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カシオ、アクションカメラにもなる分離型"フリースタイル"カメラ「EX-FR10」
(2014/8/26 15:02)
カシオは、デジタルカメラEXILIMシリーズの新製品として、カメラ部とモニタ付きコントローラ部を分離できる、防水/防塵/耐衝撃仕様の「EX-FR10」を9月19日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は5万円前後(税込)。カラーは、グリーン、オレンジ、ホワイトの3色。
無線接続したカメラ部とコントローラ部を分離して、自分撮りやアクションカメラのような使い方が可能。分離したカメラ部を、身体や自転車など様々なものに取り付けられるアタッチメントを用意し、スポーツなどを楽しみながら撮影できる。また、撮影した複数の静止画を自動選択して、アルバムの1ページのような1枚の静止画にしたり、1つのフォトムービーにできる機能も搭載。同社では、「新しい撮影スタイルと画像/映像の楽しみ方を提案する"フリースタイルカメラ"」としている。
屋外使用を想定した防水/防塵/耐衝撃性能
カメラ部とコントローラ部の2ピース構成で、ワンタッチで分離、合体できるのが特徴。
撮り方に応じて撮影スタイルを変更可能で、アタッチメントを使ったカメラを好きな場所に固定し、コントローラからリモート撮影を行なう「セパレートスタイル」、レンズと液晶モニターを同一画面に配した「自分撮りスタイル」、自分撮りスタイルの状態でカメラを折り畳んで一般的なデジカメのように利用する「カメラスタイル」が選択できる。
カメラ部は、1/2.3型の1,600万画素(有効1,400万画素)の裏面照射型CMOSセンサーを内蔵し、広角21mmの単焦点レンズ(F2.8)を搭載。フルHD(1,920×1,080ドット/30fps)の動画も撮影できる。フォーマットはMPEG-4 AVC/H.264(MOV)。動画の連続撮影時間は最大29分まで、もしくは最大4GB。
アウトドアでの使用を想定し、IPX6/7相当の防水性能とIP6X相当の防塵対応となっているほか、機能性弾性体を採用し、衝撃や熱をガードするフローティング構造により、2m落下の耐衝撃性能も備える。レンズは防汚コーティングされた二重の強化カバーガラスで保護している。この防水/防塵/耐衝撃性能には、G-SHOCKなどにも使われる技術が用いられているという。
コントローラ部は、2型/320×240ドットの静電タッチパネル液晶画面を搭載し、撮影画像の確認のほか、タッチ操作によるコントロールが可能。画面をタッチして離すとシャッターが切れたり、ピンチアウトでズームするなど直感的に操作できるUIを採用する。タッチパネルには、水滴や衝撃に強い強化ガラスを使用している。
カメラ部とコントローラ部はガラス繊維強化ナイロンのヒンジユニットで接続でき、一般的なデジタルカメラのようなスタイルで撮影できるほか、レンズ部を回転させて画像を確認しながら自分撮りが可能。また、カメラ部だけをアタッチメントで頭部や腕に装着したり、自転車・車のダッシュボードなどに設置することもできる。
カメラ部とコントローラ部は常時Bluetoothでワイヤレス接続されており、独自のプロトコルにより、電源オン時やスタンバイ復帰時での素早い接続を実現。マルチCPU 3モード省電力システムや、通信安定性を高める「バリアブルビットレート通信」、「高強度安定通信新素材フレーム」も採用する。
記録メディアはmicroSDカードを使用。カメラ部にカードスロットを備えるほか、無線LANも内蔵し、スマートフォンなどにワイヤレス接続して、iOS/Androidアプリ「EXILIM Link」で撮影操作や画像の確認、SNSへの画像アップロードが行なえる。
カメラ部の外形寸法は60.9×28.8mm(直径×奥行き)、重量は約63g。コントローラ部は、49.7×18.9×84.2mm(幅×奥行き×高さ)/80g。合体時は、外形寸法60.9×34.2×153.1mm(幅×奥行き×高さ)、重量約175g。
写真を自動選択してまとめるハイライト機能搭載
静止画/動画撮影のほか、一定間隔で動画や静止画を自動撮影できるインターバル撮影モードも搭載。登山やサイクリングなどのスポーツを楽しみながら、ハンズフリーで撮影できる。インターバル撮影モードは、静止画/動画/静止画動画mixから選択でき、撮影間隔は15秒/2分/5分で設定可能。
