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「ソニーは、ハイレゾ。」ウォークマンAなど対応が41機種に拡充。moraでヱヴァ新劇ハイレゾ配信

 ソニーは25日、ハイレゾ再生対応の最小最軽量「ウォークマンA」や、70mm径ドライバ採用の最上位ヘッドフォン「MDR-Z7」、バランス駆動対応のポータブルヘッドフォンアンプ「PHA-3」など、ポータブルオーディオ機器を多数発表。さらに、同社のハイレゾ対応製品が41機種に拡大する事から、今後「ソニーは、ハイレゾ。」をキーワードに、ハイレゾの魅力を訴求していく事を明らかにした。

右端が業務執行役員 SVP ビデオ&サウンド事業本部の高木一郎本部長

 また、25日に開催された製品発表会には、音楽配信サービスの「mora」を展開する、レーベルゲートが参加。アニメソングを中心に、ハイレゾ楽曲配信が好調である事を紹介すると共に、アニメ「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の楽曲をハイレゾ配信する計画も発表した。

 25日に発表された新製品は、下表の通り。各モデルの詳細は、個別の記事を参照のこと。

ジャンル 型番 特徴 発売日 店頭予想価格
ウォークマンA NW-A17
(64GBメモリ)
ハイレゾ対応
microSD対応
DSEE HX
Bluetooth
11月8日 35,000円前後
NW-A16
(32GBメモリ)
25,000円前後
ウォークマンS NW-S15
(16GBメモリ)
DSEE
歌詞ピタ
Bluetooth
18,000円前後
NW-S14
(8GBメモリ)
15,000円前後
ジャンル 型番 特徴 発売日 店頭予想価格
ヘッドフォン MDR-Z7
ハイレゾ対応
70mm径ドライバ バランス接続対応
10月18日 56,000円前後
MDR-1A
ハイレゾ対応
アルミニウムコートLCP振動板
バランス接続対応
10月24日 28,000円前後
MDR-1ADAC
ハイレゾ対応
USB DAC内蔵
アルミニウムコートLCP振動板
37,000円前後
イヤフォン MDR-Z5
ハイレゾ対応
フルレンジBA
スーパーツイータ用BA
16mm径ダイナミック型
(アルミニウムコートLCP振動板)
10月18日 65,000円前後
XBA-A3
ハイレゾ対応
フルレンジBA
スーパーツイータ用BA
16mm径ダイナミック型
(液晶ポリマーフィルム振動板)
10月24日 36,000円前後
XBA-A2
ハイレゾ対応
フルレンジBA
スーパーツイータ用BA
12mm径ダイナミック型
(液晶ポリマーフィルム振動板)
26,000円前後
XBA-A1
フルレンジBA
9mm径ダイナミック型
15,000円前後
ウォークマン、新Aシリーズ
70mm径ドライバ採用の最上位ヘッドフォン「MDR-Z7」と、バランス駆動対応のポータブルヘッドフォンアンプ「PHA-3」
イヤフォンの最上位「MDR-Z5」

ハイレゾウォークマンを一般層へ

 業務執行役員 SVP ビデオ&サウンド事業本部の高木一郎本部長は、昨年9月に「NW-ZX1」などのハイレゾ製品を発表、2013年を「ハイレゾ元年」と位置づけ、対応ハードウェアを拡充させてきた1年間の歩みを紹介。「コンテンツ市場においても、この1年で顕著な変化をもたらせたと考えている」とし、「ハイレゾ配信サービスも増加し、楽曲は昨年から1.5倍となる、全世界で30万曲以上に増えている」と説明。

 その上で、「1979年のウォークマン第1号機では、アナログテープを屋外で楽しむスタイルを作り、1984年にはCDウォークマンでデジタル音楽を持ち出すスタイルを作った。2014年には、ポータブル機器でハイレゾを楽しむ、新たなスタイルを創出する」とし、新Aシリーズを紹介。2014年を「ハイレゾ普及加速の年」と位置づけた。

ソニー製品がこれまで実現してきたオーディオの転機
各国でハイレゾ配信サービスが続々登場

 また、Aシリーズが備えている「武器となる重要な技術」として、「DSEE HX」を紹介。MP3など、ハイレゾではない楽曲データをリアルタイムに解析し、独自のアルゴリズムを適用する事で、再生帯域とビットを拡張して再生する機能だが、「今まで聴いていたCDやMP3などをハイレゾ品質でお楽しみいただける、高音質を楽しむ入り口となる重要な技術と位置づけている。20kHz以上の音がもたらす、新しい音楽体験を、ハイレゾをまだ知らない若い人達にも知って欲しい」と語った。

ハイレゾ対応プレーヤーのサイズ比較。左からNW-F880、新Aシリーズ、Astell&KernのAK240
F880と新Aシリーズの厚さの違い
AK240との薄さ比較
ソニーマーケティング 執行役員の本多健二氏

