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ソニー、'15年度第2四半期は営業利益880億円。TV黒字

PS4販売見通し100万台上方修正、「規模を追うステージ」

 ソニーは29日、2015年度第2四半期(2015年7月1日〜2015年9月30日)の連結業績を発表した。売上高は、前年同期比0.5%減の1兆8,927億円、営業利益は880億円。税引前利益は722億円。純利益は336億円と黒字化した。

ソニー 代表執行役副社長兼CFOの吉田憲一郎氏
2015年度第2四半期連結業績

 売上高は、為替の影響や、PlayStation 4(PS4)のソフトウェア増収によるゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野の大幅増収があったものの、金融分野の減収や、スマートフォンの販売減少などにより、前年比で0.5%減となった。

 営業利益は、前年同期の856億円の損失に対し、880億円の利益となった。主に前年同期にモバイルコミュニケーション(MC)分野において、営業権の減損1,760億円が計上されていたことが大きな要因。この減損を除いた営業利益は前年同期で24億円の悪化となっている。また、映画分野の損失が大幅に拡大したという。

 テレビなどのホームエンタテインメント&サウンドHE&S分野の売上高は、前年同期比0.2%減の2,891億円。営業利益は同73.9%増の158億円。液晶テレビの高付加価値モデルシフトによる製品ミックスの改善や為替の好影響があったが、家庭用オーディオ/ビデオが縮小して売上減となった。営業利益は、コスト削減や製品ミックスの改善で、分野全体で増益。為替の悪影響は104億円。

 テレビについては、売上高は前年同期比で1.6%増の2,030億円。売上台数は減少したが、高付加価値モデルへのシフトを進めた。営業利益も前年同期比48億円増で97億円の黒字。

 ホームエンタテインメント&サウンド分野については、売上高は為替の影響で通期の見通しを200億円下方修正。一方で、営業利益はコスト削減や高付加価値モデルへのシフトによる製品ミックスの改善などで30億円上方修正した。ただし吉田氏は、「テレビ事業は引き続き慎重に見ており、見通しは変更していない」と説明。

HE&S分野の業績

 ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野は、売上高が前年比16.5%増の3,607億円、営業利益が9.8%増の239億円と増収増益。PS4の販売台数は330万台。ソフト含めてPS4ビジネスが好調。これを受けて、10月時点の見通しを売上高300億円、営業利益は200億円上方修正した。「PS4はハードだけでなくソフト、ネットワークを通じた売上、ハードのコスト低減、ネットワークの決算システムのコスト低減も効いている」(代表執行役副社長兼CFOの吉田憲一郎氏)という。

 PS4本体は既に値下げも発表しているが、これも踏まえ、販売台数見通しは7月時点の1,650万台から1,750万台へと100万台上方修正した。吉田氏はPS4について、「規模を追うべきステージにある」とした。

ゲーム&ネットワークサービス分野

 イメージング・プロダクツ&ソリューション分野の売上高は、前年同期比4.1%増加の1,860億円。営業利益は前年同期比58億円増加の259億円。「市場は縮小する中、デジタルカメラの高付加価値モデルのシフトに成功しており、その効果が大きいと考えている。高付加価値を持つ、“感動”を届ける製品に注力しており、規模ではなく“違いを追う”事での成果が出始めている」(吉田氏)という。これを踏まえ、通期の目標は実質的に100億円上方修正されている。

 デバイス分野の売上高は、前年同期比 7.4%増加の2,581億円。営業利益は前年同期比44億円増加の327億円。電池事業の減収の影響があったものの、主に為替の影響やイメージセンサーの需要増加による増収増益となった。「センサーの生産設備に問題が生じ、一定期間アウトプットが低下する事態もあり、7月の見通しからは下回っているが、現在はこの問題も解消している」という。

 28日に、東芝の大分工場における300mmウエハー製造ラインに関する資産をソニーに譲渡することで基本合意した事について、吉田氏は、「譲渡に関する意向確認書を交わした段階で、まだ最終合意ではないが、実現すればソニーにとって、今後の生産戦略の柔軟性が増すと考えている。この分野では人手不足もあり、東芝様のセンサー設計などを行なっている方々が(ソニーに)来ていただけるとなれば大変ありがたい事。中長期的にイメージセンサーの需要は堅調に推移すると見ており、投資については積極的に考えていく」という。

イメージング・プロダクツ&ソリューション分野

 モバイル・コミュニケーション分野は206億円の営業赤字。前年同期比から1,500億円の縮小となるが、これは前述の通り前年同期に営業権の減損1,760億円を計上していたため。この影響を除くと、261億円の損益悪化になるという。

 スマートフォンの販売台数は減少しているが、高付加価値モデルへのシフトによる製品ミックスの改善やマーケティング費用や研究開発費などの削減で「ほぼカバーできている」という。しかし、為替の悪影響が244億円と大きく、損益の悪化要因になった。

 吉田氏は、「構造改革は予定通り進捗しており、通期見通しに変更はない。商品ラインナップや地域についてしっかりとフォーカスをもって事業運営していく事が重要だと考えている」とした。

 映画分野の売上高は1,837億円、営業利益は225億円のマイナスとなった。「映画製作の減収、大作が多くて広告宣伝費が増加した事、ドル高・円安も営業損益にマイナスの影響を与えた」という。

 吉田氏は映画分野の問題点として、「個々の映画作品の収益や見通しの作成に、楽観的な部分があった」、「持続的な成長をもたらす、優良な資産や権利の積立が十分には進んでこなかった」という2点を挙げ、「これらの点はSPE(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)としても本社としても反省をしており、改善していきたい」とした。

(臼田勤哉)