする事も、目標の1つだという。

宇宙船のコクピットのような「ヘルスケアサポートチェア」

(山崎健太郎)