インターバル撮影モードなどで大量に撮った画像を、自動で選別して1つの静止画/動画ファイルにまとめる機能も搭載する。指定した日付の画像を自動選択し、1枚のコラージュ風画像を作成する「ハイライトフォト機能」や、フォトムービーを作成する「ハイライトムービー機能」を用意。画像の自動選択には、画像に得点を付けて高得点の画像を選択するアルゴリズムを採用する。自動選択された画像をワンタッチで入れ替えられる「画像シャッフル機能」や、お気に入りの画像を選べる「ハイライトスコア機能」も搭載。フォトムービー用にBGMを4曲内蔵しており、動画に音楽を付けて楽しめる。作成したハイライト画像や動画は、アプリを利用してスマホ経由で手軽にSNSにアップロードできる。
バッテリ駆動時間は、静止画撮影時で約255枚。フルHD動画の実撮影時間は約1時間5分。
アタッチメントは、ネックストラップと、カラビナストラップ、三脚ナットを同梱する。
また、別売のアタッチメントとして、リュックサックなどにカメラ部をつけたまま360度回転できる「マルチアングルクリップ(2,500円)」や、手首や頭部に巻きつけられる「マルチアングルベルトセット(3,500円)」、三脚などにマウントできる「トライポッドマウンター(2,000円)」などを用意する。
カメラを構えない新しい撮影スタイルを提案
新製品発表会に登壇したカシオの中山仁QV事業部長は、「カシオはこれまでQV-10やEX-S1といった画期的なデジタルカメラを発売してきたが、カメラを構えて撮る、という撮影スタイルは変わってこなかった。それを変えたいという思いから、フリースタイルというキーワードをもとに自分撮りに最適なカメラのTRシリーズを発売したが、それをさらに追求したのがFR10となる。FR10はカメラを構えて撮るという従来のスタイルから解放し、新たなコミュニケーションの形を作る」と、新製品のコンセプトを説明した。
野仲一世第二開発事業部長はFR10の特徴について、「撮る・観る・シェアする」という3つキーワードを挙げて説明。セパレートや自分撮りなど様々なスタイルで撮影でき、専用モニタ以外にもスマホ/タブレットに送信して観賞可能で、SNSなどで簡単に共有できる点を強調した。また、「これまでのカメラ文化は、撮影者と被写体という関係を生んでいたため、家族で旅行に行くと、お父さんがカメラマンを任され、家族の楽しい写真は撮れたが、お父さんの写った写真は1枚もなかったということがあった。しかし、FR10なら撮影者も含めたみんなの楽しむ姿を記録できる」と、新しい撮影スタイルによる写真/動画の楽しみ方を提案した。
また、FR10はアクションカメラのようにも使用できるが、他社製品との違いとして、「一般のアクションカメラはスポーツなどの映像を本格的に撮りたいという人がターゲットになっているが、FR10はファミリー層がレジャーなどで気軽に撮影することを想定している。アクションカメラは動画撮影が中心だが、FR10は静止画にウェイトを置いた。アクションカメラは動画を撮りっぱなしにし、後から編集するというところがライトユーザーには敷居が高いが、FR10なら撮影した静止画や動画を、ハイライト機能により編集せずに簡単に楽しめる」と説明した。
発表会にはゲストとしてタレントのLiLiCoさんや、ミュージシャンの小宮山雄飛さん、DJの井出大介さん、モデルの田中美保さんが登場。LiLiCoさんは、発売前の製品を実際に使ってみた感想として、「色々な使い方ができて便利。私はマネージャーがついていないので仕事の移動も一人の場合が多く、ブログにアップする写真を撮るのも一苦労していた。スマホで自分撮りすると撮りきれないものもあるが、FR10は画面を見ながら撮影できて便利。カメラと画面が分離できるので、一人で旅行したときも、カメラを置いて風景と自分が入った写真を簡単に撮れた」と語った。
小宮山さんは、一人で小田原城近くの公園で撮影した写真を紹介。カメラを天守閣の柵に設置し、広い公園内で遊ぶ自分の姿を撮影したという。また、東京・深川の水掛け祭りでFR-10を使ったところ、「人混みの中でも分離したカメラを上に出し、画面を見ながら撮影できた。水が掛かってもOKだし、近くにいた外国人の方に"It's cool!"と声を掛けられた」という。
アウトドアが大好きだという井出さんは、海でのレジャーを楽しみながら撮影した写真を紹介。「コントローラの画面が水に濡れても操作できて便利。ライフジャケットに装着してインターバル撮影をしていたら、友人たちの自然な表情も撮れた」という。
モデルの田中さんは、「ファッションや髪型を、自分一人でも前後左右から簡単に撮影できるので、身だしなみをチェックするのに便利」と絶賛。LiLiCoさんもこの意見に共感したようで、「後姿などをチェックしてもらうとき、男性に頼むと全然分かってなくて、後から番組を見ると、後ろがドエライことになってることがあるので、自分でチェックできるのはいい」と語った。