 国内のマーケティング戦略は、ソニーマーケティング 執行役員の本多健二氏が説明。

 ZX1など、従来モデルについて「まだ特別なウォークマンという感じがいなめなかった。ターゲットがコア層に限定されていたが、それを従来のウォークマンの層へと、一般へと一気に拡大していきたい」と、Aシリーズの狙いを説明。

 そのために重視したポイントとして、「大きさ」、「重さ」、「バッテリ駆動時間」の3点を、大きく改善する事に注力。Aシリーズのハイレゾ再生時間は約30時間で、F880の17時間、ZX1の16時間を大幅に更新した事をアピールした。

「ソニーは、ハイレゾ。」

 ヘッドフォン/イヤフォンに関して、本多氏は、「既に高付加価値化がどんどん進んでいる。ラインナップを従来の6モデルから10モデルに拡大し、これらのニーズに応えていきたい。オーバーヘッド型のMDR-Z7は、音にキビシイお客様にも、しっかりと応えられる製品に仕上がったと考えている。イヤフォンも、新たに開発したバランスド・アーマチュアドライバを搭載するなどして、高音質再生を実現した」という。

 さらに、「ポータブルヘッドフォンアンプのPHA-3や、バランス駆動対応ケーブルなどは、普通の人と同じような楽しみ方ではダメだ、もっと自分好みにカスタマイズしたいというお客様がどんどん増えている状況に対応するもの。こだわりを持っている人にも、十分満足してもらえる製品が揃えられたと思う」と、ラインナップへの自信を見せた。

左からPHA-3、MDR-1ADAC、MDR-1A、MDR-Z7
イヤフォンの新ラインナップ。左からXBA-Z5、XBA-A3、XBA-A2
会場にはハイレゾ対応コンポも展示された

 こうしたラインナップ拡充により、ハイレゾ対応の製品は昨年の28機種から、今年は41機種まで拡大。「ホームからポータブルまで、充実のラインナップを揃える事で、ハイレゾを身近なものとして、生活の一部に取り込んでいただきたい。ハイレゾオーディオ商品をどんどん普及させながら、皆様の周りの音をハイレゾに変えていきたい。そういった思いを込めて、新しいキーワード“ソニーは、ハイレゾ。”を作った。一度良い音を体験したら、悪い音には戻れない。周囲の音をどんどんハイレゾ対応にしていきたいという要望を覚えるはず。そこを、ソニーがシッカリとサポートしていきたい」とした。

 広告では、女性も含め、若者への訴求を念頭に、「音楽を語れるイメージがあり、新しいものへの好奇心や、存在感もある」として木村カエラをメッセンジャーとして、CMなどに起用していく事も発表された。

ハイレゾ対応の製品は昨年の28機種から、今年は41機種まで拡大
新しいキーワード“ソニーは、ハイレゾ。”
ハイレゾ対応製品のラインナップ

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」楽曲のハイレゾ配信も

レーベルゲートの一志順夫執行役員専務

 moraでハイレゾ楽曲の配信も行なっている、レーベルゲートの一志順夫執行役員専務は、昨年10月にハイレゾ配信を開始して以来、楽曲ラインナップは600タイトルから、約3,000タイトルまで増加した事を発表。売上も「ずっと右肩上がりで来ており、昨年末のZX1発売など、ウォークマンのハードの好況ぶりに後押しされるような形で伸びてきた。moraで配信している楽曲数に対して、ハイレゾの楽曲数は1%に満たないが、売上では約2割を占めるまでになっている」という。

 ハイレゾ楽曲を購入しているユーザー層は、89%が男性。年代では20〜40代が半数以上を占める。「男性ばかりである事は課題ととらえていただいても良い。ジャズやクラシックが多いため、年齢層は上になるだろうなと思っていたが、意外にも若い層も多い」という。

 その理由の1つとして一志氏は、「アニメ・声優系のコンテンツが非常に強く、これは当初想定していなかった。アニメ/ゲーム系のハイレゾ楽曲は、タイトル数は11%程度だが、ダウンロード数では17%となり、タイトル数に対してダウンロード数が大きい。例えば、藍井エイル/IGNITEは、通常音源に対してハイレゾ音源がDL数ベースで約10倍、金額ベースで約15倍。春奈るな/Startearは、DL数で約25倍、金額で約40倍売れている。アニメを媒介として、高音質音源の素晴らしさに気づいた人が増えている。物心ついた頃から圧縮音源に囲まれていたような若いユーザーには、ハイレゾ音源の素晴らしさ、圧縮音源とのコントラストに驚いている人がいるだろうと思う。これが、新しいマーケットを開拓する鍵になるだろう」と予測。

 これを加速するため、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」序・破・Qの楽曲を、11月5日にハイレゾで配信していくと発表。さらに、レッド・ツェッペリンのアルバムを、10月下旬にハイレゾ配信する事も紹介。「名盤のハイレゾ化も加速させ、新譜も含め、春までに5,000タイトルを目標」とした。なお、「ヱヴァ新劇場版」のハイレゾ配信に関しては、e-onkyo musicでも、11月5日に配信開始を予定している。

(山崎健太郎)