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シャープ、IGZO進化などで「国内Android端末No.1」へ
秋冬スマホは狭額縁の「EDGEST」と省電力
(2013/11/7 18:45)
シャープは7日、'13年下期のスマートフォン/タブレット新製品説明会を開催。同日よりNTTドコモから発売される「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」など秋冬モデルの特徴や、今後の戦略などについて説明した。
秋冬モデルのAndroidスマートフォンは、ドコモ向けに、5型フルHD IGZO搭載の「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」など3モデル(SH-01F DRAGON QUESTを含めると4モデル)、auは4.8型フルHD IGZOの「AQUOS PHONE SERIE SHL23」1モデル、ソフトバンクは5.2型で狭額縁液晶が特徴の「AQUOS PHONE Xx 302SH」など2モデルを製品化している。
通信キャリア | 型番 | ディスプレイ | 発売時期 |
---|---|---|---|
ドコモ | AQUOS PHONE ZETA SH-01F | 5型フルHD IGZO液晶 | 11月7日 |
AQUOS PHONE EX SH-02F | 4.5型フルHD IGZO液晶 | '14年1月 | |
スマートフォン for ジュニア SH-01F | 4.1型液晶 | '14年2月 | |
au | AQUOS PHONE SERIE SHL23 | 4.8型フルHD IGZO液晶 | 11月下旬 |
ソフトバンク | AQUOS PHONE Xx 302SH | 5.2型フルHD IGZO液晶 | 12月上旬 以降 |
AQUOS PHONE Xx mini 303SH | 4.5型フルHD IGZO液晶 | '14年2月下旬 以降 |
IGZOによる長時間使用や狭額縁「EDGEST」で差別化
常務執行役員 通信システム事業統轄 兼 通信システム事業本部長の長谷川祥典氏は、新モデルで特に注力している3点を紹介。
1つ目は「IGZO液晶を核とした長時間使用」。3,000mAhの大容量バッテリを備え、省エネ性能を従来比20%向上させた「SH-01F」(ドコモ)は、「ドコモスマートフォン史上、最高クラスの電池持ち」という実使用時間98.9時間を実現。「充電を気にせず、余裕で3日間使用できる」としている。
2つ目は「液晶の進化による狭額縁化」。「302SH」(ソフトバンク)は、ディスプレイ占有率(端末表面の面積に対し表示部分が占める比率)を、世界最大とする約80.5%(暫定値)まで拡大。こうした狭額縁のスタイルを「EDGEST」(エッジスト)と呼び、「単にデザインという枠だけでなく、ディスプレイの内と外の世界を融和して、新たな価値観やコミュニケーションを創造する」としている。
発表会場には、EDGESTのコンセプトの延長線上にあるという「フレームレスディスプレイ」のコンセプトモデルも参考展示。8.8型と4.9型で、解像度は非公開。「CEATEC 2013」にも出展されたもので、量産時期などは未定。駆動回路やバックライトを超小型化しており、新しいパネル駆動技術や高信頼性材料、光学設計技術なども開発。今後、スマートフォンとして製品化するためには強度確保などの課題もあるという。
3つ目は「カメラの進化」。新開発の画像処理機能の「NightCatch」と、F1.9の明るいレンズ「BrightEye」の組み合わせにより、照度1ルクス下でも明るく撮れるという点などが特徴。「カメラ機能は、“レストランで撮影した写真をブログに掲載する”といったよく使われる場所にフォーカスした」としている。
AV関連では、IGZOの進化による高画質化も大きな特徴。4.5型でフルHDの「SH-02F」(ドコモ)は487ppiという画素密度を実現し、「グラビア写真を遥かに超える世界最高」としている。また、秋冬モデルのスマホは全てMiracastにも対応し、スマホ画面をテレビに表示するといった連携が可能となっている。
スマートフォンの使い方などを説明する画面には、「AV家電リンク」の項目も秋冬モデルには追加。家庭のBDレコーダやテレビと連携する「スマートファミリンク」などを説明するコンテンツは従来モデルにも入っていたが、そうした説明を探しやすくしたという。
'14年度は国内Android端末でNo.1へ
既報の通り、シャープは亀山第2工場でスマートフォン向けIGZO液晶の生産を'13年度内に開始する。今回の秋冬モデルは“亀山製”ではなく、製品に使われる時期については「これから計画する」(長谷川常務)とした。
長谷川常務は、前述した特徴のなかでも最もユーザーに求められているポイントとして「長時間使用」を挙げた。今後、IGZOパネルを他社に供給した場合も「省電力はIGZOだけで実現しているわけではなく、独自のチップなどとの組み合わせで可能にしている」(通信システム事業本部 副本部長 兼 マーケティングセンター所長 新井優司氏)と述べ、優位性を保てるとの見方を示した。
そのほか、スマートフォンと連携する腕時計などのウェアラブル端末については「サービスと連携した、新しい時代のスマホになっていく一つの表れ。シャープもそれに目を向けて、検討したい」(新井氏)とした。
長谷川氏は、これまで説明した差別化などにより「'14年度 国内市場においてAndroid端末No.1メーカーを目指す。シェアだけでなく、ユーザー満足度でもNo.1を目指す」とした。なお、5月に行なわれた説明会において「'13年度は国内メーカーでトップシェアを目指す」としていたが、現時点の見通しとしては、「今のシェアでは現実的に無理」としている。