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エソテリック、DSD 5.6MHz対応USB装備で145万円のSACDプレーヤー最上位機「K-01X」

 エソテリックは、一体型SACD/CDプレーヤーのフラッグシップモデル「K-01X」を7月1日に発売する。価格は145万円。同日に「K-03X」も90万円で発売する。「K-01X」はドライブメカにVRDS-NEOの「VMK-3.5-20S」を採用。両機種とも、DSD 5.6MHzや384kHz/32bitに対応したUSB DACなどを備える。

K-01X

 新モデルの発売に合わせて、従来モデル「K-01」と「K-03」にK-01X/03Xの新機能の一部を追加するバージョンアップも実施する。料金はK-01X/03Xそれぞれ10万円で、アップデートを行なうとUSB入力部がDSD 2.8MHz、PCM 384kHz/32bitに対応するほか、USB伝送時に外部マスタークロックジェネレーターと10MHzクロックシンクに対応する。

K-01X

 '13年11月に発売したSACDトランスポートなどのフラッグシップシリーズ「Grandioso」を凝縮したという一体型SACDプレーヤー。合計4台の電源トランスを搭載した電源部や高剛性シャーシなどの構造を継承、トランスポートの「Grandioso P1」と同じ高精度ターンテーブルシステム「VRDS-NEO[VMK-3.5-20S]」や、DAC「Grandioso D1」の設計を踏襲した差動8回路/16出力構成のモノラルDACを2台搭載。最新DACチップの「AK4495S」や、35bit D/Aプロセッシングアルゴリズム、HCLDバッファーアンプ、DSD対応USBを装備。位相雑音の少ない大型クロックなども備える。

 ドライブのVRDS-NEO[VMK-3.5-20S]は、スピンドルの軸受けに高精度ボールベアリングをペアで採用。ミクロン精度のジュラルミン製ターンテーブル、20mm厚スチール製ターンテーブル用ブリッジを搭載。メカユニット単体で5.2kg(リジッドベース含め12kg)重量を持つ。高磁束密度型マグネット駆動のコアレス3相ブラシレス・スピンドルモーターや、トランスポート「P-0」の思想を発展させたスレッド送り制御、レーザー光がつねにディスクに垂直に照射される軸摺動型ピックアップなどのメカニズムを受け継いでいる。

 トレー部は、トレー収納時にシャッターが閉まり、シャッター自体をフロントパネルにメカニカルにロックする機構を装備。気密性を高め、外部からの音圧/振動などによる音質への悪影響を軽減したという。

 VRDS-NEOのスピンドルモーター駆動用に、専用のスピンドルサーボドライバー「VS-DD(VRDS Spindle Discrete Driver)」を搭載。VS-DDは3チャンネルのディスクリートアンプ回路で、モーターに供給する電流波形を最適化、振動を抑えて滑らかなスピンドル駆動と高精度なサーボ制御を可能とした。電源部にも専用のトロイダル電源を搭載、ノイズアイソレーション効果を高めている。

 DAC部は、最高峰モデル「Grandioso D1」の設計思想を踏襲。チャンネルあたり差動8回路/16出力のパラレル/ディファレンシャル回路構成で、高リニアリティと低歪み化を追求。旭化成エレクトロニクスの32bit DAC「AK4495S」、日本無線の「MUSES 02」オペアンプなど、Grandioso D1と同じデバイス構成とした。左右チャンネルごとに独立した電源部(電源トランス)を備え、2台のモノラルDACをひとつの筐体に凝縮したデュアルモノ構成とし、電源供給能力と明確なチャンネルセパレーションを高めている。

 32bit DACデバイスを複数個組み合わせ、35bitの高解像度でPCM信号をアナログ信号へ変換するハイビットDACプロセッシングアルゴリズムを採用。ハイビットデータの階調を活かして演算誤差を最小にとどめ、忠実なアナログ変換を行なえるという。

 デジタル入力としてUSB 2.0×1、同軸×1、光×1の3系統を装備。USBはアシンクロナス伝送対応で、DSD 2.8/5.6MHz、PCM 384kHz/32bitまでサポート。PC用のオリジナルドライバを用意。DoP(DSD over PCM)、ASIO 2.1に対応する。Mac使用時はDoPに対応し、標準ドライバで動作する。同軸/光はDoP方式によるDSDや、192kHz/24bitまでのPCMに対応する。

 クロック回路は、VCXO(電圧制御型水晶発振器)を装備。Grandioso P1/D1用にNDK(日本電波工業)と共同開発したものを採用している。中心精度は±0.5ppm。

 同社の高精度マスタークロックジェネレーター「G-01」、「G-02」からのクロック信号と同期させることもできる。入力可能周波数は44.1/88.2/176.4kHzのほか、10MHz、22MHzダイレクトマスタークロックLINKにも対応。内部のPLL回路を経由せず、クロックジェネレーターからのマスタークロックをDAC部のマスタークロックとしてそのまま利用できる。USB入力時も外部クロックとの同期再生が可能。

 シャーシはVRDS-NEOトランスポートをセンターに配置、5mm厚のスチール製ボトムシャーシに固定して、独自のピンポイントフットで3点支持。回転部の振動を抑えている。シャーシ内部は5分割のダブルデッキ(2階建て)構造で、各回路ブロックを専用のコンパートメントに収納。回路同士の相互干渉を抑えた。各チャンネルに分離した2枚のオーディオ基板は背面端子に最も近い位置にマウントしている。オーディオ用電源回路やトランス類もオーディオ基板から分離、電源供給の配線を最短化している。

 入力端子は同軸デジタル×1、光デジタル×1、USB 2.0×1、ワードシンク入力(BNC)×1。出力はRCA×1、XLR×1、同軸デジタル×1。デジタル出力を使用しない場合は回路のOFFも可能。電源部は、内蔵のモノラルDAC 2台、デジタル回路、スピンドルサーボドライバー「VS-DD」専用に合計4つの大容量トロイダルトランスを搭載する。外形寸法は445×438×162mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約31kg。リモコンなどが付属する。

K-03X

K-03X

 K-01Xの思想と技術を受け継ぐハイパフォーマンスモデルと位置付けられた製品。入出力端子はK-01Xと同じくUSB/光/同軸デジタル入力を備え、DSD再生にも対応。VCXOクロックも備える。34bit DAプロセッシングアルゴリズムを採用する。

 メカユニット単体の重量は4.4kg、リジッドベース含め11.2kg。ジュラルミンのターンテーブル、10mm厚スチール製ターンテーブルブリッジなど重量級パーツも採用する。高磁束密度型マグネット駆動のコアレス3相ブラシレス・スピンドルモーター、高精度なスレッド送り制御、軸摺動型ピックアップなども搭載。

 複数のDACデバイスを組み合わせ、ハイビット処理も可能にするGrandioso D1の設計思想を踏襲し、チャンネルあたり差動4回路/8出力のパラレル/ディファレンシャル回路構成とした。DACデバイスは、Grandioso D1と同じAK4495Sを採用。DAC基板は左右チャンネル独立/同一レイアウトで配置するデュアルモノ構成。

 電源部は、大型トロイダル電源トランスをデジタル回路/アナログ回路それぞれに独立させ、システムで合計2基備える。入出力端子はK-01Xと共通。外形寸法は445×438×162mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約28kg。リモコンなどが付属する。

(中林暁)