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パナソニック、初の4K動画撮影対応ミラーレス一眼「DMC-GH4」を今春発売。CP+に出展
(2014/2/7 14:00)
パナソニックは、2月13日~16日にパシフィコ横浜で行なわれるカメラ/写真の総合展示イベント「CP+2014」に出展するLUMIX新製品などについての説明会を6日に開催した。このなかで、4K動画撮影に対応したミラーレス一眼「DMC-GH4」の開発を発表した。今春よりグローバルで発売する予定だが、詳細な発売時期や価格は改めて発表される。ボディ単体のほか、「LUMIX G VARIO 14-140mm F3.5-5.6 ASPH. POWER O.I.S.」(H-FS14140)が付属するレンズキットも用意する。
「DMC-GH4」は、2012年12月に発売したマイクロフォーサーズマウントのハイエンドモデル「DMC-GH3」の後継機で、新たに4K/3,840×2,160ドットの30p/24p動画記録に対応したことが大きな特徴。プロやハイアマチュアの写真家だけでなく、映像制作におけるメインカメラとしての利用も主なターゲットとしている。無線LANを搭載し、新たにスマートフォンとのNFC接続にも対応した。
MP4/MOV形式の4K動画撮影に対応
撮像素子は新開発の4/3型 有効1,605万画素Live MOSセンサーで、限界解像をGH3に比べ5%、コントラストを30%向上。ダイナミックレンジは25%拡大、色再現は3dB以上向上させたという。感度はISO 200~25600に対応(動画は最高ISO 6400)。
画像処理の「ヴィーナスエンジン」も新開発され、広帯域輪郭強調処理や、ノイズ適応型の新マルチプロセスノイズリダクション処理、3次元色補正処理に対応する。EVF(電子ビューファインダ)は236万画素の有機ELに高解像度化(GH3は174万画素)した。AF速度も最高0.07秒(同0.09秒)に向上。防塵防滴仕様で、本体外装にはマグネシウム合金を使用する。記録メディアはSD/SDHC/SDXCカード。
動画記録はMOV/MP4/AVCHD Progressive/AVCHDに対応。このうちMP4とMOVは、3,840×2,160ドットの30p/24pや、4,096×2,160/24pをサポートし、4K記録時のビットレートは100Mbps。コーデックはMPEG-4 AVC/H.264。4K撮影のフォーマットとしてMP4とMOVを採用したのは、MP4は再生互換性が高い点で、MOVはFinal Cut Proなどでの編集を想定したためだという。
フルHDの高ビットレート記録も可能で、ALL-Intraの200MbpsまたはIPBの100Mbpsも選択できる。100Mbps以上の動画撮影時はSDHC/SDXCカードのUHS-I U3(UHS Speed Class 3)の利用を推奨している。AVCHD Progressive/AVCHDは最高1,920×1,080ドットまで対応(AVCHD Progressiveは60p/AVCHDは30p)する。
動画撮影時の音声記録は、MP4記録時がPCM/AAC、MOVはPCM、AVCHDはドルビーデジタル(いずれも2ch)。外部マイク入力とヘッドフォン出力も装備。別売のステレオガンマイク「DMW-MS2」などに対応する。静止画の連写は最高12コマ/秒。シャッター速度は静止画が最高1/8,000秒、動画は1/30~1/16,000秒(60p撮影時)。
「クリエイティブ動画モード」も用意し、フルHDのVFR(バリアブルフレームレート)時は最高96fpsに対応し、24p記録での4倍速スローも可能とした。インターバル撮影にも対応する。映画製作の画質調整用に、シンクロスキャン/マスターペデスタル/シネライクガンマの各設定機能も備える。カラーバー表示は1kHz音声基準信号出力に対応。タイムコード記録は、レックラン/フリーラン/ドロップフレーム/ノンドロップフレームの切り替えが可能。
「空間認識AF」で、動画も滑らかにフォーカス追従
