ニュース

Olasonic、音の広がりや低音を強化したテレビ向けの卵型スピーカー新モデル。約9千円

 東和電子は、Olasonicブランドの卵型スピーカーのテレビ向けモデル「TW-D6TV」を12月上旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は8,980円(税込)。カラーはノーブルブラック。

TW-D6TV

 昨年発売した「TW-D5TV」の後継モデルで、ステレオミニでテレビと接続する簡単さを継承。卵型Bluetoothスピーカー「TW-BT5(W)」などで培った、新形状デュフィーザーによる音の拡散や、背面パッシブラジエータの大口径化、プレッシャーボード追加などにより、音質をグレードアップしている。ユニットは50mm径フルレンジで、マグネットは55mm径のフェライト。パッシブラジエータは53mm径。

TW-D6TVをテレビと組み合わせたところ

 薄型テレビとステレオミニで接続するアクティブスピーカー。複雑な操作や設定が不要で、テレビのイヤフォンジャックに接続、ACアダプタをコンセントに接続するだけで使用できる。アンプも内蔵しているが、ボリューム調整などは無く、接続したテレビ側でボリューム調整する。そのため、テレビのリモコンがそのまま使用できる。

赤い部分がデュフィーザー。音を拡散する

 電源ボタンも無く、オートパワーON/OFF機能を用意。テレビを使わない時はOFFになり、使用し始めるとONになる。オートパワーオフ時の待機電力は0.3W以下。

 卵型のエンクロージャは内部定在波の発生を防ぐ形状であると同時に、剛性が高い形状でもあり、エンクロージャの箱鳴りを低減。音の回折も少なく、点音源を実現。ユニットは50mm径のフルレンジで、55mm径の大型マグネットを採用。ユニットの前には大型のデュフィーザーを配置。放射する音を拡散させ、広がりのあるサウンドを実現している。

左がTW-D5TV、右がTW-D6TV。背面のパッシブラジエータ前にはプレッシャーボードを追加した

 背面にはパッシブラジエータを搭載。パッシブラジエータの前には、プレッシャーボードを備え、重低音再生を強化した。

 アンプの出力は従来モデルと同じ。ただし、スピーカー部の仕様変更に合わせ、チューニングを変えている。大容量のキャパシタ(コンデンサ)を使い、音楽が静かな時にキャパシタに充電を行ない、大音量が必要な時に一気に放電することで、パワフルな再生を可能にする「Super Charged Drive System」(SCDS)も採用。消費電力2.5Wながら、10W×2chの出力を実現する。

 外形寸法は87×119mm(直径×高さ)。再生周波数帯域は80Hz~20kHz。電源はACアダプタを使用する。

TW-D5TVとTW-D6TVを比較

 実際に液晶テレビとステレオミニ接続し、従来モデルと新モデルを比較してみた。

左がTW-D5TV、右がTW-D6TV

 まず、テレビ内蔵のスピーカーと、従来モデルのTW-D5TVを比較。テレビのスピーカーは音に厚みが無く、レンジが狭く、こもったような音。中高域にプラスチックの付帯音がついてしまい、響きがカンカン、コンコンと安っぽい。低域はほとんど無く、腰高なバランス。音像も前に出ず、歌番組を表示すると、画面の背後に楽器やヴォーカルが引っ込んでしまう。

 TW-D5TVに変更すると、音場がグッと広く、立体的になり、ヴォーカルがしっかりと画面の前に出てくる。音のレンジも拡大し、低域もそれなりに充実。腰高なバランスから、ニュートラルで聴きやすいサウンドになる。付帯音も減り、クリアでヌケの良いサウンドに変化。激変と言っていい音質向上が実現できている。

 新モデルのTW-D6TVに変更すると、サッカー中継のスタジアムの歓声が、D5TVよりもさらに広く、奥行きも深く描写される。音の立体感に磨きがかかり、音と音の隙間の無音部分もキッチリわかるため、空間と音像にリアリティが出てくる。

 また、低域の沈み込みも深くなり、映画のサウンドに迫力が増す。ニュースの男性アナウンサーの声、ドラマのナレーションなどでも、声に厚みが出て、聴き取りやすい。大きな声援の中でサッカーボールを蹴る「ボンッ」という音も、D6TVの方が明瞭だ。さらに、D5TVではボリュームを上げていくと、スピーカーの筐体からと思われるプラスチックの響きがわずかにのってしまうが、D6TVは同程度の音量に上げても余分な音が付帯せず、抜けの良い、ナチュラルな音を維持している。

(山崎健太郎)