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ソニー、4K HEVC対応BRAVIA発表で“4Kコンテンツ充実”を強調。ウェアラブル端末も

CES 2014のソニーブース

 ソニーは、米国ラスベガスで1月7日(現地時間)より行なわれる「2014 International CES」の開幕前プレスカンファレンスを6日に開催。平井一夫社長兼CEOらが登壇し、'14年に発売する同社新製品などを発表した。

4K BRAVIA新機種やXAVC S対応4Kハンディカムなど。4Kコンテンツの充実をアピール

平井一夫社長兼CEO。翌日に開幕キーノートスピーチを控え、今回の登壇は短いものだった

 平井氏は、家電を取り巻く環境の変化を振り返り、「劇的な変化により、存在しなくなったものもあれば、新たな市場を切り開き、市場を拡大したものもある」と指摘。平井氏に招かれてステージに現れた米Sony ElectronicsのMike Fasulo社長兼COOが「One Sony」を象徴するという'14年の新製品を紹介した。

 今回のCES展示におけるキーワードとして紹介したのは「PLAY」という言葉。米国などで発売されたPlayStation 4での“遊び”や、4Kテレビなどの新製品で“再生する”といったことを指しており、いずれもコンテンツの充実を図っていくことが大きな軸となっている。

 最初にFasulo氏が紹介したのは、4K対応のハンディカム「FDR-AX100」。既報の通り、従来モデル「FDR-AX1」と比べ、約1/4となる小型サイズが特徴で、4Kの記録フォーマットは「XAVC S」。4Kの30p/24p撮影ができるほか、AVCHDでの撮影も可能。4KからフルHDへのダウンコンバートも行なえる。米国における価格は約2,000ドルで、「4K撮影を片手で簡単に行なえて、価格は2K(2,000)」として笑いを誘った。

FDR-AX100を持つ米Sony ElectronicsのMike Fasulo社長兼COO
ブースに展示されたFDR-AX100

 テレビも、4K対応の新モデル「BRAVIA X950B/X900B/X850Bシリーズ」などを発表。HDMI 2.0やHDCP 2.2などをサポート。上位モデルの「XBR X950B」は、新開発の直下型LEDと、光に輝きを忠実に再現するという新技術「X-tended Dynamic Range PRO」によりコントラストを向上したことなどが大きな特徴。

 HEVC/H.265デコーダも内蔵。現在同社が米国で行なっている4K動画配信サービス「Video Unlimited 4K」に今後HEVCコーデックを採用することが予定(現在はMPEG-4 AVC/H.264)されており、別途HDD搭載4Kメディアプレーヤーを追加することにより、HDDへ一度ダウンロードしてからテレビでHEVCを再生する形となる。

4K対応テレビの新ラインナップ
XBR-85X950B
XBR-55X950B。両サイドのスタンドがデザインの特徴
4K配信対応のHDD搭載プレーヤー試作機

 CESでは、上記ダウンロードサービスを利用するためのHDD搭載プレーヤー試作機も参考展示されている。HEVCデコードに対応しており、既存の4K対応テレビに追加すると、4K HEVC映像配信も視聴可能になる。テレビとの接続はHDMIではなくEthernet。同社4K対応テレビ新モデルなどと同様に、HDCP 2.2もサポートしている。HEVCのほか、前述の4Kハンディカムで撮影したXAVC S動画も保存して再生可能。このプレーヤーの発売時期は未定。

 Fasulo氏は、米国の動画配信サービス最大手「Netflix」と協力することも発表。Netflixは、BRAVIA向けに2014年上半期から4Kコンテンツの配信を開始し、BRAVIAのHEVCデコーダを使って、本体だけでNetflixの4Kコンテンツを配信できるという。NetflixのReed Hastings CEOも登壇し、4K映像の配信ビットレートについて「“実用的なバンド”として15Mbpsを予定している」と説明した。

NetflixのReed Hastings CEO
このほかにも、ブラジルワールドカップなど、4K収録が進んでいる現状をFasulo氏が説明した

 9月のIFAなどでも強く訴求した“ハイレゾ”はCESでもアピール。24bit/192kHzなど、CDを超える音質を楽しめる新製品として、ハイレゾ対応ウォークマンにも搭載されているデジタルアンプ「S-Master HX」や、MP3などの圧縮音源を補完する「DSEE HX」などを備えたCD/USBミニコンポ「Micro Hi-Fi System」を出展している。

Micro Hi-Fi System
DSEE HXを搭載
テレビと組み合わせるシアターシステムも展示。薄型BDプレーヤーとサウンドバー、サブウーファをセットにしたモデルなどを出展している
アクションカムの新製品として、ケース無しで防水撮影ができる「HDR-AS100V」も紹介した。カール・ツァイス テッサーレンズを採用。アクセサリは従来モデルと同じものが使える
ユニークな製品として、テニスのラケットに装着するとスイングのスピードや球速などを測定できる小型端末をブースで体験可能

手首に装着できるのスマホ連携ライフログ端末や、US限定のT-Mobileコラボ「Xperia Z1」も

小石のようなサイズの「core」を持つ、ソニーモバイルコミュニケーションズの鈴木国正社長

 スマートフォン関連は、ソニーモバイルコミュニケーションズの鈴木国正社長が紹介。最初に取り出したのは、スマートフォン本体ではなく、腕などに着けて活動量や睡眠時間などを測定/スマホ表示できる「core」というライフログツール。

 運動だけでなく、音楽を聴いたり写真を撮るといった行動も記録できることから「モーション(動き)だけでなくエモーション(感情)も残せる」としている。米国では「SmartBand」に取り付けて利用できる製品として、今春の発売を予定。アプリ開発のプラットフォームをオープン化するほか、ハードウェアのデザインについても他社とコラボレートすることを予定している。

リストバンド型の「SmartBand」にcoreを取り付けて手首に装着
睡眠や運動だけでなく、音楽を聴いた時間なども記録

 スマートフォン本体では、'13年に発表したフラッグシップの「Xperia Z1」の機能を小型筐体に収めたという「Xperia Z1 Compact」を披露した。日本でNTTドコモが発売している「Xperia Z1 f SO-02F」のグローバル版(テレビチューナは非搭載)と見られ、約2,000万画素のCMOSセンサーやGレンズなどを搭載。カラーも同じく4色で展開する。

 このほかにも、Xperia Z1の米国限定バージョンとして、通信キャリアのT-Mobileとのコラボレーションモデルを発表。本体の内蔵メモリを32GBに強化したほか、カメラアプリの「Background defocus」(背景をぼかす)や、PS4のセカンドスクリーンとしてスマホを使える「PlayStation App」などが使え、さらに映画の無料ダウンロード権も付いた限定バージョン。オンラインでは1月13日から発売、店頭では22日からの発売となる。

Xperia Z1 Compact
Z1とZ1 Compactの比較
T-MobileとコラボしたUS限定のZ1
無線LAN搭載のワイヤレススピーカー「SRS-X9」。24bit/192kHzのFLACなども再生可能
小型ハウジングで、マイクのノイズ低減機能も備えたBluetoothヘッドセット「SBH80」

 なお、7日の2014 International CES開幕基調講演は、ソニー平井一夫社長兼CEOが登壇する予定。

(中林暁)