AFには、前述のヴィーナスエンジンを活用した新機能の「空間認識技術」を搭載。ピント位置の異なるライブ画像から空間を認識し、物体までの距離を高速で演算する「DFD(Depth From Defocus)技術」を使ったもので、AF速度は0.07秒(CIPA基準)としている。ピント位置付近まで最高速で移動後、コントラストAFで微調整。反転動作を最小化し、AFのスピードと精度を向上させた。カメラ向けDFD技術の商用化は世界初としている。
動画撮影にも空間認識AFが活用でき、ピント抜けの無い、滑らかな追従により「4Kにふさわしい、品位ある滑らかな動画AFを実現した」としている。4K動画撮影は、フルHDに比べ大きな電力が必要となるが、パナソニック独自の放熱/低電力設計により温度上昇を抑えたという。
HDMI 1.4を備え、動画を撮影しながら4K対応VIERAなどへ4:2:2 8bit出力可能。GH4で動画記録しない場合は、4:2:2 10bit映像の出力に対応している。パナソニックの液晶テレビVIERAの4K対応モデル「WT600シリーズ」でGH4の4K動画を再生する場合は、HDMIまたはUSB接続で、MP4形式のみ対応。SDカードの場合、テレビ(WT600)の仕様上はサポートしていないが、今回のデモでは4Kを再生できていた。
業務用の別売アクセサリとして、本体の下に装着するインターフェイスユニット「AG-YAGHG」も用意。SDI出力(BNC×4)や、XLR音声入力(2ch)に対応し、外部の4K/HDビデオレコーダや業務用マイクとも接続でき、タイムコード入力も可能。
IEEE 802.11b/g/nの無線LAN機能も備え、専用アプリをインストールしたスマートフォンを使って動画撮影などのリモート操作などが可能。NFC対応スマートフォンとのワンタッチ接続も行なえる。
ビューファインダは236万画素の有機EL、モニタは3型/104万画素有機ELで、タッチパネル/バリアングル対応。フラッシュ(ガイドナンバー12/ISO 100)も内蔵する。USB 2.0やHDMIマイクロ出力も備える。
付属バッテリでの静止画撮影枚数は約500枚(キットレンズ使用時)。動画の実撮影時間は約110分(キットレンズ使用/AVCHD記録時)。外形寸法は132.9×83.9×93.4mm(幅×奥行き×高さ)、バッテリやメモリーカードを含む重量は約560g(本体のみは480g)。付属ソフトは「PHOTOfunSTUDIO 9.5 PE」、「SILKYPIX Developer Studio 4.1 SE」、「Super LoiLoscope 体験版」。
なお、CP+では、ライカの大口径中望遠レンズ「42.5mm F1.2 NOCTIVRON LEICA DGレンズ」(2月13日発売)の試し撮りも可能となっている。
静止画+動画の「ハイエンド・ハイブリッドミラーレス」
7日には、CP+出展品の説明会を開催した。パナソニックAVCネットワークス社 イメージングネットワーク事業部の杉田卓也事業部長は「4K動画の世界は今後の映像表現を大きく変えていくもので、新たな文化を創造していくイノベーション。パナソニックは様々な映像機器分野で事業展開しているが、これからの本格的な4K映像の世界を、“パナソニックの4Kワールド”として展開し、強みを発揮していく」とし、GH4の特徴である4K動画対応をアピールした。
GH4は、動画と静止画の「ハイエンド・ハイブリッドミラーレス一眼」と位置付けており、従来モデルGH3でも評価されたという機動力/高速性/操作性などをアピール。CP+の展示では、GH4を使った「高品質な静止画と動画の融合を実現する“ハイブリッドフォトグラフィー”」を、実機を通じて紹介していく。
新たな取り組みとして、デジタルメディアコンテンツを研究しているデジタルハリウッド大学と共同研究していくことも発表。4K撮影実験や、高品質なライブストリーミング配信、ショートフィルム制作といった実験を行なう予定。「4K時代にふさわしい次世代映像表現の研究をテーマに、様々な実証実験を行なう。4Kならではの映像表現を追求し、研究現場の声を開発に反映していく」とした。