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Netflix、ジブリ「火垂るの墓」日本初配信は15日16時から。日本語音声ガイドに安田章大氏

「火垂るの墓」
(C)野坂昭如/新潮社, 1988

Netflixは、スタジオジブリの名作アニメーション映画「火垂るの墓」を、7月15日16時より日本国内で初配信する。また、日本語音声ガイドをSUPER EIGHTの安田章大氏、英語版に新たに加える音声ガイドをパトリック・ハーラン氏が担当した。

Netflixの音声ガイド(Audio Description。ADと表記される)とは、登場人物の動きや表情、衣装、場面の変化についてナレーションで補足説明を行ない、セリフだけでは伝わりにくい視覚的な情報を提供するもの。

2022年からは全てのNetflix作品で、オリジナル言語の音声ガイドを制作し、最大30の言語で展開。ライセンス作品にもそのサービスは拡大しており、さらに多くの映画やシリーズ、アニメーションで利用できるようになっているという。

「火垂るの墓」
(C)野坂昭如/新潮社, 1988
「火垂るの墓」
(C)野坂昭如/新潮社, 1988
「火垂るの墓」
(C)野坂昭如/新潮社, 1988

SUPER EIGHTのメンバーであり、アイドル・俳優としても活躍する安田章大氏は、かつて脳腫瘍(髄膜腫)の手術を受け、今もなお光過敏の後遺症と向き合っている。自身の体験を通じて「音による視聴体験」の可能性を深く実感してきた安田氏は、今回「火垂るの墓」の日本語音声ガイドにナレーターとして参加。作品の情景や登場人物の感情を、温かく繊細な語り口で豊かに表現した。

12日にはNetflixが主催する、視覚に制限のある方を主な対象とした「火垂るの墓」音声ガイド付き上映会に登壇。トークセッションを通じて、多様な視聴者に向けたアクセシブルな映像体験の重要性を発信する。

安田章大さん コメント

小学生の頃、仲の良い友だちが視力を失ったことから、一緒に手話や点字を学んだことがありました。また、僕の出身は兵庫県で、「火垂るの墓」の舞台でもある西宮や神戸の風景は、子どもの頃から日常にあった場所です。夏休みには、友だちや地域の子どもたちと、「火垂るの墓」を⼀緒に観た記憶もあります。

その後、さまざまな経験を経て、40歳になった今、思い出がたくさん詰まったこの作品に、“音声ガイド”という形で関われることに、なにか運命的なつながりを感じています。すべてがつながっているようで、なるべくしてなったような、深く得心する思いです。

手術後は、映像コンテンツを長時間にわたって観ることが難しく、途中で視聴を止めてしまうこともありました。しかし、音声ガイドでは、登場人物の表情や風景の変化、アクションの繊細な動きまで音で伝わってくるため、映像の世界が一気に広がったように感じました。

これまでのように視覚に頼れないからこそ、音に深く集中できます。その体験は、むしろ物語への没入感を一層高めてくれるように感じています。今回、Netflixで世代を超えて語り継がれる「火垂るの墓」の日本語音声ガイドを担当できたことを、心から感謝しています。

この作品の強いメッセージが、音を通じて伝わるよう、一音一音に思いを込めて語りました。多くの方に“音で感じる物語”として届けられることを嬉しく思います。

「火垂るの墓」
(C)野坂昭如/新潮社, 1988
「火垂るの墓」
(C)野坂昭如/新潮社, 1988
「火垂るの墓」
(C)野坂昭如/新潮社, 1988
パトリック‧ハーラン(「パックンマックン」)さん コメント

「火垂るの墓」は、国や文化の垣根を超えて、世界中の人々の心に深く訴えかける力を持った作品です。長年日本で暮らし、米国と日本の両方の文化に馴染みのある立場から、英語版の音声ガイドという形で関わることができ、光栄に思っています。

世界中にいる英語話者で、視覚に制限のある方を中心に、音声だけでこの稀有な作品の世界を伝えられるよう、本作の深い感情や背景がさらに届いてくれることを祈りながらナレーションしました。

英語版の音声ガイドがあることで、世界でより多くの方が物語にアクセスでき、僕も見るたびに感銘を受けるこの作品の世界観や登場人物の想いを共有できると信じています。